【金銭トラブル調査】5人に1人が被害あり、身近に潜む“詐欺トラブル“を回避するには?

調査目的
    インターネットを利用した詐欺事案や不当な勧誘・契約をさせる悪質商法、なりすましによる身に覚えのない架空請求など詐欺トラブル被害は多く発生し、金融庁や国民生活センターも注意喚起を呼びかけています。
    法律事務所クロリス吉田美希弁護士の監修のもと、詐欺トラブル被害者を対象に被害額や相談対応などの調査を実施し、身近に起こりうる詐欺被害リスクから回避するための防止策について解説いただきました。

調査回答者の属性(n=190)

※詐欺トラブル被害者対象(調査2以降)

調査回答者の属性

  • 性別:男性45.3%/女性54.7%
  • 年代:20代27.4%/30代27.4%/40代32.6%/50代8.9%/60代3.7%
  • 婚姻:未婚52.6%/既婚47.4%
  • 職業:正社員32.6%/契約社員・嘱託社員3.7%/パートタイマー・アルバイト21.6%/自営業・自由業14.7%/専業主婦(主夫)12.6%/学生3.7%/無職11.1%
  • 年収:100万円未満36.3%/100万円以上~150万円未満8.9%/150万円以上~300万円未満20.0%/300万円以上~500万円未満16.3%/500万円以上~700万円未満14.7%/700万円以上~1,000万円未満2.1%/1,000万円以上1.6%

調査1:詐欺トラブルの被害経験

およそ5人に1人が「詐欺トラブルの被害あり」と回答

詐欺トラブルの被害経験

全国の20代~60代男女1,000人を対象に、詐欺トラブルの被害経験について調査をしたところ、「詐欺トラブルの被害あり」と回答したのは19.0%(190人)と、およそ5人に1人が被害に遭っていることが明らかとなりました。
次項(調査2)からは、被害ありと回答した190人を対象に、詐欺トラブルの内容や被害額そして解決までの行動について、吉田美希 弁護士の考察とともに調査を進めました。

調査2:詐欺トラブルの内容と被害額

詐欺トラブル被害で最も多いのは「副業・情報商材詐欺」(31件、平均被害額133,333円)

詐欺トラブルの内容と被害額

詐欺トラブル被害で最も多かったのは、「副業・情報商材詐欺」31件・平均被害額133,333円でした。次いで、「ワンクリック詐欺」28件・平均被害額61,875円、「名義貸し・契約詐欺」21件・平均被害額2,536,667円と続き、詐欺トラブルの内容によって被害額も大きく異なります。
また回答者190人中、最低被害額は「チケット売買詐欺」による3千円、最高被害額は「名義貸し詐欺」による1,000万円という結果でした。

詐欺トラブル内容・件数・平均被害額 上位5項目(件数順)

副業・情報商材詐欺31件平均被害額 133,333円
ワンクリック詐欺28件平均被害額 61,875円
名義貸し・契約詐欺21件平均被害額 2,536,667円
チケット売買詐欺17件平均被害額 34,600円
オークション・フリマアプリ詐欺17件平均被害額 27,000円

調査3:詐欺トラブルの被害相談・相談先

「第三者に相談予定または相談中(済)」はおよそ6割、最も多い相談先は「警察」

詐欺トラブルの被害相談・相談先

詐欺トラブルの被害相談ついては、「第三者に相談する予定」7.4%、「第三者に相談中(済)」48.9%と、被害者のおよそ6割が外部へ相談するという回答結果でした。
こちらの「第三者に相談予定」、「第三者に相談中(済)」と回答した56.3%(107人)の相談先については以下の通りで、最も多い相談先は「警察」42.1%でした。

被害相談先

警察42.1%
友人・知人26.2%
行政窓口13.1%
弁護士6.5%
NPO法人等の民間窓口6.5%
その他5.6%

また、「誰にも相談しない」は43.7%(83人)であり、その内訳として、「詐欺被害について泣き寝入りする」57.8%、「自分で対応する」42.2%と、被害者全体の内25%の人が詐欺被害について泣き寝入りしている事実が明らかとなりました。

調査4:詐欺トラブルの被害相談結果

被害相談で「損害を取り戻すためのアクションができた」は半数、その内約7割が「被害は取り戻せた」

詐欺トラブルの被害相談結果

調査3の第三者に詐欺トラブルの被害相談をした結果については、「損害を取り戻すためのアクションを起こすことができた(できそう)」は51.4%と、およそ半数が被害を抑えるための行動を起こし、その内、「損害は取り戻せた(取り戻せそう)」69.1%、「損害は取り戻せなかった(取り戻せなさそう)」30.9%と、アクションを起こした人の約7割が損害を取り戻せるという前向きな結果となりました。

