生活保護受給者もクレジットカード審査に通るって本当?
年金受給者は国の制度によって年金を受給していることで、安定した給付金があるのでクレジットカードの審査対象となっています。
しかし同じ制度でも生活保護受給者の場合はどうでしょうか?
年金受給者と同様の扱いになるでしょうか?
今回はクレジットカード審査では生活保護受給者はどのような扱いとなるのか解説します。
生活保護を受けている人のクレジットカード審査
結論からいうと、生活保護を受けていることがわかればクレジットカード審査では却下となります。
それではなぜ同じ国からの給付金を受け取っているのに年金受給者とは違う扱いになるのでしょうか?
生活保護は生活資金の給付
年金制度でも年金は生活資金の給付が目的ですが、年金受給者は仕事をしていても給付を受けることができます。
しかし生活保護制度の趣旨は、仕事ができずに生活費にも困っている人を救済するということです。
受給額も生活できる最低レベルの金額となっていて、受給申請できる条件も厳しくなっています。
そのため年金受給者とは違って生活保護受給者は生活費以上の収入がある仕事についた場合、給付金をもらうことはできなくなります。
生活保護の受給は不正受給者も年々増加していることもあり、受給してからのチェックも厳しくなっています。
また、生活保護を給付する条件にカードローンや融資といったお金の借入返済に生活保護の給付金を充当することは禁じています。
もちろんクレジットカードの利用代金もこれに相当するので、そもそも生活保護者はクレジットカードを作ることができないのです。
また、生活保護を受給されている方は仕事をしていないことが多いので、クレジットカードの申込書に勤務先を記入することもできませんし、虚偽の記載をしても在籍確認が取れないのですぐ無職であることは発覚します。
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20歳~69歳で現在収入がある人であれば、申し込み対象としています。
カード審査に独自の審査基準を設け、現在の収入を重要視する傾向にあります。
また自分に収入がなくとも、配偶者に収入があればカードを発行できる可能性があります。
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クレジットカード審査で生活保護受給はわかる?
生活保護は自立するまでの一時的なもので、自己破産や個人再生とは意味が違います。
自己破産や個人再生をした事実は「官報」という国の広報に記載されますが、生活保護受給者の情報は老齢年金受給者や障害者年金受給者と同じで、公開されていません。
特に生活保護の場合は自立後の生活にも影響があるので、公開することはありません。
そのため情報元がないので個人信用情報機関にも登録されず、クレジットカード審査では生活保護を受けているかどうかは本人が申込書に記載しない限り発覚することはないのです。
クレジットカード審査で生活保護者を却下するのは、カード申込者が単純に審査基準に満たない収入だったり、属性だったりするためです。
パート・アルバイトをしていれば審査は通る?
生活保護を受給するには各地域によって法律で定めた最低生活費基準額を下回る収入でなければいけません。
つまり多少収入があっても受給できるので、パート・アルバイトを実際にしている生活保護者もいます。
この場合はクレジットカード会社には生活保護の給付金を受け取っているのかは確認できないので、パート・アルバイト収入として判断します。
しかし、パート・アルバイトでも月数万円の収入でなければ生活保護を受けられません。
月数万円の収入では、一般的なクレジットカードでは審査通過は難しいでしょう。
消費者金融会社のクレジットカードであれば可能性はありますが、生活保護受給者は過去にクレジットの事故歴がある可能性が高いので、事故歴があればクレジットカードを作る方法はありません。
生活保護を受ける前から持っているクレジットカードはどうなる?
生活保護を受ける前からクレジットカードを持っている場合の対応は各自治体で違いがあるようです。
基本的には使用禁止
基本的にクレジットカードを解約する必要はありませんが、使用は禁止されます。
手数料がない1回払でも1ヶ月以上先の後払いになるので実質的に借金と判断されるので、生活保護費で支払いはできません。
特にキャッシングは完全に借金となるので認められていません。
クレジットカード使用が禁止されるのは使いみちではなく、借金返済を生活保護費で支払うことが問題となるのです。
クレジットカード会社への届け出は必要か?
