本当に必要?独身の生命保険について考えてみよう
独身の人でも生命保険の加入をすすめられることがあるでしょう。
けれども、自分ひとりで生活しているのにどうして保険が必要なのか疑問に思っている人も多いと思います。
そこで今回は、独身の人に生命保険が必要なのか、保障内容や必要保障額をどうすればいいのかといったことを考えるためのポイントをまとめました。
独身男性、独身女性に生命保険は必要?
基本的に、生命保険は「死亡した場合に保険金が支払われる」ものです。
そのため、契約者自身ではなく「自分が死亡して困る人」のために加入するものだと言えるでしょう。
独身の場合、自分が死亡して困る人がいないのであれば、生命保険は必要ないかもしれません。ただし、配偶者や子供がいなければ必要ないとは限りません。
もし、あなたが高齢でリタイアした親の面倒を見ているのであれば、親の生活保障のためにも加入を考えておかなければならないでしょう。
もう1つ気をつけておかなければならないことは、銀行口座が凍結されてしまうことです。
実は、銀行は死亡した人の預金を凍結し、誰かが勝手に引き出せないようにしてしまいます。
引き出すためには死亡した人の相続人が手続きをしないといけないのですが、すぐにはできず時間がかかってしまいます。
しかし、それまでにも未払いの入院費用や葬儀費用などは支払わなければなりません。
その費用を肩代わりしてもらわないで済むようにするためには、生命保険に加入しておくとよいでしょう。
保険金受取人に、「万が一のことがあった場合の費用のために生命保険に加入している」と伝えておけば、親族などに余計な負担を強いることを心配する必要はありません。
ただし、保険金受取人が法定相続人ではない場合、相続税の非課税制度のメリットを受けることができません。
死亡保障以外に考えられるのが、老後に備えた「個人年金保険」です。
子供がいないのであれば、老後の生活費は自分で用意しなければなりません。
公的年金の財政が厳しくなり、将来の年金額が期待できない可能性が高まっています。
そんな時代ですから、民間の保険を使って老後に備えておくのも選択肢のひとつです。
独身のあなたに必要な保障を考えてみよう
独身の人は、生命保険を使って高額の保険金額で備える必要はありません。
前述のように、親の面倒を見ているなどでもない限り、遺族の生活費を考える必要がないからです。
葬儀費用や入院費用といった支払いに備えられる程度の保障で充分です。
日本消費者協会が実施したアンケート(2014年度)によると、葬儀費用の平均は189万円となっています。
家族葬にするのであればそれよりも費用が少なくて済むため、そういったことも考慮に入れて最低限の保障額で備えておきましょう。
ちなみに、会社員の場合であれば、遺族年金(独身の場合は遺族厚生年金のみ)や死亡退職金が支払われるはずですが、支払われるまでにそれなりの期間が必要になります。
そのため、生命保険で給付金を受け取れるようにしておく方が安心です。
定期保険と終身保険、どちらがいいの?
次に、その生命保険を「定期保険」にするか「終身保険」にするかを考えてみましょう。
定期保険では保険料を安く抑えることができますが、掛け捨てです。
一方の終身保険は掛け捨てにはなりませんが、その分だけ保険料が割高になります。
また、終身保険には解約リスクがあります。
終身保険は貯蓄性のある保険なので解約した場合に解約返戻金を受け取ることができるのですが、支払った保険料よりも解約返戻金が少なくなってしまうケースが少なくありません。
こういった特徴から考えると、若い人など収入や貯蓄がまだ少なく余裕がない場合は、定期保険にしておく方がよいでしょう。
保険料を安く抑えて、その分を老後に向けた貯蓄に回すようにしましょう。掛け捨てにはなりますが、万が一のための安心料だと考えましょう。
「生命保険であれば所得税や住民税といった税金の控除が受けられる」と言われることもあるかもしれませんが、無理に保障額を引き上げないようにしましょう。所得控除額の限界まで保障を手厚くしても今の生活が苦しくなるだけです。
また、将来、結婚するなどしてライフプランを見直すことになった場合も視野に入れると、定期保険の方が保険の見直しがしやすいでしょう。
なお、医療保障などの特約がついていない方が見直しの自由度も高いのでシンプルな内容で構いません。
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個人年金保険の保障額は?
独身の方が個人年金保険で老後に備える場合でも、保障額は最低限に抑えておきましょう。
個人年金保険も年金が受け取れるまでに解約した場合、解約返戻金が支払った保険料を下回る場合が多くなります。
独身だから老後に備えておきたいところですが、必要以上に保険に加入して今の生活が厳しくなってしまわないように気をつけましょう。
独身であっても、自分に万が一のことがあった場合の備えは必要です。
ただ、今の生活を犠牲にするような入り方は避けるようにしましょう。
まずは貯蓄することを優先に考えながら、最低限の保障が得られるような方法を考えてみるようにしてください。
まとめ
- あなたが亡くなって困る人は誰なのか考えよう。
- 生命保険に加入していれば死後の銀行口座凍結された場合でもまとまったお金を準備することができる。
- 独身で貯蓄も十分にない場合は定期保険の方が見直ししやすくおすすめ。
- 独身の場合、個人年金を考えた時に必要以上に大きな保障を付けて生活が苦しくならいように注意しよう。