一方、「アクションを起こすことができなかった(できなさそう)」と回答した人は42.2%であり、その理由として、「相手が特定できない」59.6%が最も多く、被害を取り戻すためのアクションをするために、まずは相手を特定することが重要であることを示す結果となりました。

アクションが起せなかった理由

相手が特定できない59.6%
証拠が不十分19.2%
相手にお金がない7.7%
不安・恥ずかしい7.7%
その他5.8%

調査5:詐欺トラブル解決までの費用と日数

詐欺トラブル解決までの費用は平均値108,338円、中央値20,000円
期間は平均値1.8ヶ月(55日)、中央値1ヶ月(30日)

詐欺トラブル解決までの費用と日数

詐欺トラブル解決までに掛かった費用については、190人中45人が回答し、「1万円以上~5万円未満」が最も多く46.7%、次いで「10万円以上~50万円未満」が22.2%と分散し、平均値は108,338円、中央値は20,000円と大きく差が生じた結果です。
本調査回答でのトラブル解決までに掛かった最低費用は「友人・知人に相談」による5,000円、最高費用は「弁護士に相談」による750,000円でした。

また、トラブル解決までに費やした日数については、190人中128人が回答し、「1週間(7日)以内」が最も多く37.5%、次いで「1ヶ月(30日)以内」21.9%と続き、平均値は55日、中央値は30日という結果でした。
本調査回答でのトラブル解決までに掛かった最短期間は「ワンクリック詐欺」および「フィッシング詐欺」による1日、最長期間は「チケット売買詐欺」による240日でした。

詐欺トラブル解決までの費用

1万円未満6.7%
1万円以上~5万円未満46.7%
5万円以上~10万円未満15.6%
10万円以上~50万円未満22.2%
50万円以上8.9%

詐欺トラブル解決までの日数

1週間(7日)以内37.5%
1ヶ月(30日)以内21.9%
2ヶ月(60日)以内10.9%
3ヶ月(90日)以内13.3%
半年(180日)以内10.9%
1年(365日)以内5.5%

調査6:詐欺トラブル被害後のメンタルヘルス

詐欺トラブル被害者の声

詐欺トラブル被害後のメンタルヘルス

一度騙されると何度も標的にされる・・・
一度架空請求詐欺に遭ってから、携帯電話に知らない番号から何度も着信がありました。(40代 男性)
架空請求で一度お金を払ったら、2回目の追加請求がきました。今後ずっとお金を払わなくてはいけないのかと思ったら非常に不安になりました。(40代 男性)
詐欺団体からのしつこい電話にはメンタルが崩壊し、鬱になりかけるほどでした。(30代 女性)
自分は大丈夫、騙されないと思っていても・・・
「自分は大丈夫」と自信があっただけにとても落ち込みました。詐欺被害は取り消し出来ましたが個人情報が盗まれたことで不安感が拭えず、自宅の鍵の交換をした後も怖くて暫くの間不眠症に悩まされました。詐欺はお金だけではなくて、こころの平和まで盗むものだと身に染みて思いました。とても怖くて卑劣な行為です。(40代 女性)
まさか自分が詐欺に遭うなんて思ってもいませんでしたが、よく考えてみると不自然な点がいくつかありました。(40代 男性)
人を信用できなくなってしまった・・・
問題が解決してお金が返ってきた後も、なぜ詐欺を行う人達に自分の情報が知られてしまったのかと考えると不安になりました。(30代 女性)
ネット上でのやり取りだけだったため相手が特定出来ず、もしかしたら自分の身近な人かもしれないと思ってしまい、人を信用できなくなった。(20代 男性)
被害に遭って以来、人と接するのが怖くなりました。友達ですら会うのが嫌になりました。(20代 女性)
最初はとても良い人で信頼していただけにショックが大きく人間不信になった。(20代 女性)
ストレスが溜まり、イライラや不安症と人間不信に陥り、心と頭の考えが釣り合わなくなり死まで考えるようになった。(60代 男性)

監修者プロフィール

吉田 美希
法律事務所クロリス
代表弁護士 吉田 美希

吉田 美希法律事務所クロリス 代表弁護士
(東京弁護士会所属)

「一人ひとりがご自分のペースで、一生懸命悩みと向き合い、幸せを掴めますように。」をモットーに、西新宿で法律事務所クロリスを運営。各クライアントの心に寄り添ったオーダーメイドな対応を心がけている。

調査概要
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査期間:2020年2月25日~2020年3月2日
  • 調査対象:(調査1)全国20代~60代男女1,000人/(調査2以降)詐欺トラブル被害者190人
  • 調査監修:法律事務所クロリス 代表弁護士 吉田美希(東京弁護士会所属)

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