住宅購入で押さえておきたい保険見直しのポイント
結婚・子どもの誕生・マイホーム購入・子どもの独立・退職…。
長い人生には、ターニングポイントとなるライフイベントがいくつか訪れます。
ライフスタイルの変化に合わせて保険を見直し、不要な保障を削ることで何十万円~何百万円もの節約が可能なこともあります。
今回は、住宅購入の際の保険見直しのポイントを解説したいと思います!
団体信用生命保険とは
住宅購入時に保険見直しが必要な最大の理由は、住宅ローン契約時に団体信用生命保険(略して「団信(だんしん)」)に加入するからです。
団信とは、その名の通り生命保険で、住宅ローン契約者(=保険契約者=被保険者)が死亡や所定の高度障害状態になったときに、住宅ローンの残返済額すべてを保険金によって弁済するというものです。
団信によって、住宅ローン契約者に万一のことがあった時に、遺族はマイホームを手放すことも以後のローン返済に追われることも心配する必要がなくなるのです。
また金融機関の側から見ても、債務者の万一の際には団信によって債権が全額回収できるので、大切な保険なのです。
住宅ローンを契約すると、自動的に団信に加入することになる
現在ではほとんどすべての金融機関が、住宅ローン契約時に団信加入を義務付けています。
といっても、団信保険料は金融機関側が負担することがほとんどですので(毎月の返済額に含まれているという解釈も可能ですが)、利用者側に負担感はありません。
ただし団信も保険ですので、加入時には健康状態や病歴などの告知が必要で、条件によっては加入できないこともあります。
団信に加入できない場合には住宅ローンの契約自体ができない可能性もあります。
特約付き団信もある
近年は、金融機関ごとに「7大疾病特約付き」「3大疾病特約付き」など特約付き団信の取り扱いが増えています。
特約を付けることでローン残債が弁済される適用範囲が拡大することは事実ですが、その疾病以外を理由とする入院保障や通院保障までをカバーする商品は登場していません。
また、保険料は「住宅ローン金利を0.3%上乗せ」などという形で支払うことになります。
フラット35で住宅ローンを組んでいる場合
ところで、団信の扱い方は一般の金融機関が提供する住宅ローンとフラット35とで異なります。
その解説の前に、フラット35について簡単にご説明しましょう。
フラット35は全期間固定金利の住宅ローン
住宅金融支援機構が民間金融機関と共同で提供しているのがフラット35です。
フラット35の特徴は、全期間固定金利(契約によっては金利引下げ期間があるものもある)であることです。
住宅ローンの金利タイプのうち、変動金利型と固定期間選択型は、金利が低いかわりに景気の変動に合わせて金利が変動するため、契約者が金利変動リスクを負うことになります。
反対に全期間固定金利型は、前二者に対して金利は高めですが、全返済期間にわたって契約時の金利が適用されます。
2016年に入ってからのマイナス金利政策によって住宅ローン金利が下落しているので、金利タイプを問わず、住宅ローンを契約するには現在はお得なタイミングなのです!
特に、超低金利が全期間続くフラット35は、今が「買い時」であることは間違いありません。
フラット35団信加入は必須ではない
フラット35独自の特徴として、団信の加入が必須ではないということが挙げられます。
(住宅金融支援機構が提供する団信のため「機構団信」と呼ばれる。)
とはいえ、フラット35契約者の大多数は機構団信に加入しています。
おおよそじゃが、住宅ローンの金利が0.3%アップするのに相当するんじゃよ。
また、機構団信の加入は住宅ローン契約時にしかできず、途中脱退すると再加入はできないというのも特徴じゃな。
節約するために!住宅ローンを踏まえて見直すことができる保障
それではいよいよ、住宅購入によってどのように保険を見なすことができるのか確認していきましょう。
まずは、死亡保障の見直しからです。
団信の加入で死亡保障額が厚くなりすぎている!
マイホームを取得するまでは、住宅費として賃貸住宅の家賃を万一の時の必要保障額に計上していたはずです。
そして、その必要保障額から死亡保険の保障額を決めていたことでしょう。
ですが、住宅ローンを契約したなら団信に加入するため、万一の時にはその後の住居費分(家賃に代わって住宅ローン返済)が不要になります。
このため、住宅購入前の死亡保険を続けていたなら、保障が手厚くなりすぎるのです。
この部分を削ることで、保険料を節約しましょう。
注意ですね!
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万一の時に受け取ることができる遺族年金も確認しておこう
どうせ保険を見直して加入しなおすのであれば、それを機に必要保障額の全体を再点検してみてはいかがでしょうか。
一家の稼ぎ頭に万が一のことがあった時には、公的年金として遺族年金を受給することができます。
おおよその金額はこちらを参照してください。
→保険の必要保障額を見直し!節約できる保障金額の割り出し方とは?
住宅費と遺族年金受給分を差し引けば、驚くほどに死亡保険で用意すべき必要保障額が減少していることに気が付くはずです。
団体信用生命保険でカバーできない保障を充実させよう
住宅取得時には、他にも以下の保険見直しをしておくとよいでしょう。
医療保障の検討を
団信は特約を付けない限り、死亡または高度障害状態になった場合しか保障されません。
また特約を付けていても、その所定の疾病になったときにしか保障は発生しないのです。
このため、病気やけがで入院状態が続くなどして長期間働けなくなった場合や、障害状態や介護状態になって収入が途絶えてしまうなどのリスクに備えるには、団信だけでは不十分なのです。
そういった事態でも住宅ローンは支払っていかなければならないのですから、入院や障害状態などに陥った際にも保障を得られるように、保障内容をよく確認して医療保険の加入も検討しましょう。
フラット35の機構団信にあえて加入しない(退会する)という選択も
フラット35で住宅ローンを契約した人なら、機構団信にあえて加入しない、加入しているなら退会するというのも保険見直しの1つの手段です。
というのもフラット35の保険料は、残りのローン返済額のみによって決定されるからです。
死亡保険なら、年齢や健康状態によって保険料に差がつくのは当然じゃないですか!
最近は健康優良体割引のある保険もあるから、場合によっては大幅に保険料を減らせるぞい。
機構団信から乗り換えるなら、収入保障保険がおすすめじゃ。
万一の時には、給料のように年金として保険金が毎月支払われるから、そこから住宅ローンを返済していけばよいのじゃ。
無保険状態は危険ですもんね!
まとめ
- 住宅ローン契約時には、団体信用生命保険(団信)に加入することになる(フラット35の場合は、団信加入は必須ではない)。
- 住宅購入時には団信に加入するため死亡保障が厚くなりすぎるので、見直しが必要。
- 死亡保障の見直しは、遺族年金なども含めて総合的に。
- 団信でカバーできないリスクには、医療保険の検討を。
- フラット35の機構団信は、一般の死亡保険(特に収入保障保険)に乗り換えると、大幅に保険料が節約できることが多い。
…って憧れるけど、旦那さんになる人は教育費も住居費も背負って、会社でも責任が大きくなるわけだから、大変だなぁ。。