共働き?専業主婦?夫婦で考える保険の見直し

保険で準備すべき万一のための保障は、その人の生活によって変化していきます。

ライフスタイルに伴って必要な保障もそれぞれ異なります。

今回は、結婚というライフスタイルの変化での保険の見直し方について解説します!

まずは家計の統一を!

夫婦で必要な保障について解説する前に、まずやっておかなければならないことは、夫婦の家計の統一です。

夫婦別財布性にする場合もありますが、生命保険に関してはお互いの契約を確認しておかないと万一のときに受取れるはずの保険金を受取れない可能性があります。

また、保険金受取人を両親にしてる人は、税金の面でも有利になる結婚相手に変更しておきましょう。

夫婦で必要な保障をパターン別に解説!

それでは、生命保険で用意すべき死亡保障額について、結婚のライフステージごとに解説していきましょう。

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夫婦共働きの場合

夫婦共働きという生活スタイルも、最近では主流になりつつあります。

また、収入源が一世帯に2つあるということは、どちらかに万一のことがあっても収入が途絶えることがないという点で、リスクが少ない生活の仕方だということができます。

夫婦のどちらかが亡くなった場合でも、遺された方が経済的に自立できていれば、死亡保障はほとんど必要なく、葬儀関連費用のために夫婦それぞれに200~300万円程度の保障があれば十分でしょう。

ただし、年収500万円と年収200万円のように、夫婦の収入に差がある場合はこの限りではありません。

現在の生活費から万一の時の必要保障額を考えて、収入が多い方に多めの死亡保障をかけましょう。

⇒「保険の必要保障額を見直し!節約できる保障金額の割り出し方とは?」の記事はこちら

夫婦のどちらかが専業主婦(夫)である場合

夫婦のどちらかが専業主婦になり共働きでなくなった場合は、大黒柱である働き手に十分な保障をかける必要があります。

現在の生活費から、遺族に必要な生活費を算出し、そこから後述する遺族年金などの公的保障からの収入を差し引いた分が必要な保険金額です。

妻が専業主婦の場合、夫に万一のことがあれば遺族年金だけが収入源になるんですね!
うむ。

しかしじゃの、遺された妻が再就職出来る見込みがあったり、実家に戻って生活できる場合には、それを考慮して必要保障額を減額しても良いぞ。

子どもが生まれたら

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文部科学省『子供の学習費調査』(平成26年度)によると、幼稚園から高校まですべて公立に通ったとしても、3歳から高校3年までの15年間で約500万円もの教育費がかかります。

また、日本政策金融公庫『教育費負担の実態調査』(平成27年度)
によると、大学への入学費と4年間にかかる教育費累計は、国公立大学で689.9万円、私立大学文系で907.9万円、私立大学理系で1050.4万円となっています。

これらには塾などの学校外学習費は含いますが、子どもの食費や被服費などの生活費は含まれておりません。

学習費だけでも合計で約1,200万円~1,500万円、生活費や下宿代も含めればそれ以上の費用が、子ども1人を育て上げるために必要となります。

ですから、夫婦のどちらかに万一のことがあったときにこの費用を賄える貯蓄がない場合は死亡保障で準備する必要があります。

ここでのポイントは、子どもが独立するまでにかかる教育費は子どもが成長するにつれてだんだんと減っていくという点です。

このため、保険金が年金形式で受取れる収入保障保険(家族収入保険)や、受け取れる保険金がだんだんと減っていく逓減型保険であれば、保障に無駄がなく保険料を節約できるでしょう。

また、教育費の比重が大きい大学4年間については、学資保険や終身保険などの貯蓄型保険で、用意するのもおすすめです。

子どもが独立したら

子どもが全員独立すると、子どものための死亡保障は必要なくなります。

夫婦2人暮らしの生活費を再点検して、必要保障額に応じて保障を減らしましょう。

また、この時点で老後までに期間があれば、この期間は養老保険や個人年金保険などで老後資金を用意するチャンスになります。

老後資金の計画をしっかり立てましょう。

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制度ごとにもらえる金額が異なる?知っておきたい遺族年金

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夫婦の片方が亡くなったときの社会保障制度として、遺族年金があります。
遺族年金は日本の公的年金制度の一部で、遺族基礎年金と遺族厚生年金に分かれます。

自営業者や無職の人が死亡したときに遺族は遺族基礎年金のみを受給できるのに対し、会社員や公務員が死亡したときには遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方を受給することができます。

遺族基礎年金の受給要件と年金額は?

