【クレジットカード利用調査】フリーランス500人に聞いた保有クレジットカード事情
- ワーク・ライフ・バランスを実現する理想的な働き方として年々増加する「フリーランス」ですが、自分のスタイルに合わせて自由に働ける一方で、仕事や収入が不安定なことや社会的信用が低いという弱点もあります。
全国のフリーランス500人にクレジットカード利用調査を行い、最も利用されているカードやプライベートとビジネスシーンでの使い分け等を明らかにし、これからフリーランスに転身を考えている人に最適なクレジットカード選びの手助けとなるよう、監修者のFPみらいえ山田琴江氏に考察していただきました。
調査回答者の属性(n=500)
- 性別:男性37.2%/女性62.8%
- 年代:20代27.2%/30代38.6%/40代20.0%/50代10.0%/60代4.2%
- 婚姻・子供:未婚・子なし54.2%/未婚・子あり5.8%/既婚・子なし12.8%/既婚・子あり27.2%
- フリーランス歴:1年未満42.8%/1年以上~3年未満37.2%/3年以上~5年未満10.0%/5年以上~10年未満5.8%/10年以上4.2%
- 個人年収:100万円未満42.8%/100万円以上~150万円未満20.0%/150万円以上~300万円未満22.8%/300万円以上~500万円未満10.0%/500万円以上~700万円未満4.4%
調査1:フリーランスのクレジットカード保有枚数
7割以上がプライベートとビジネスで「使い分けせず」
全国フリーランス500人にクレジットカード利用調査をしたところ、クレジットカード保有枚数は「1枚」25.8%、「2枚」31.4%、「3枚」26.0%と、合わせて83.2%が3枚以下という結果でした。
また、プライベート用とビジネス用での使い分けについては、「使い分けしていない」が75.8%を占め、およそ4人に3人がオンオフ兼用でクレジットカードを利用していることが明らかになりました。
ビジネスでの利用金額や利用頻度が少ない場合、クレジットカードをプライベート用とビジネス用で使い分ける必要性をあまり感じないかもしれません。しかし、フリーランスは費用を記録することが必要となります。
クレジットカードを使い分けることで、ビジネスで生じた費用を管理しやすくなりますので、ぜひ早いうちに使い分けておきましょう。
また、保有枚数については、プライベート用とビジネス用を使い分ける前提で考えると、それぞれ1枚ずつが理想です。
調査2:フリーランスのクレジットカード登録情報・発行時期
「フリーランス以降」150人、うち6割弱が「フリーランス1年目」に発行(審査)
クレジットカード発行時期については、「フリーランス以前に発行」が407人と回答者の8割以上がフリーランスになる前にクレジットカードを発行しており、そのうち勤務先等の登録情報については77.1%が「変更手続きをしていない」という実態が明らかになりました。
一方で、「フリーランス以降に発行」と回答した150人に対して、フリーランス何年目の発行(審査)であるか調査したところ「1年目」が57.3%と突出する結果でした。
もちろんフリーランスになってからもクレジットカードを発行することはできます。この場合は、①開業届を出すこと、②安定的に収入が入っている実績を作ってからクレジットカードを作成すること、③プライベートを含めて期日までに支払うなど信用情報(クレヒス)に傷を作らないことが大切です。
開業届を出すことに抵抗感を示す方もいますが、紙一枚提出するだけで手続きは完了です。保育園の入園申請・銀行口座開設などにも利用しますので、開業届は提出しておきましょう。
調査3:フリーランスが1番利用しているクレジットカード
1番利用しているクレジットカードについては、プライベート利用で「楽天カード」が229人と突出し、次いで「三井住友カード」59人、「イオンカード」43人と続きました。
ビジネス利用でも同様に「楽天カード」が32人と最も多く、次いで「dカード」24人、「三井住友カード」18人であり、用途やシーン問わず「楽天カード」が支持される結果となりました。
また、1番利用しているクレジットカードの国際ブランドについては、「VISA」が68.6%を占めています。
また、国際ブランドで比較してみると、VISAが圧倒的ですね。VISAは全世界的に最も利用されている国際ブランドですので、国内だけではなく、海外で利用する機会がある方にもおすすめです。
調査4:フリーランスのクレジットカードを選ぶ基準
クレジットカードを選ぶ基準については、「ポイント・マイル還元率が高い」が343人と最も多く、次いで「入会金・年会費が無料(または安い)」293人、「ポイントの利用・移行先が充実」171人と続き、上位3項目はその他と2倍~4倍の差をつけるほど重要視される選考基準であることがわかりました。
今回の調査は、フリーランス歴が1~3年未満、収入が150万円未満の方が5割程度ですので、事業で継続・安定的に収入をえられるまでは、できる限りコストを抑え、ポイント等を賢く利用して、手元資金をいかに多く残すかを考えておくことが大事になります。
調査5:フリーランスのクレジットカード利用月額
ひと月あたりのクレジットカード利用額について、プライベート利用では「1万円以上~3万円未満」が30.0%と最も多く、次いで「5万円以上~10万円未満」20.0%、「3万円以上~5万円未満」18.6%と続き、平均値は57,643円、中央値は30,000円でした。
ビジネス利用では「5千円未満」が35.8%と最も多く、次いで「1万円以上~3万円未満」31.4%、「5万円以上~10万円未満」14.2%と利用額の振れ幅が大きく、平均値は25,471円、中央値は10,000円とプライベート利用よりも平均およそ3万円低い結果でした。
調査6:フリーランスのクレジットカード利用用途
クレジットカード利用用途について、プライベート利用では「オンラインショップ」が378人と最も多く、次いで「スーパー・コンビニ」314人、「レストラン・飲食店」179人と続き、日常生活における様々な店や用途での利用が伺えます。
ビジネス利用ではプライベート同様「オンラインショップ」が179人と最も多く、次いで「インターネット関連(プロバイダ・サーバー費など)」121人、「レストラン・飲食店」80人と続き、仕事に関するインターネット費用や打ち合わせ時の飲食代といった利用が上位に入る結果でした。
また、調査結果を見ると、プライベートでもビジネスでも日常で必要な利用場面は同じのようです。このことが、プライベート用とビジネス用でクレジットカードの使い分けをしていない理由と考えられます。
同じ場所で利用する場合、プライベートとビジネスの使い分けが面倒だという声も聞きますが、ビジネス用は別会計してもらうこともできます。支払時に手間はかかりますが、年1回の確定申告時にプライベートとビジネスとで利用使途を分類するほうが負担は重くなります。
ぜひフリーランス初期から、クレジットカードの使い分けをしましょう。
監修者プロフィール
FPみらいえ
山田 琴江
FPみらいえ
山田 琴江
お金と時間の専門家。自分の家計に不安を抱き、ファイナンシャルプランナーの資格を取得。その人の価値観やクセにあった家計・時間管理が得意。家計管理、投資の始め方、起業とお金などのセミナー、執筆、個別相談。その他、時間管理セミナーも開催。
公認会計士
2級ファイナンシャルプランニング技能士(AFP)
ライフオーガナイザー®