【クレジットカード利用調査】学生のクレジットカード保有率63.2%、1番人気のカードは?
- キャッシュレスの普及により、QRコード・バーコード決済や非接触型決済(スマホ決済等)の利用者も増えていますが、昨今のキャッシュレス決済状況ではクレジットカードの利用率が最も多く、学生のクレジットカードの発行や保有も目立つようになりました。
トータルマネーコンサルタントの新井智美氏監修のもと、全国18歳以上の学生(高校生を除く)1,000人におけるクレジットカードの保有率を調査し、人気のカードや利用状況等を明らかにするとともに、支持される理由や学生クレジットカードの普及について考察していただきました。
調査回答者の属性(n=632)
- 性別:男性 47.5%/女性 52.5%
- 年齢:未成年(18歳・19歳) 21.4%/成人(20歳以上) 78.6%
- 学校:高等専門学校 1.4%/専門学校 7.6%/2年制短期大学 1.6%/4年制大学 75.0%/大学院 14.4%
- 居住形態:実家(戸建て)44.9%/実家(賃貸)9.7%/一人暮らし(賃貸)37.8%/学生寮 4.1%/その他3.5%
- アルバイト収入:収入なし 17.4%/3万円未満 19.9%/3万円以上~5万円未満 26.3%/5万円以上~10万円未満 28.2%/10万円以上 8.2%
調査1:学生のクレジットカード保有率
全国18歳以上の学生(高校生を除く)1,000人を対象に、自分名義のクレジットカード保有について調査したところ、63.2%(632人)が「保有している」という回答結果でした。
以下、保有有無の理由として、学生の声を一部ご紹介します。
クレジットカードを保有している学生の声
クレジットカードを保有していない学生の声
調査2からは、クレジットカードを保有していると回答した学生632人を対象に、保有カードの種類や利用状況について調査しました。
これは年会費無料などの特典があるカードが増えていることや、経済産業省が行っているキャッシュレス還元などが後押ししている結果であると考えられます。
中には「クレジットカードの利用=一時的な借金」と捉え、保有に消極的な考えを持っている学生もいるようです。その背景には、現段階では金銭感覚のコントロールへの不安が大きいことが最大の理由になっているといえるでしょう。
調査2:クレジットカード保有枚数
自分名義のクレジットカード保有枚数については、62.7%が「1枚」と回答、次いで「2枚」22.0%、「3枚以上」15.3%と、回答者の6割以上が1枚のみという結果でした。複数枚を使い分けるより、1枚に絞って使い過ぎず堅実的な利用が伺える傾向です。
理想的な所有方法としては、まず1つはポイント還元率が高いものを。そしてそのカードの付帯保険や国際ブランドについて足りない部分をカバーするという意味で、性質の異なるカードをもう1枚合わせて保有するとよいでしょう。
調査3:保有するクレジットカードの種類
保有するクレジットカードの種類については、「楽天カード」が209人と最も多く、回答者の約3人に1人が選択しています。次いで「三井住友カード」144人、「銀行発行カード」122人、「JCBカード」104人、「ビューカード」61人と続き、上位5種で全体の約6割以上を占める結果でした。
保有するクレジットカードの種類 上位10種
楽天カード(※内訳表示) | 209人 |
三井住友カード(※内訳表示) | 144人 |
銀行発行カード | 122人 |
JCBカード(※内訳表示) | 104人 |
ビューカード(※内訳表示) | 61人 |
エポスカード | 52人 |
セゾンカード(※内訳表示) | 48人 |
学生専用ライフカード | 47人 |
au WALLET クレジットカード | 44人 |
JALカードnavi | 39人 |
三井住友カードやJCBカードはラインナップの一つとして25歳までの限定カードや学生専用カードを用意しています。期間終了後は自動的に一般カードに切り替わることから、早いうちからクレジットカードの利用実績を積むという意味では、是非持っておいて損はないといえるでしょう。
調査4:保有するクレジットカードを選んだ理由
保有するクレジットカードを選んだ理由については、「ポイントまたはマイルが貯まる(高還元)」が326人と最も多く、次いで「年会費が無料」274人、「親・友人からの勧め」161人、「ショッピング時の割引・特典がある」139人と続き、上位4項目で7割以上を占めています。
また、上位4項目以降は大きな差もなく、クレジットカードの選考理由として利得性を重視していることが読み取れます。
保有するクレジットカードを選んだ理由 上位5項目
ポイントまたはマイルが貯まる(高還元) | 326人 |
年会費が無料 | 274人 |
親・友人からの勧め | 161人 |
ショッピング時の割引・特典がある | 139人 |
海外旅行の保険が付帯している | 83人 |
楽天などのショッピングサイト利用が多いのであれば楽天カード。飛行機利用などでマイルを貯めたいのであれば、ANAカードやJALカードを選ぶ方が多いですね。
あと、見逃せないのが年会費無料であること。最近ではほとんどのカードが初年度年会費無料を謳っており、年間の利用額によっては翌年度の年会費も無料となるカードも多くみられます。
クレジットカードを長く利用しようと思うのであれば、年会費の仕組みもきちんと理解した上で選ぶようにしましょう。
調査5:クレジットカードの利用状況(月間)
ひと月あたりの利用額平均値は30,224円、中央値は20,000円
クレジットカードの利用先については、「オンラインショッピング」435人が最も多く、次いで「百貨店・ショッピングモール」357人、「コンビニ・スーパー」305人と、日常的な買い物を中心とした利用が伺えます。
ひと月あたりのクレジットカード利用額については、「30,000円以上~50,000円未満」21.4%が最も多く、次いで「10,000円以上~20,000円未満」18.5%、「50,000円以上~100,000円未満」18.0%と続き、平均値30,224円、中央値20,000円という結果でした。
クレジットカードの利用先 上位5項目
オンラインショッピング | 435人 |
百貨店・ショッピングモール | 357人 |
コンビニ・スーパー | 305人 |
ファッションストア | 200人 |
本・DVD・ゲームショップ | 158人 |
ひと月あたりのクレジットカード利用額
0円 | 3.5% |
1円以上~10,000円未満 | 15.2% |
10,000円以上~20,000円未満 | 18.5% |
20,000円以上~30,000円未満 | 16.6% |
30,000円以上~50,000円未満 | 21.4% |
50,000円以上~100,000円未満 | 18.0% |
100,000円以上~150,000円未満 | 6.2% |
150,000円以上 | 0.6% |
コンビニやスーパーでの利用が多いのは付帯電子マネー(QRコード・バーコード決済、非接触型決済)の普及の高さからでしょうか。特にコンビニでの非接触型決済利用はかざすだけで支払いが完了することからも、ストレスフリーで利用できるのでおすすめです。
調査6:クレジットカードのキャッシング枠
クレジットカードのキャッシング枠については、約半数の52.2%が「付いている」と回答しています。
しかし、そのうち80.4%は「キャッシング枠を利用していない」と回答し、収入が少なく安定性のない学生にはキャッシング枠の利用者が少ないことが明らかになりました。
発行の際に自動的にキャッシング枠が付与されるカードが多いですが、利用する予定がないのであれば、カードが届いた後でキャッシング枠を0円にする手続きを必ず取るようにしてください。
監修者プロフィール
トータルマネーコンサルタント
新井 智美
トータルマネーコンサルタント
新井 智美
1級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)、CFP(R)認定者、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)、資産運用などにまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行う傍ら、執筆・監修業も手掛ける。
(調査2以降)学生クレジットカード保有者632人