なぜ無料?保険見直しサービスの謎を解説
ショッピングモールの一角に軒を構えるショップ型のものや、インターネット上で申し込み、喫茶店や自宅に相談員が来てくれるネット型など、近年、無料の保険見直しサービスが次々に開設されています。
店舗型やネット型と業態は様々ですが、提供しているサービスは基本的に同じです。
顧客から保険見直しについての相談を受け、複数社の保険商品の中から最適なものを選びだし、契約してもらうというもので、そのすべてのサービスは無料だというのがポイントです。
専門家に無料で保険相談をしてもらえる画期的なサービスのため利用価値は高いのですが、何せ「無料」というところに訝しさを感じてしまう方も多いのではないでしょうか。
今回は、この保険無料見直しサービスがなぜ成立するのか、そのメリットについて解説したいと思います!
なぜ無料で保険が見直しできるの?
そういえばインターネット上にも同様のサイトがあるのを最近見かけますが、これって本当に無料なんですか?
「相談が無料なだけで、契約時には手数料がとられる」っていうんじゃないですよね?
それどころか、初回の相談時に商品券をくれる相談所もあるようじゃ。
その分、相談所は保険会社から販売手数料を受け取っておるのじゃよ。
契約手数料は、保険会社が支払っている!
ですが、当然保険無料相談サービスも、収入源がなければ業態として成り立ちません。
実はこれらの保険相談サービスは、保険会社から紹介手数料を受けとることで、収入を得ているのです。
下の図をご覧ください。
最終的には顧客と保険会社との間で保険契約が結ばれるので、保険会社にとっては保険相談所から顧客を紹介してもらうことになります。
その見返りとして支払われる紹介手数料が、保険相談所の収入となるのです。
相談者にとっては「相談窓口」じゃが、保険会社にとっては「紹介窓口」となっていると言うこともできるかの。
保険会社で保険を見直すのと何が違うの?
保険相談所(保険見直しサービス)からは、複数の保険会社の保険を契約できる!
これらの保険相談サービスの特徴は、保険会社から独立しているというところです。
この点が、いわゆる生保レディや個人代理店などの保険会社所属の販売員との違いであり、最大のメリットです。
生保レディからは所属している1社の保険商品しか契約できませんが、保険相談サービスを利用すると、複数社が扱う無数の保険商品の中から最適なものを提案してもらうことができます。
死亡保険と医療保険との組み合わせについて、簡単な例を挙げて考えてみましょう。
死亡保険 10年定期 30歳男性 保険金3000万円 | 医療保険 終身 30歳男性 入院給付金5000円 | |
---|---|---|
ひまわり生命 | 月額4650円(標準体) 月額3750円(非喫煙健康体) | 月額1692円 ・先進医療特約を付加 ・三大疾病支払日数無制限特則を付加 |
チューリッヒ生命 | 月額4920円(標準体) 月額3120円(非喫煙優良体) | 月額2062円 ・先進医療特約を付加 ・7大疾病延長入院特約/ストレス性疾病延長入院特約を付加 |
定期死亡保険だけを例にとっても、標準体ならひまわり生命の方が安く、非喫煙健康体ならチューリッヒ生命の方が安いことが分かります。
また、終身医療保険を見てみると、ひまわり生命の方が保険料は割安ですが、チューリッヒ生命では7大疾病延長入院特約とストレス性疾病延長入院特約を付加することができます。
ストレス性疾病に対する保障は他社にはないユニークなものですので、保険料が割高でも加入する価値があると考える人は少なくないはずです。
2社だけを比べても以上のように差がありますが、日本では数十社の保険会社が活動しているのです。
これじゃあ、複数社の保険商品から選べるっていうのは、かなり重要ですよ!
加入できる条件も保険会社によって差があるから、例えば「過去の病歴が原因でA社では保険に加入できなかったが、B社では似たような条件の保険に加入できた」というようなことも考えられるぞい。
無料の保険相談サービスを利用するメリットとデメリット
顧客にとって不利な商品を提案されてしまうことも?