遺族基礎年金は18歳未満の子どもがいる場合に受給されます。

その子どもの人数によって、年金額は次のようになります。

  • 子ども1人:100万4600円
  • 子ども2人:122万9100円
  • 子ども3人:130万3900円

第3子以降は、子どもが1人増えるにつれて、年金額が7万4800円増額されます。

子ども1人でも年間約100万円受給できるわけですから、保険でカバーすべき金額はかなり減額されることになりますね。

でも、18歳未満の子どもがいなければならないってことは、子どもがいなかったり全員18歳以上になったりしたら、もう受給できないってことですか?
うむ。子どもがいない遺族は、基本的には遺族基礎年金は受給できん。
じゃが、子どもがいない妻が受給する寡婦年金という制度もあるぞい。

寡婦年金の受給要件は以下です。

  • 死亡した夫が保険料を25年以上納付していた。または免除されていた。
  • 10年以上の結婚機関がある妻である。
  • 遺族基礎年金と老齢基礎年金を受給していない。

つまり、子どもを育て上げた妻が自身の老齢基礎年金を受け取っていない場合は、かなりの割合で寡婦年金を受給できることになります。

遺族厚生年金の受給要件と年金額は?

亡くなった人が会社員や公務員であった場合、前述の遺族基礎年金に加えて、遺族厚生年金を受給することができます。

遺族厚生年金額は、亡くなった人が生前に働いていた期間や受け取っていた給料(平均標準報酬額)によって異なります。

保険各社がおおまかな厚生年金額の目安を試算してくれているので、それを参考に年金月額がいくらになるのか算出してみましょう。

加入月数が300月として、平均標準報酬額(≒給料の平均)が20万円・30万円・40万円の場合、合計の年金月額の目安は、以下のようになります。

 遺族基礎年金+遺族厚生年金の合計月額(目安)
平均標準報酬額0万円の場合30万円の場合40万円の場合
子どもなし2万円3万円4万円
子ども1人10万円11万円12万円
子ども2人12万円12万円14万円
子ども3人13万円14万円15万円

アクサダイレクト生命HPより)

遺族厚生年金は遺族基礎年金と違って、子どもが1人もいなくても受給額がゼロではないというところがポイントです。

結婚したら医療保険はどうしたらいい?

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ここまで、結婚したら死亡保障をどうすれば良いのかについて解説してきました。

最後に結婚後の医療保障の見直しについて、考えてみたいと思います。

結婚したことを理由にして医療保険を増額する必要はありません。

というのも、独身時代と比べて病気やけがで入院や手術を受けるリスクが上昇することはないからです。

むしろ、高額療養費制度によって毎月の医療費自己負担額は約9万円に抑えられることや、会社員や公務員であれば収入を保障する傷病手当金が受給できることを考えると、共働きであったり貯蓄に余裕があったりするのであれば、医療保険を減額できる可能性もあります。

シンプルな医療保険を選んで保険料を節約し、貯蓄へ回して健全な家計を築きましょう。

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まとめ

  • 結婚したらまず、お互いの保険内容を確認しよう。
  • 死亡保険で用意すべき必要保障額は、ライフステージによって変化する。
  • 夫婦の片方が亡くなったときには、遺族年金を受給できる。
  • 結婚したからといって、医療保険を増額する必要はない。
共働きか専業主婦か、子どもを育てるかどうか、ここが保険の見直しでもやはりカギとなるんですね…。
うむ。政府がめざす一億総活躍社会と出生率上昇が実現するなら、これからは共働きで子どもを育てるのが、主流になるんかのう。
これで賃金が伸びないままとなると、ますます保険でリスクに備える必要は高まるじゃろうな。

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