【2019年 冬ボーナス調査】平均支給額43万円、使い道の1位は貯金
- 2019年度の東証第一部上場企業冬ボーナス平均支給額が発表され、対前年同期比で0.1%減という結果でした(労務行政研究所)。
同年10月の消費税増税による消費低迷をはじめとする景気後退から企業業績への影響を読み取るため、マネーラボ関西代表の福一由紀氏監修のもと、全国の正社員800人を対象に2019年の冬ボーナス支給調査を実施しました。
調査回答者の属性
- 性別:男性55.0%(440人)/女性45.0%(360人)
- 年代:20代27.0%(216人)/30代43.5%(348人)/40代25.5%(204人)/50代4.0%(32人)
- 業種:製造業17.0%(136人)/卸売・小売業10.3%(82人)/飲食・サービス業15.6%(125人)/金融・保険業3.3%(26人)/建設・不動産業7.9%(63人)/運輸業5.8%(46人)/旅行業0.9%(7人)電気・ガス・水道0.6%(5人)/通信業3.0%(24人)/IT・情報通信業10.0%(80人)/放送・出版・マスコミ1.0%(8人)/医療・福祉16.3%(130人)/公務・学校4.0%(32人)/官公庁・地方自治体2.5%(20人)/その他2.0%(16人)
- 役職:一般社員・職員76.9%(615人)/主任13.8%(110人)/係長4.3%(34人)/課長4.5%(36人)/経営者・役員0.6%(5人)
- 勤続年数:新卒2.9%(23人)/1年以上~3年未満21.8%(174人)/3年以上~5年未満20.0%(160人)/5年以上~7年未満13.5%(108人)/7年以上~10年未満14.5%(116人)/10年以上~15年未満13.4%(107人)/15年以上~20年未満6.0%(48人)/20年以上~30年未満8.0%(64人)
調査1:2019年 冬ボーナスの支給有無
全国の正社員(規模・業種問わず)800人を対象に、2019年の冬ボーナス支給有無について調査したところ、「冬ボーナス支給あり」79.0%(632人)、「冬ボーナス支給なし」21.0%(168人)と、およそ8割を占める人が今年の冬ボーナス支給ありと回答しました。
調査2:2019年 冬ボーナスの支給額
調査1にて「冬ボーナス支給あり」と回答した632人を対象に、ボーナス支給額について調査したところ、回答は以下の通りで、平均ボーナス支給額は43.14万円(431,439円)の結果となりました。
- 3万円以上~10万円未満 1.6% (10人)
- 10万円以上~20万円未満 11.4%(72人)
- 20万円以上~30万円未満 18.2%(115人)
- 30万円以上~40万円未満 20.4%(129人)
- 40万円以上~50万円未満 12.7%(80人)
- 50万円以上~60万円未満 13.6%(86人)
- 60万円以上~70万円未満 5.7% (36人)
- 70万円以上~80万円未満 5.2% (33人)
- 80万円以上~90万円未満 3.8% (24人)
- 90万円以上~100万円未満 2.5% (16人)
- 100万円以上 4.9% (31人)
また、本調査結果での最低額は3万円(飲食・サービス業/勤続年数10年以上~15年未満)、最高額は130万円(建設・不動産業/勤続年数20年以上~30年未満)でした。
本調査は東証一部上場大企業と非上場やその他中小企業などを含めた一般企業の平均です。1.7倍の差がでていますが、 大企業のボーナス事情は良いようです。
また、2割が支給なし、ボーナス最低額3万円、最高額130万円と大きな格差がでています。
ボーナスは給料と違い法律で決められていないもの。企業の考え方次第という側面もあるのでご注意を。
調査3:昨年(2018年)の冬ボーナスとの比較
本調査回答者の2018年度冬ボーナス平均額38.7万円(386,986円)・・・対前年度比0.1%増
※新卒・中途採用者の回答を除く
2018年の冬ボーナス支給額との比較については、「昨年よりとても良くなった(大幅増)」6.8%(43人)、「昨年よりやや良くなった(微増)」29.3%(185人)、「昨年と変わらない(同等)」44.9%(284人)、「昨年よりやや悪くなった(微減)」11.4%(72人)、「昨年よりとても悪くなった(大幅減)」7.6%(48人)と、全体のおよそ半数である44.9%が昨年と同等であると回答し、横ばいで推移していることが明らかになりました。
