定期保険のネット申込ってどうなの?対人販売との違いを解説
通常の対人販売と比べて割安に入れる保険として、すっかり定着したネット申込の保険商品。
シンプルな仕組みの死亡保険である定期保険なら、自分に必要な保障が分かればネットで加入するのも難しくありません。
今回はインターネットで保険を申し込む場合の流れと定期保険の基本的な知識などを紹介していきます。
ネット申込の生命保険商品の特徴と契約の流れ
ネット申込の生命保険商品の特徴
ネットで申し込みができる定期保険は対人販売のものに比べてつけられる特約も少なくシンプルな設計となっています。
ネット生命保険会社であるライフネット生命の定期保険を見てみましょう。
ライフネット生命『かぞくへの保険』
死亡保障額:500万~1億円
保険期間:
10、20、30年満了(更新あり)
65、80歳満了
特約:なし
『かぞくへの保険』は特約がありません。
特約というのは主契約である死亡保障にオプションとしてつけられる保障プランのことです。
定期保険の基本契約である主契約のみだと病気、不慮の事故で死亡した場合のみ保険金の支払い対象となります。
例えば、原因に関わらず余命六ヶ月以内と判断された場合に保険金の一部または全部を生前に受け取れるリビングニーズ特約といった特約をつけたい場合はネット生保ではなく、対人販売の商品を選ぶ方がよいでしょう。
ネット申込の生命保険契約の流れ
契約の流れ
- ①保険会社のHPから氏名、年齢、住所や職業、健康状態などの情報入力
- ②本人確認書類の提出(スマホで撮影して画像を送る場合や郵送対応も)
- ③保険会社の審査
- ④証券が手元に届いて完了
保険代理店に行って契約する対人販売だと、契約者が保険代理店に出向き担当者と相談して保険内容を決めて書類の手続きなどに取りかかります。
しかしネットで生命保険を申し込む場合、契約者がわざわざ店舗に出向く必要はなく、出かける手間や営業担当によるセールスを省くことができます。
注意点としては、保険会社の審査は入力された情報から契約の可否を判断しますので、健康状態が心配な方は審査に落ちて契約できない可能性があります。
ネットで生命保険に加入する際の告知について
ネット生保会社であるライフネット生命が販売する定期保険「かぞくへの保険」の場合、加入時に40歳以下かつ保険金額3,000万円までであれば健康診断書がなくても申し込むことができます。
ネットで申し込みの際に保険会社が用意した健康状態に関する質問事項に回答し、それを保険会社が判断することになっています。
ここでの回答内容によっては書類の提出が必要になってくる場合もあります。
ネットでの申し込みかどうかに関係なく、生命保険に加入する際の虚偽申告は告知義務違反と言って保険金が支払われなかったり、保険契約の解除になることがありますので気をつけましょう。
対人販売とネット生保商品の保険料比較
ネット販売の生命保険商品と対人販売の生命保険商品の保険料比較
生命保険の保険料の中には、純粋な保障に対する保険料の他に、人件費、宣伝費、事務諸費用などの保険会社の運営にかかる手数料も含まれています。
つまり、保障部分以外にかかる手数料が抑えられれば保険料は安くなる訳です。
ネット保険が一般的に対人販売の保険商品よりも安く加入できるカラクリは、契約者が直接ネットで申込をすれば人件費などの運営にまつわるコストを大幅に削減できるため、店舗を構えている対人販売の保険商品よりも安くできるという訳です。
しかし、一般的に割安と言われるネット専売の保険商品ですが、一概にネット専売が最安値という訳でもありません。
保険会社や保険商品によっては、保険会社の所定の健康状態に該当する人には保険料を割り引きしてくれる健康割引というものがあります。保険会社によって元気割引、ノンスモーカー割引とも言います。
この健康割引を使うと、ネット専売の商品より対人販売の生命保険の方が安いこともあります。
3商品の保険料比較
- ①オリックス生命「ファインセーブ」/健康体割引の設定なし
- ②オリックス生命「ブリッジ」/ネット専売