これじゃあ、相談者の満足度は高いのではないでしょうか?
相談者は無料で相談サービスを受け、相談員は保険会社から報酬を得ているという構造が原因で、必ずしも良質な相談サービスが行われないケースもあるようじゃ。
公的にはオープンになっていませんが、契約成立した保険商品の保険料の何%かが、無料保険相談サービスに紹介手数料として支払われていると考えられます。
そして、その紹介手数料は保険会社によって、また同じ保険会社でも商品によって異なるとも言われています。
こうなると、無料保険相談サービスの相談員は利益のために、紹介手数料が高い保険会社の保険商品の提案を優先して、顧客のニーズに合わない保険をすすめてしまう可能性もあるのです。
無料保険相談サービスのすべてが悪質な提案をしているというわけでは、もちろんありません。
ですが、無料保険相談サービスにはその十分な動機があり、悪質な提案もしかねないような仕組みになっているのは確かなのです。
ところで、相談が無料ではなく有料のものもあるようですが、こちらはどう違うのでしょうか?
有料の保険相談サービスは、比較的信頼できる?
保険相談サービスの中には、数千円~数万円など相談料が有料のものもあります。
有料の相談サービスは無料のものと、次の2点で異なると考えられます。
- 報酬を保険会社(だけ)ではなく相談者から得ているため、より相談者の側に立った提案がなされると考えられる。
- 有料でも顧客を集められる提案能力と自信が相談員になければ成立しないビジネスモデルのため、より良質な相談や提案がなされると考えられる。
とはいえ、有料の保険相談サービスのすべてが、無料のものより良いとは言いきれません。
やはり、有料・無料含めて複数の相談サービスを利用するのが良いでしょう。
よく聞くけれど、FPってなに
FP(ファイナンシャルプランナー)は、家計管理の専門家
無料保険サービスについて調べていると、「FP」という語がよく登場します。
FPは「ファイナンシャルプランナー」の略で、家計管理の専門家のことです。
年金・税金・資産運用・住宅・相続・保険などのあらゆる面から、家計について分析・相談・提案するのがFPの仕事です。
FPからはこれらの広い知識を総動員して、家族構成やライフステージの変化、ライフプランに合わせて、単に保険にとどまらない総合的な相談を受けることができるのです。
現在、FPには2種類の資格があります。
- 国家資格の「FP技能士」(スキルが高い順に、1級、2級、3級がある)
- 日本FP協会が認定する民間資格の「AFP」「CFP」(AFPが2級FP技能士と、CFPが1級FP技能士とほぼ同水準)
[macth url=”https://www.money-book.jp/7044″]
良質なFPを多数抱えている無料保険相談サービスも
FPの相談実績や相談者からの事後評価をオープンにすることで、所属するFPの質を確保しようとしている無料相談サービス会社も存在します。
- 保険のビュッフェ:所属するFPの平均相談実績数が1000件以上。
- 保険マンモス:FPのスキルを点数化して公開。また、「イエロ-カード制」というシステムでしつこい勧誘を防止している。
まとめ
- 無料保険相談所や無料保険見直しサービスは、相談者から相談料をとるのではなく、保険会社から紹介手数料(販売手数料)をとっている。
- 無料保険相談サービスは、保険会社に所属する生保レディなどと違い、複数社の保険商品の中から相談者に最適なものを提供することができる。
- 相談者の利益よりも紹介手数料を優先する悪質な無料保険相談サービスが無いとは言い切れないので、複数の無料相談サービスを受けるのがおすすめ。
- FP(ファイナンシャルプランナー)とは、家計にまつわる広範な知識を持った専門家のこと。実績や提案能力の高いFPに相談を担当してもらうことが重要。
そういえば、駅前でポケットティッシュを配っている人がいたので、もらっちゃいました♪
わかるかの?
ポケットティッシュは持ち歩きますもんね。
なるほどなぁ…。