また、勤続年数や昇進・昇格による増加も考えられますが、昨年より増加した割合が36.1%であり、昨年より減少した19.0%と約2倍の開きがありました。
ただし、今後の景気状況によっては、来年以降は減少する可能性があるかもしれません。このボーナスを上手に活用しておきましょう。
調査4-1:冬ボーナスの使い道
※使い道を1位~3位で選択・・・1位3ポイント、2位2ポイント、3位1ポイントとして算出
今年の冬ボーナスの使い道について調査したところ、「貯金・財形貯蓄」352ポイント(524人選択)と、2位に3倍以上の差をつけて堂々の1位でした。回答者の8割以上が「貯金・財形貯蓄」を選択しており、冬ボーナスを無駄遣いせず将来に備えるといった堅実な姿勢が伺えます。
使い道上位5項目は以下の通りです。
- 1位:貯金・財形貯蓄 352ポイント(524人選択)
- 2位:旅行・レジャー費 116ポイント(240人選択)
- 3位:ローン・奨学金等の返済 91ポイント(152人選択)
- 4位:趣味・娯楽費 64ポイント(160人選択)
- 5位:家具・電化製品購入 60ポイント(128人選択)
調査4-2:使い道上位5項目に充てる平均金額
冬ボーナスの使い道調査で回答の多かった上位5項目に充てる平均金額においては、8割以上が選択した「貯金・財形貯蓄」が20.62万円と最も高く、次いで「ローン・奨学金等の返済」が13.17万円と2番目に高い結果でした。この結果から、人生の三大資金である「住宅資金(ローン)」「教育資金」「老後資金(貯金)」に充てる比重が大きいことが伺えます。
また、使い道項目の2位である「旅行・レジャー費」に関しては、年末年始の帰省費用を含めた回答もあり、決してボーナスを無駄遣いせず必要出費に充てていることがわかります。
使い道上位5項目に充てる平均金額以下の通りです。
- 貯金・財形貯蓄 20.62万円
- 旅行・レジャー費(日帰・宿泊) 10.74万円
- ローン・奨学金等の返済 13.17万円
- 趣味・娯楽費 8.29万円
- 家具・電化製品購入 10.38万円
また、ローンや奨学金の返済に充てている人も多く、その平均金額は13万円。借入金の返済は、自分で決めた使い道ではなく、予め決められている出費。残りのお金で旅行や趣味を楽しんでいるようです。堅実なボーナスの使い道といえるでしょう。
調査5-1:【未支給者対象】2018年 冬ボーナスの支給有無
調査1にて「冬ボーナス支給なし」と回答した168人を対象に、昨年(2018年)の冬ボーナス支給について調査したところ、「昨年も今年も支給されなかった」75.0%(126人)、「昨年は支給されたが今年は支給されなかった」25.0%(42人)と、7割以上を占める人が昨年と今年もボーナス支給がないという結果でした。
反対に、昨年は支給されたにもかかわらず今年は支給されなかった人が25%と、4人に1人の割合でいることが明らかになり、今年の景気は決して好調ではないことが読み取れます。
調査5-2:【未支給者対象】冬ボーナスが支給されなかった理由
冬ボーナスが支給されなかった理由として、「会社の業績が悪いため」40.5%(68人)、「自身の業績が悪いため」2.4%(4人)、「固定給・年俸制のため」24.4%(41人)、「中小企業・ベンチャー企業のため」29.8%(50人)、「その他」3.0%(5人)という結果でした。4割が会社の業績を理由にボーナスが支給されなかったことから、企業によって業績の格差を感じる傾向です。
その他理由の一部は以下の通りです。
- 産休・育休中のため
- 下期入社でボーナス支給対象外
一方、2割は支給なしで、その理由の4割が会社の業績が悪いから将来のために備えることが出来なくなるなど、ボーナスの支給の有無は将来に大きな格差となることでしょう。
業績悪化の中でもボーナスを支給できるように多くの企業が注力してくれると、格差縮小となり景気の下支えにもなるのではと思います。
監修者プロフィール
マネーラボ関西
代表 福一 由紀
福一 由紀
マネーラボ関西代表/CFP ® 、1級FP技能士
「生活に密着したマネー情報を、わかりやすく伝える」のをモットーにファイナンシャルプランナーとして 活動。「シティリビング」などのフリーペーパー、雑誌でマネーコラムの執筆、自治体等主催セミナーでマネー講師としても活動中。女性の働き方や そのお金事情について雑誌などの取材や「ママのための再就職セミナー」などを多数行っている。大学ではファイナンシャルプランニングの授業を実施し、幅広い年齢層に向けてマネーリテラシー等の普及に努めている。