生命保険の保険料を賢く節約!優良体割引を徹底研究
生命保険には優良体割引、または健康体割引と呼ばれる保険料割引制度が設定されている商品があります。
生命保険会社が定める健康状態の基準を満たした健康な人、タバコを吸わない人などは、これを使えば、保険料が比較的割安だと言われるネット申込の保険より保険料が安くなる場合があるんです。
これから、優良体割引についての詳しい説明とどんな保険商品についてるか、どういう人が該当するか、具体的に健康な人の基準も含めて説明していきます。是非参考にしてみて下さいね。
優良体割引ってどんな割引?
生命保険会社が定める健康基準をクリアすると保険料が安くなる割引
保険の優良体割引とは、生命保険会社の健康基準をクリアすると保険料を安く設定できる割引制度のことです。
また、割引の名称は保険会社によって異なり、「健康割引」「元気割引」「ノンスモーカー割引」など呼ばれる場合もあります。
保険会社にとって喫煙していなかったり、健康状態が良い人ならば将来保険金を支払う可能性が低くなるため、健康な人なら割安で契約できるようにしよう、ということですね。
この”健康な人”の基準は保険会社の規定によって様々にありますが、要は自動車保険が優良運転者ならより安い保険料で加入できる仕組みと同じと考えるとわかりやすいかもしれません。
健康基準として設けられている項目としては下記のようなものがあります。
喫煙の有無
過去1~2年間喫煙していないこと。また、受動喫煙であっても対象となる。
血圧
一般的に血圧の正常値は「最大血圧140mmHg未満かつ最小血圧90mmHg未満」と定義されています。
年齢によって数値を区切ったり、最大血圧と最小血圧の差によって健康基準が変わる場合があります。
BMI(身長と体重のバランス)
身長体重のバランスを判断する指標として国際的に用いられているボディ・マス・インデックスと呼ばれる値。
BMIの数値は「体重(kg)÷{身長(m)×身長(m)}」で求めることができます。
BMIの標準値は18.5~25.0とされており、18.5以下を低体重、25.0以上を肥満としています。
肥満が問題になりがちですが、少なすぎる低体重の場合でも病気のリスクが高くなり優良体の基準から外れます。
運転免許の有無
優良運転者割引などと呼ばれ、運転免許の有無や免許を有する場合はゴールド免許であるかどうかなどが判断基準になります。
例として、下記のような条件があります。
- 自動車保険の契約等級が12等級以上であること
- ゴールド運転免許証を持っていること
- 運転免許を持っていないこと(免許停止、取り消しを除く)
優良体割引はどんな保険についているの?
ではどんな保険で優良体割引が適用されるのでしょうか?
終身、定期、収入保障などの生命保険、また医療保険でも適用される商品がありました。
具体的には三井住友あいおい生命の「&LIFE」の終身保険や収入保障保険、また大同生命の各種定期保険や収入保障保険、マニュライフ生命では「こだわり終身v2」や「こだわり収入保障」、「こだわり医療保険」などで設定されています。
また、尿検査、最近の健康診断書や人間ドッグの結果のコピー提出などが条件となる保険会社もあります。
更新したら告知し直さないといけないの?
『申込をした時には禁煙できていたけれど、最近またタバコを吸い出してしまった!』なんて人もいるかと思います。
『仕事のストレスでかなり太ってしまった』という事もあり得ますよね。
優良体割引を適用していて、そんな時に保険を更新することになったら割引されなくなってしまうのでしょうか?
保険会社によって違ってきますが契約した時に優良体割引の対象になっていれば、例えばチューリッヒ生命では告知のし直しは不要、メットライフ生命は契約時の健康状態の保険料のままで継続、などそのままのケースが多いようです。
ただし、更新時に条件に当てはまっているか確認する保険会社もあるようですので申込の時に担当者に確認してみましょう。
実際の商品で保障内容を確認してみよう
では優良体割引とは実際どのような割引制度なのでしょうか?
