9月から還元開始、マイナポイント事業に申込した決済サービスはどれ?
- 9月から還元開始される「マイナポイント事業」は徐々に認知も広がり、マイナンバーカードの交付率も後押ししています。還元率25%(上限5,000円相当)の他、各決済事業者によるキャンペーンや特典も様々で活気を集める同事業ですが、どの決済サービスに申込をするか迷っている人も多いのではないでしょうか。
まねーぶ調べでは、マイナポイント申込者566人を対象に意識調査を行い、申込した決済サービスや選んだ理由を明らかにし、同事業に対する反応や消費動向について監修者のHIBIKI FP OFFICE代表ファイナンシャルプランナー重永響太氏に考察していただきました。
調査回答者の属性(n=566)
- 性別:男性48.6%/女性51.4%
- 年代:20代18.9%/30代43.3%/40代25.1%/50代10.1%/60代2.7%
- 婚姻:未婚48.1%/既婚51.9%
- 職業:正社員47.3%/契約社員・嘱託社員2.8%/派遣社員2.8%/パート・アルバイト15.5%/フリーランス・業務委託7.4%/自営業・自由業4.1%/専業主婦(主夫)12.2%/学生2.3%/無職5.5%
- 年収:100万円未満24.9%/100万円以上~150万円未満14.1%/150万円以上~300万円未満20.3%/300万円以上~500万円未満21.0%/500万円以上~700万円未満10.8%/700万円以上~1,000万円未満8.1%/1,000万円以上0.7%
調査1:普段利用の決済方法とマイナポイント申込の決済方法
全国20代~60代のマイナポイント申込者566人にマイナポイントに関する意識調査を行い、普段利用の決済方法とマイナポイント申込の決済方法について伺ったところ、普段利用の決済方法では割合順に「現金」32.7%、次いで「クレジットカード」31.5%と続き、QRコードと電子マネーと倍近くの差をつける結果でした。
一方で、マイナポイント申込の決済方法では「QRコード(スマホ決済)」が36.2%と最も多く、次いで「電子マネー(ICカード)」32.5%と続き、キャッシュレス決済の中で普段利用の多いクレジットカードを抜く結果となりました。
この時期に申込を完了する消費者は意識が高いと言えるので、本事業について「どうすれば最もお得か」をよく調べ上げていることが推察できます。決済事業者側も、これを機に利用者を増やそうという施策が実を結んでいるのではないでしょうか。
調査2:マイナポイント申込した決済サービス
マイナポイント申込した決済サービスについては、1位「楽天カード」107人、2位「PayPay」88人、3位「WAON」84人となり、クレジットカード、QRコード(スマホ決済)、電子マネー(ICカード)の決済方法からそれぞれランクインする結果でした。
対象となるキャッシュレス決済サービス検索 | マイナポイント事業より回答(2020年8月5日時点)
楽天カードは本事業申込で独自のボーナス付与は行っていないにも関わらず1位、これ以外のほとんどの決済事業者が独自の特典を用意して新規利用者獲得を狙っています。
「日頃から使い慣れた」+「決済事業者独自のボーナス」が本事業の決済方法に選ばれるポイントであると考えられます。
調査3:マイナポイント決済サービスを選んだ理由
マイナポイント対象となる決済サービスを選んだ理由については、「普段から利用している決済サービスだから」が425人で1位となり、2位は「使えるお店・場所が多いから」237人、3位は「付与ポイントが使いやすいから」187人と続き、以降「通常のポイント還元があるから」、「ポイント付与のタイミングが早いから」という理由も申込の決め手になっています。
本調査で寄せられた、マイナポイント事業への期待・要望について消費者の声を一部ご紹介します。
本事業以外でも言えることですが、せっかく得たポイントを使わずに失効させることは一番もったいないです。多くのキャッシュレス決済が乱立していますが、目先のポイント獲得だけではなく、そのポイントを使うゴールまで見越して選択しましょう。
調査4:マイナポイント予約・申込方法
マイナポイント予約・申込方法については、「スマホ(アプリ)」が68.2%と突出し、次いで「パソコン」25.1%と続き、自身の端末からの手続きが9割以上を占めました。
その他、市区町村窓口・郵便局・コンビニ(マルチコピー機・ATM)・携帯ショップなど各地に設置してある支援端末からの手続きは合わせて6.8%と僅かとなっています。
本調査で寄せられた、マイナポイント予約・申込方法についての気付きとして消費者の声を一部ご紹介します。
また、マイナンバーカードの発行をしていない人からは「セキュリティが不安」という声をよく聞きます。これに関しては国の課題と言えます。「還元するから発行して!」だけではなく「安全です」というPRも本事業の宣伝と併せてやるべきです。
調査5:マイナポイント決済タイミング(前払い・即払い・後払い)
「後払い」はおよそ4割、内7割が「クレジットカードと電子マネーの組み合わせ利用なし」
マイナポイントの決済タイミングについては、「前払い(プリペイド)」が58.3%と最も多く、その内訳として「(2万円分)一括チャージ」が58.5%という内容でした。使う分だけ都度チャージではなく、上限5,000円分の還元を全て受け取るといった姿勢が伺える結果です。
また、「後払い(ポストペイ)」は39.9%であり、その内訳として「クレジットカードと電子マネーを組み合わせる」は26.1%に留まりました。マイナポイントをクレジットカード単体で利用する人も含まれるため一概には言えませんが、ポイント2重取りも可能なクレジットカードとスマホ決済・電子マネーの組合せ利用が少ない印象である結果となりました。
一方で気になったのは後払いの「クレジットカードと電子マネーを組み合わせない」割合の多さです。電子マネーへのチャージを現金ではなくクレジットカードで行うことでポイントの2重取りが可能な組み合わせがあります。同じ支出額ならば、獲得ポイントは多い方がいいですよね。
監修者プロフィール
HIBIKI FP OFFICE
代表 重永響太
HIBIKI FP OFFICE
代表ファイナンシャルプランナー 重永響太
資産形成コンサルタントとして顧客の相談に乗る傍らセミナー登壇、執筆、監修を行っている。大学にてFP資格試験対策の講師も務める。2019年は1年間で37万マイルを貯めたポイ活の達人。
【保有資格】
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
日本FP協会認定CFP®
宅地建物取引士
証券外務員一種