- ③チューリッヒ生命「定期保険プレミアム」/健康体割引
【算出条件】30歳男性 保険金額:1000万円、口座振替、60歳払込満了
商品名 | 月額保険料 |
---|---|
①ファインセーブ | 2,810円 |
②ブリッジ | 2,203円 |
③定期保険プレミアム | 1,803円 |
この様にこの三つで比較すると、保険料はファインセーブ>ブリッジ>定期保険プレミアムの順になります。
対人販売ですが健康体割引のある定期保険プレミアムが一番安くなることがわかります。
割安と言われるネット専売商品でも、最安値ではない場合があるので同じ内容の商品で保険料や条件をよく比較して検討してみましょう。
ただし、定期保険プレミアムで健康体割引に当てはまらない場合は保険料月額2,820円となるため、健康に自信がない場合はやはりネット専売商品が安い傾向にあると言えます。
ネットでの生命保険申込が向いている人
ネットでの申し込みは空いた時間で自由に申込できるので、店舗に行く時間がない忙しい人でもすぐに申し込みできます。
また、対人に比べしがらみがなく、営業が苦手だという人でも気楽に簡単に申込できるのですが注意事項もあります。
それは、保険担当者に相談したり説明されたりすることがないということです。
オペレーターの相談窓口もありますが、基本的には自分で画面を見ながら判断して手続きをし保険に加入することになりますので、ある程度の知識は必要になるでしょう。
ネット申込が向いている人は、まず自分に必要な保障をきちんとわかっている人であること、それに、商品内容をしっかり理解できていることです。
必要保障に対して過不足のある保険に加入してしまわない様にしましょう。
定期保険の特徴
定期保険が必要な場面とは?
死亡保険は大きく分けて終身保険と定期保険に分けられます。
終身保険は言葉の通り一生保障してくれる保険で、解約すると解約返戻金が戻ってくるのもあり、定期保険に比べて保険料が割高になっています。
しかし、定期保険は基本的に解約返戻金が無いためお手頃な保険料となっており、期間限定で保障を手厚くしたいときにぴったりな保険です。
定期保険の使い方としては、一時的に死亡保障を手厚くしたいとき、死亡保障の上乗せとして使われる場合が多いです。
例えば、子供が小さい時はこれから教育にお金がかかりますし、住宅ローンが残っている時は大黒柱に何かあったら、残された家族に負担が大きくのしかかるので保障は手厚くしたいところ。
ただしそのお金がかかる時期を過ぎてしまえば、保険で大きな金額を用意する必要はありません。
こういった、お金がかかる期間だけ保障を手厚くしたいときに便利なのが定期保険です。
定期保険の保険期間の決め方
定期保険は保障内容としては非常にシンプルで、死亡、所定の高度障害になった場合に保険金が支払われるようになっています。
保障される期間は下記の2タイプから選択します。
①年満了タイプ:10年、20年、30年ごとの経過年で区切られ必要であればその都度更新する。年満了タイプの場合は自動更新といって意思表示しない限り自動的に保険が更新される点に注意が必要です。
例えば、「10年」で契約した場合に更新すると、契約期間、保障内容は同じですが、更新日の年齢で保険料を再度計算して契約することになるため保険料は高くなります。
②「年齢満了タイプ」:60歳、65歳、90歳満了というように年齢で区切る。
年齢満了タイプはその期間のみで保険契約が終了します。
まとめ
- ネット生保の定期保険は、対人販売のものに比べて特約も少なく、シンプルなもの。ネットで自分で申込した後に保険会社の審査があり、通過すれば保険証券が送られてくる。告知については基本的に健康診断の結果は必要ない。
- 比較的割安と言われるネット生保商品だが、健康割引を使えば対人販売の保険の方が保険料が安い場合もある。
- ネット申込は気軽に行えるが、自己責任になる。自分に必要な保障がわかっている人、商品をきちんと理解できる人向け。
- 定期保険は一時的な保障の上乗せとして使われる。終身保険と違って解約保険金は出ないが、割安な保険料で加入できる。