みんないくら払ってるの?夫婦で考える無駄のない生命保険への加入
結婚によって、家計のありようは変化します。
それまでは2人とも働いていて収入があったとしても、結婚あるいは出産を機に片方が退職することもあります。
収入や生活スタイルが変化するときは、保険を見直すべき時でもあります。
今回は、夫婦で加入する保険について考えてみましょう。
うちは高い?夫婦の保険料相場はいくらなの
「日本人は保険の加入率が高い」と言われていますが、日本の夫婦がどのくらい保険に加入しているのかについて知っておきましょう。
生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査」(平成27年度)によると、月額保険料の合計が1万円未満の世帯は全体の15.9%で、1万円以上2万円未満は19.0%、2万円以上3万円未満は15.9%となっています。
これは生命保険に全く加入していない世帯は除いた調査ですので、月額保険料3万円未満の世帯だけで半分以上を占めているということになります。
3万円以上の世帯も3割を超えており、全体としての中央値は3万円弱というところでしょう。
中央値でも月額3万円と聞くとなかなか高額だという印象を持たれるかもしれませんね。
これには定期保険などの死亡保障や医療保障・がん保障はもちろん、個人年金保険や終身保険といった貯蓄型保険も含まれています。
月6万円台は2.9%なのに…。
この調査結果で高額なところに目を転じると、月7万円以上支払っている世帯も相当割合いることに気づきます。
夫婦とひとまとめに言っても、新婚夫婦から子育て真っ盛りの夫婦、それに老後準備にいそしんでいる夫婦といったように、状況は千差万別です。
世帯によって必要な保障には差があり、加入する目的も異なるゆえ、保険料も一様ではないのでしょう。
ですから、大切なのは周囲に合わせることではなく、自分たちにあった保険を選ぶことですね。
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必要保障額計算の手順
自分たちに合った保険を選ぶためには、自分たちの状況を把握して、それをもとに必要な保障を考えなければなりません。
続いて、その手順を簡単に解説しましょう。
現状把握のために確認すべきポイント
まず必要なのは、現在の家計の把握と、統一です。
結婚当初には家計を統一したが、時が経つにつれてお互いに相談せずに金融商品を保有していたり借金を抱えていたりということもあるかもしれません。
しかし家計が統一されていないと、正確な必要保障額は算出できず、保障内容に無駄や不足が生じます。
ですから、無駄のない保険加入のためにはまず、貯蓄と借金(住宅ローンなど各種ローン含む)の金額、夫婦の手取り収入、現在加入している保険の期間や内容を確認しあいましょう。
特に保険に関しては、万一の時には遺族が受取人にならなくてはなりませんので、しっかり情報共有しておきましょう。
ライフイベントに合わせて保障を増減させる
結婚後はいくつかの重大なライフイベントを経験します。
そのたびに、保険で用意する保障を手厚くしたり削ったりする必要があります。
代表的なライフイベントは以下のようなものです。
- 片方が専業主婦(夫)になった
- 結婚したが共働きである
- 子どもができた
この場合、夫婦の片方の収入で生活することになります。
収入源である人に万一のことがあると、遺された家族のための生活保障が必要になります。
ただし、子どもがおらず夫婦とも若くて専業主婦の再就職がすぐにできるのであれば、この限りではありません。
保険で用意すべき保障はほとんどありません。葬儀費用分の保障で充分です。
ただし、夫婦の収入に差が大きいのであれば、上記の専業主婦の場合に準じて保障が必要になるでしょう。
子どもには教育費がかかります。
その分の保障を増やさなければなりません。
また子育てには手がかかるので、万一のことがあると遺族は満足に働けないかもしれません。
このための保障も、上乗せする必要があるでしょう。
会社員や公務員なら、それに加えて遺族厚生年金が受け取れるぞい。
必要保障額を算出するときには、遺族年金額を除いて計算するのが重要じゃったの。
夫婦型の保険はお得なの?
生命保険の中には、「夫婦型」や「家族型」という名前がついているものがあります。
そのネーミングだけをとらえると、夫婦や家族の保障を得るためにはぴったりな印象を受けますね。
この「夫婦型」「家族型」保険は、本当に便利なものなのでしょうか?
夫婦型保険とは?
医療保険やがん保険などで見られる夫婦型保険(または夫婦特約)とは、その名の通り1つの保険で夫と妻両方の保障がセットになったものです。
具体的には、主契約者として夫婦のうちどちらかが被保険者になり、その配偶者は「従被保険者」という扱いになります。
家族型保険(または家族特約)もこれと同じですが、さらに子どもも従被保険者になるということなのですね。
医療保険の場合、主契約の被保険者は入院給付金が日額5000円、従被保険者は日額3000円または1000円というように保障に差が設けられているタイプが多いです。
夫婦型・家族型保険のメリット
夫婦型保険の最大のメリットは、保険料が割安なことです。
1人分の保険よりも、保険料は1.5~1.8倍程度で済むことが多いので、どうせ加入するのなら夫婦別々に契約するよりもお得ですね。
また、家族型保険の場合は子どもの人数が増えても保険料が一定ですので、子だくさん世帯にはお得です。
別々に加入するよりも保険料が割安なら、これは良い保険なんじゃないですか?
しかし、今その保障が必要でも、これからもずっと必要だという保証は誰にもできんからの…。
夫婦型・家族型保険のデメリット
夫婦型保険のデメリットは、その使い勝手の悪さです。
セット保険の保険料の安さに目がいってしまいますが、本当にその保障が夫婦2人ともに必要なのかどうかをまず確認しましょう。
例えば夫には必要でも妻には不要だという場合、不要な保障のために1人分よりも高額な保険料を払い込むことにもなりかねません。
それに、今2人とも必要だったからといって、今後もずっと継続して同様の保障が必要であるとも限らないのです。
結婚後もさまざまな出来事が2人にはふりかかることでしょう。
それによって、2人は生活スタイルを変え、生活費も変化していくはずです。
そうなれば、過去に必要だった保障が不要になることもあるでしょう。
しかしそんな場合でも、夫婦型保険はセット保険のため、解約もセットになるのです。
それに、こんなパターンも考えられます。
- 夫婦の片方(主契約の被保険者)が亡くなってしまう。
- 離婚してしまう。
この場合、保険自体が消滅したり、消滅はせずとも健在だったころの(2人分の)保険料が引き続き必要だったりします。
夫婦ではなくなるので、やはり夫婦型保険は消滅する可能性があります。
別れが若いうちなら何とかなるかもしれませんが、年齢を重ねた後なら、新たな保険に加入するには条件がかなり厳しくなるでしょう。
健康状態によっては、保険加入自体ができないかもしれないリスクがあります。
まとめ
- 世帯の保険料は月額3万円未満が半数を占める。
- 必要保障額を算出するためには、家計を統一しなければならない。
- 保険はライフイベントごとに見直す必要がある。
- 夫婦型保険のメリットは、セットのため保険料が割安なことである。
- 夫婦型保険のデメリットは、別々に解約できないなど、使い勝手が悪いことである。
なんだか後ろ向きな気持ちになってしまいます。
それに、離婚も一般化してきて、離婚後も友人としての関係が続くこともあるそうじゃ。
それなら、別れをなるべく温和にできるようにというのも、知恵なんじゃないかのう。
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