学生がクレジットカードを持つなら家族カードより学生専用カードの方がお得
学生のうちは、作れるクレジットカードの種類に限りがあります。
学生でも比較的簡単に作れるカードとして候補に挙げられるのは、「家族カード」と「学生専用カード」。
学生専用カードと家族カード、同じクレジットカードですがどちらを持つかが将来のカードライフに影響してくる可能性もあるのです。
ここでは、家族カードと学生専用カード、これらのカードを持つメリットや注意点などを紹介していきますね!
在学中に優遇が受けられる学生専用カードとは?
学生専用カードとは、文字通り学生(大学生の他、短大生や専門学校生でも可能な場合も)しか申し込めないカードです。
申込の際には学生証などが必要となりますが、一般カードほど審査が厳しくありません。
学生専用カードは、学校を卒業すると一般カードに切り替わるのが普通です。
年会費無料がほとんどで、特典や補償(利用付帯ではなく自動付帯の保険など)が充実しているのが特徴です。
ここでは、学生専用カードのメリットとおすすめのカードについてご紹介します!
①学生専用カードならではの優遇
一般カードと比較して学生専用カードならではの優遇があります。以下、学生又は若者限定カードの特典や優遇を一覧にまとめてみました。
学生専用カード | 学生限定の特典、優遇 |
JALカードnavi | ・特典航空券が最大6割引で交換可能 ・在学中のマイルに有効期限なし ・マイル還元率が1%(一般カードの2倍) |
学生専用ライフカード | ・海外でのカード利用金額の5%をキャッシュバック ・専用のお問い合わせ窓口を開設 ・携帯利用料金決済で、抽選でギフト券がもらえる |
JCBカードエクステージ | ・年会費無料 ・入会後3ヶ月はポイント3倍(還元率1.5%) ・海外利用分はポイント2倍(還元率1%) |
楽天カードアカデミー | ・楽天ブックスでポイント還元率5% ・楽天トラベル「高速バス予約」でポイント還元率3% ・楽天ダウンロードでポイント還元率3% |
一般カードのマイル付与率は0.5%ですが、これを2倍にするためには年会費3,000円(税別)のショッピングマイル・プレミアムに入会しなければなりません。
JALカードnavi会員であれば、無料でマイル付与率を2倍にすることができます。
特典航空券も最大6割引で交換する事も可能です。
②海外旅行時に安心の保険
海外旅行保険が無料で付帯するのは、クレジットカードならではのメリットです。
クレカ付帯の旅行保険には、旅行代金(パックツアー料金、航空券料金、出発空港までの国内公共交通機関の料金など)をそのクレカで支払うことで補償が受けられる「利用付帯」と、これらの旅行代金をそのカードで支払わなくても補償される「自動付帯」があります。
以下の表で、学生向けカード別に海外旅行保険の補償内容を比較してみました。
クレカ名 | 付帯条件 | 死亡・後遺症 | ケガ・病気治療 | 携行品損害 (1旅行中あたり) |
セゾンブルー・アメックス | 自動付帯 | 3,000万円 | 300万円 | 30万円 (免責3,000円) |
JCBカードエクステージ | 利用付帯 | 2,000万円 | 100万円 | 20万円 (免責3,000円) |
楽天カードアカデミー | 利用付帯 | 2,000万円 | 200万円 | 20万円 (免責3,000円) |
学生専用ライフカード | 自動付帯 | 2,000万円 | 200万円 | 20万円 (免責3,000円) |
セゾンブルー・アメックスは年会費無料とはいえ、それは25才までの話で、26歳を過ぎると年会費3,000円(税別)が必要となってきます。
楽天カードアカデミーは「キャッシュレス診療」、JCBカードエクステージは、海外主要観光都市にある「JCBプラザ」で日本語の話せるスタッフが相談に乗ってくれるなどの海外旅行サポートが充実しています。
JCB CARD EXTAGEは年会費が無料で海外旅行傷害保険付きです。