損保ジャパン日本興亜ひまわり生命『家族のお守り』の優良体割引
優良体割引の条件というのは保険会社によって分類の仕方が異なりますが、契約者が抱える健康リスクによっていくつかのタイプに分けられます。
これをリスク細分化と言います。
具体的に、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命の『家族のお守り』という収入保障保険を例にあげて説明します。
(ここでいう優良体割引は『健康体料率特約』となっています。)
- 過去1年以内の喫煙歴なし
- BMI値18.0<BMI<27.0であり
- 血圧:最高140mmHg未満、最低90mmHg未満
- 医師の診査結果が保険会社の定める範囲内
上記に当てはまる場合、非喫煙者健康体となり一番割引率が良い条件となります。
他にも非喫煙標準体、喫煙標準体、標準体と条件は分かれていき(下図参考)、割引率の良さは非喫煙健康体>非喫煙標準体>喫煙健康体>標準体となっています。
ご契約例
35歳男性 設定金額(基準年金月額):20万円 保険期間・保険料払込期間:60歳まで 最低保証期間:2年 平準払込方式 口座振替月払 健康体料率特約付
(引用元 損保ジャパン日本興亜ひまわり生命HP 『家族のお守り』商品内オプション1 健康体料率特約)
標準体 | 喫煙者健康体 | 非喫煙者標準体 | 非喫煙者健康体 | |
---|---|---|---|---|
月額保険料 | 6,860円 | 6,700円 | 5,520円 | 4,780円 |
一番割引率が高い【非喫煙者健康体】と割引のない【標準体】では月に2,080円の差があり、1年では24,960円も違いがあります。
非喫煙者割引における検査の仕方
喫煙の有無を調べるためにコチニン検査、というものが実施されます。
このコチニン検査とは唾液検査のことで、綿棒を口にくわえて唾液を採取し唾液中に含まれるコチニンという成分の有無を調べるものです。
(たばこのニコチンが体の中で代謝されると排出される物質をコチニン、と言います。)
このコチニン検査は精度が高く、喫煙していなくても、ニコチンガムを噛んでいる場合や、本人が吸っていなくても家族で喫煙者がいる、飲み会で隣の人が喫煙していたなど受動喫煙でも引っかかる場合がありますので注意しましょう。
商品ごとに保険料を比較してみよう
先にも述べましたが、優良体割引が適用されると通常の生命保険でも、ネット申込の生命保険の料金より安くなる場合もあります。
わかりやすく下記の3点の定期保険の料金を比較表で比べてみましょう。
①チューリッヒ生命『定期保険プレミアム』非喫煙者優良体型適用
(過去1年以内に喫煙歴なし、血圧:最高120mmHg、最低80mmHgで所定の基準を満たす人)
②メットライフ生命『スーパー割引定期保険』非喫煙優良体割引適用
③オリックス生命『Bridge』*優良体割引の設定なし
商品名 | 優良体保険料 | 標準体保険料 |
---|---|---|
チューリッヒ生命 『定期保険プレミアム』 | 1,830円 | 2,820円 |
メットライフ生命 『スーパー割引定期保険』 | 1,780円 | 3,840円 |
オリックス生命 『Bridge』 *優良体割引外 | 2,203円 |
また、標準体と優良体を比較すると、チューリッヒ生命の『定期保険プレミアム』なら990円、メットライフ生命の『スーパー割引定期保険』だと2,060円も保険料に差がつくことになります。
まとめ
- 優良体(健康体)割引は喫煙の有無、血圧やBMIなどの健康状態、優良運転者かなど保険会社の基準をクリアすれば保険料が安くなる制度である。生命保険の終身や定期、収入保障保険などで適用される。
- 更新しても告知する必要はないところが多い。ただし保険会社に要確認。
- 割引の内容はリスクによってタイプ分けされる。非喫煙健康体、非喫煙標準体、喫煙健康体、標準体、優良運転者など。喫煙の有無を調べるコチニン検査は受動喫煙でも引っかかることがあるので要注意。
- 優良体割引が適用されると、通常の生保商品でも比較的保険料が安いと言われる生保商品より安くなることもある。