一般的に住所や勤務先が変わるとクレジットカード会社に届け出の必要があります。
住所が変更された場合であれば請求書が届かないのでクレジットカード会社が調査をすることになりますが、勤務先の場合は変更しなくてもクレジットカード会社は特に調査は行ないません。
勤務先に定期的に在籍確認を行なうこともないので、届出をしない限り転職や退職に関してはクレジットカード会社に知られることはありません。
支払遅延があった場合でも、基本的に勤務先に督促電話をすることはありませんが、自宅に何度電話しても連絡が取れない場合は勤務先に連絡することがあるので、それがきっかけで退職していることが発覚することはあります。
審査なしで発行できるデビットカードが便利
後払いのクレジットカードは借金と判断され、生活保護受給者の方が持つと問題になることが多いので、デビットカードを利用することをおすすめします。
デビットカードの特長
デビットカードは銀行のキャッシュカード機能とカードショッピング機能を備えたカードです。
クレジットカードとの違いは後払いではなくカードショッピングと同時に金融機関の口座から引き落としされる点です。
後払いではないので借金と判断されることもなく、生活保護の受給者でも利用することができます。
デビットカードはVISAデビットカードやJCBデビットカードが普及しているので、クレジットカードと同じ加盟店で利用できる点がメリット。ATMも利用することはできますが、キャッシング機能はないので自分の預金を引き出す以外の使い方はできません。
ただし、クレジットカードよりも利用できる加盟店は少なくなっています。
デビットカードとクレジットカードの違い
ここで簡単にデビットカードとクレジットカードの違いをまとめておきましょう。
クレジットカード | デビットカード | |
支払方式 | 後払い | 買物と同時 |
入会基準 | 18歳以上で定期的な収入が必要(その他カードによって条件がある) | 銀行口座保有・収入基準なし(15歳または16歳以上) |
年会費 | 無料・有料 | 無料(一部有料) |
国際ブランド | VISA・マスターカード・JCB・アメックス・ダイナースクラブ | VISAまたはJCB |
ポイントサービス | 還元率0.5%~ | ポイント還元率0.2%~ |
付帯保険 | カード盗難保険のほかショッピング保険、旅行傷害保険など多数 | カード盗難保険 |
個人信用情報機関への登録 | あり | なし(クレジットヒストリーが残らない) |
デビットカードは返済能力や年収に関係なく銀行口座さえあれば、ほとんどの人たちにカード発行ができます。
職業を問わないばかりか無職でもクレジットカード加盟店を利用できるというのが最大のメリットです。
デビットカードの使い方
VISAやJCBデビットカードは店舗でもクレジットカードと同じように使うことができます。
クレジットカードと違うのはカード番号や有効期限、氏名がデコボコになったエンボス加工がされていないので、クレジット端末機がない加盟店では使うことができません。
しかし日本ではクレジット端末機がない加盟店はほとんどなくなったので日常の利用では問題ないでしょう。
デビットカード活用法と注意点
デビットカードでも買物自体は借金とみなすことはありませんが、購入商品に関しては制限があります。
カードを経由していますが、生活保護費を使うことには変わりないので、生活に必要なものしか購入できないのは同じです。
生活保護申請前から所有しているものは価値が高いもの、贅沢品は売却して換金する必要がありますが、TVやパソコン等の売却は不要とされています。
生活保護者でも、もともと持っているのであればパソコンの利用者もいるでしょう。
車の所有は認められないことも多いので、スーパーに買物にいっても重い荷物を運ぶのには苦労したという体験もあるでしょう。
そんな時ネットスーパーでデビットカード決済をすれば、ATMで引き出すこともなく重いものも配達してもらえます。
こうした活用法であれば生活保護費も停止されることはありません。
生活保護受給者は無理をしないでデビットカードを利用しよう
生活保護を受けている人はクレジットカード利用ができないというよりしてはいけないのが原則です。
生活保護制度の趣旨を考えるとそう考えるのが当然です。
消費者金融系カードを作るために申込書に虚偽記載することを考える時間があれば、少しでも早く自立できるよう努力することが将来にとって良い影響を及ぼすことになるでしょう。
とはいってもそれぞれ事情を抱えてすぐに自立ができない場合もあるはず。
デビットカードを活用すればポイントも貯めることができいくらかは生活を楽にすることができます。
まずはデビットカードを活用して、クレジットカードは自立してから作りましょう。
今はクレジットカードを作ることを目標にして、自立のための努力をされることをおすすめします。
最上天晴
株式会社GV・メデイアディレクター、クレジットカード・電子マネーの専門家。早稲田大学卒業後、日之出出版、扶桑社、主婦の友社で20年に渡り、雑誌・書籍の編集に携わる。2012年に主婦の友社を退社し、株式会社GVのメディアディレクターに就任。 2018年にまねーぶを立ち上げ、現在まねーぶの運営責任者と編集長を務めている。