海外に設置されている「JCBプラザ」はケガや病気の際の病院案内やパスポートの紛失・盗難など緊急時に日本語でサポートしてくれます。
③厳重な防犯対策と盗難・紛失損害補償
三井住友VISAカードを例に挙げますと、顔写真入りカード、業界最高水準の不正使用検知システム、ネットショッピング認証サービス、ワンタイムパスワードなどを導入しています。
また、JCBカードでも不正検知システムを導入しており、不審な利用があった際にはカード機能を一時的に停止する場合があります。
また、ほとんどのクレジットカードには、紛失・盗難の被害に遭い、カード利用者以外の第三者に不正利用されたとしても、届出日の60日前からカード会社が損害を補償してくれる盗難補償が付帯しています。
④両替よりも安く安全に使える海外キャッシング
高い手数料がかかるため、原則的に利用は控えるべきクレジットカードのキャッシングですが、海外となると話は別です。
現金を持ち歩かなくてもよい安心感はもちろん、海外ATM及び事務手数料が無料のものもあります。
MUFGイニシャルカードを例に、キャッシング付帯のクレカを使ったハワイの現地ATMでのキャッシングと、ホノルル空港の両替所で、500米ドル(1米ドル=100円を基本レートとして仮定)を両替した場合の具体例を挙げて、どれだけ違いがあるのか比較してみましょう。
キャッシングは9月15日にATMから米ドルを引き出し、翌月10日払いとします。その場合、借入期間25日間となり、借入利息は以下のように算出されます。
50,000円×17.95%÷365日×25日間=614円
MUFGイニシャルカードは借入利息以外は、現地ATM手数料も無料で、上乗せされる為替手数料もないので、実質614円のみの手数料ですみます。
反対に、ホノルル空港で両替した場合は、1回7ドルの両替手数料に加え、基本レートに上乗せされる為替手数料が15%ほどつきます。そのため、元本を除いた手数料は以下の通りになります。
50000円×15%+7ドル(700円程度)=約8200円
キャッシングの手数料と比べると雲泥の差です。
ハワイで交換レートのよい町中の両替所では、両替手数料無料のところがありますが、こちらも2~3%ほどの為替手数料が上乗せされているため、1,000~1,500円程度の手数料がかかってくる計算となります。
その場合でも、MUFGイニシャルカードで海外キャッシングする方が400円ほど安くなります。
MUFGイニシャルカードを使い、現地ATMから引き出し | 空港の両替所で両替 | ハワイ市内で一番為替レートのよい両替所で両替 | |
両替手数料 | なし | 7米ドル程度 (700円程度) | なし |
借入利息 | 年17.95% 614円 | なし | なし |
為替手数料 | なし | 15% | 2~3% |
現地ATM手数料 | なし | なし | なし |
交換に必要な円 | 50,614円 | 52,200円 | 51,000~51.500円 |
かかった手数料 | 614円 | 2200円程度 | 1000~1500円 |
両替につく手数料では、クレジットカードを使って現地ATMでのキャッシングが圧倒的にお得ということがわかりました。
ただし、クレジットカードよっては海外ATM手数料として100~200円程度とるものもあります。ちょこちょこ現地通貨をATMで下ろすと、海外ATM手数料もかなりの額になります。クレカ選びの際は、海外ATM手数料がつかないものをなるべく選ぶとよいでしょう。
最短翌営業日の発行が可能で、在学中は年会費が無料。
初回カード更新時にはMUFGのゴールドカードを持つ事ができます。
海外で急に現金が必要になった時も現地のATMでキャッシングをする事ができます。
➄お金の管理がしやすい
クレジットカードのWEB会員に登録すれば、利用金額がメールで送信されて、利用明細をネット上ですぐに見ることができます。
ダウンロードや印刷も可能で、支出の管理がしやすくなります。
⑥クレヒスを積める
学生の中には、家族カードを持っている人も少なくありません。
家族カードは審査の上で有利ですが、あくまでも保護者名義のカードのため、自分自身のカード利用実績(クレヒス)を積み上げることはできません。
クレヒスは、クレジットカードやローンの審査の際、カード・ローン会社が申込者の支払い能力の重要な判断材料となります。
クレヒスがないまま、30代になってクレジットカードを持とうとした時、カード会社が申込者の支払い能力を判断できなかったため、クレカを発行してもらえなかったというケースもよく聞きます。
それならば、社会人よりも審査のハードルが低く設定されている在学中に、自分名義のクレジットカードを持ち、そのカードでクレヒスを積むことで、将来的に自分の信用評価も数段アップします。
もちろん、ただクレカを利用したという実績を積むだけではなく、毎月の支払いをしっかりと行い、クレヒスを「良好な」状態に維持することも重要となってきます。
➆学生専用カードならステータスカードにアップグレードしやすい
学生専用カードの中には、卒業後にサービスが充実した上位カードにグレードアップするものもあります。
18~25才までの学生が対象となる「三井住友カード デビュープラス(学生)」は、26歳以降最初の更新時期に、空港ラウンジサービスや国内旅行保険付帯の「三井住友カード プライムゴールド」に更新されます。
学生のうちから、学生や若者向けカードに入会し、定期的な利用そして着実な支払いを繰り返すことで、カード会社の信用も増し、そのカード会社が発行する上級カードへの審査も通りやすくなります。
学生も持てる「家族カード」を解説!
家族カードってなに?
メリットや注意点について説明する前に、基礎知識として家族カードについて説明しましょう。
クレジットカードは、「カードの名義者本人しか使うことができない」と利用規約で定められています。
しかし、名義者本人以外にもその配偶者や両親、子供も名義者本人のクレジットカードが使える、それが家族カードです。
ただし、1枚の本人カードを家族で使いまわすのではなく、ETCカードや電子マネーカードのように、1人1枚追加カード発行をして使います。
例えば、妻と母親、子供に家族カードを持たせたいとなれば、妻用、母親用、子供用の合計3枚の家族名義のカードをそれぞれ持たせなければなりません。
家族カードの申込方法
家族カードの申込は、本会員カードを申し込むときに同時に申し込むか、本会員カードをすでに持っていて追加で申し込むか、どちらかになります。
申込方法の詳細はカード会社によって異なりますが、例えば「三井住友VISAカード」の場合は以下のような手順になります。
①本会員のカードが発行される
②インターネットサイト会員サービス「Vpass」にログイン
③必要な4桁の資料番号を入力して申し込み
家族カードの注意点
仮にカードに名前が記載されていない人による使い回しがばれてしまうと、カード紛失や盗難時の補償が受けられないばかりか、カード没収という最悪の事態の可能性もあります。
また、家族ならば誰でも家族カードを発行してもらえるわけではありません。
子どもでも18歳未満には原則発行せず、18歳以上でも高校生にも原則発行しません。
家族カードが発行可能なのは、本人の配偶者、両親、子供までが一般的で、祖母や孫、兄弟などは利用対象外なのが一般的です。
学生が家族カードを持つことのメリット
学生でも審査に通りやすい
学生が家族カードを持つ最大のメリットは、学生でも審査に通りやすいことにあります。
例えば、三井住友カード株式会社は、銀行系クレジットカードの中でも審査が厳しいことで有名なカード会社です。
特にゴールドカードは、年齢が満30歳以上でなければならないため、学生は本会員として申し込みすらできません。
ですが、それは本会員の話で、家族カードとなれば三井住友カード Aや三井住友カード ゴールド、あるいは三井住友カード プラチナであっても審査のハードルが一気に下がります。
学生が本会員ではまず持てないステータスカードも、家族カードならば手が届くのです。
コストを抑えられる
安定した年収がない学生にとって、クレジットカードの年会費は痛い出費ですよね。
ですが家族カードは、本会員としてカードを持つよりお得な年会費でカードを持つことができます。
中には家族カードであれば年会費が無料になるカードも少なくありません。
例えば三井住友VISAカードの年会費は、契約者本人はなかなかの高額ですが、家族カードであれば以下のようにさほどではありません。
カードの種類 | 本会員(税別) | 家族カード(税別) |
クラシックカードA | 1500円 | 550円 |
ゴールドカード | 1万円 | 1人目無料(2人目から2000円) |
プラチナカード | 5万円 | 無料 |
一般カード⇒ゴールドカード⇒プラチナカード、とカードのステータスが上がるほど、家族カードの費用負担はどんどん少なくなっていきます。
普通にクレジットカードを作るのと同じ特典や補償がえられる
両親がゴールドカードやプラチナカードなどのステータスカード保有者ならば、家族カードを持つメリットはより大きくなるでしょう。
例えば、三井住友カード プラチナには、以下のような特典があります。
・国内外ホテルを優待料金で利用可能
・国内の一部ホテルでは客室や料理のアップグレード
・国内主要空港のラウンジを無料で利用可能
・優待価格でパッケージツアーが利用可能
・2名以上のフルコース注文で1名分が無料となるクーポン
・コンシェルジュサービス
また、カードに付帯している以下のような保険も、家族会員も同様に利用可能です。
補償内容 | 保険金額 |
海外旅行傷害保険(傷害死亡・後遺障害) | 最高1億円 |
海外旅行傷害保険(疾病治療) | 500万円 |
国内旅行傷害保険(傷害死亡・後遺障害) | 最高1億円 |
航空便遅延保険(乗継遅延費用) | 2万円 |
ショッピング保険 | 最高500万円(自己負担3000円) |
学生カードや一般カードではここまでの特典はまずありえません。親御さんがステータスカードをお持ちの学生さんは、家族カードを持つことも検討してみるのをおすすめします。
学生が家族カードを持つことのデメリット
いいことだらけに思える家族カードですが、デメリットもあります。
利用明細が家族にばれる
家族カードを利用した際、利用明細書は本人会員のところに合わせていき、利用代金はまとめて支払い口座から引き落としとなります。
なので、家族会員がどこでどんな買い物をしたのか、利用代金明細書を見てカード利用内容が家族にばれてしまいます。
何を買ったのか知られたくない買い物では、家族カードは使えませんよ。
クレヒスを育てられない
クレジットヒストリー(クレヒス)とは、文字通りクレジットを利用した履歴のことです。
クレジットといっても、クレジットカードだけではなく消費者金融や銀行のカードローン、エステのローン契約や携帯電話の分割払いなど、後払いするあらゆる手段がクレヒスの対象です。
クレヒスを育てることにより、以下のようなメリットがあります。
・新たなクレジットカードを作りやすい
・今持っているカードの限度額を上げてもらえる
・ステータスの高いカードへの招待が届く
しかし、家族カードでいくら利用履歴を積んでも、それは本カード会員のクレヒスになるだけであって、家族カード利用者には全く関係がありません。
20代半ば以降もまったくクレヒスがないと、いざ自分のカードを作ろうとしても希望するカードの審査になかなか通らず、苦労することがあるのです。
利用限度額まで自分のペースで使えない
家族カードでは、カードの利用枠も本会員と家族会員で共有することになります。
例えば、利用金額が50万円のカードがあるとして、本会員が40万円使ってしまったら、家族会員の利用額は10万円しかありません。
自分専用のカードであれば計画を立てて使えますが、家族カードだと「使いたいときにカードが使えない!」ということが起こる可能性があるのです。
家族カードに魅力を感じなければ、学生専用カードがおすすめ
メリットとデメリットの状況を比較して、家族カードに魅力を感じなければ、自分専用の学生カードを選ぶのもありです。