生命保険を活用!住宅ローンは団信なしで節約できる
住宅購入をする場合には、住宅ローンの返済途中に万が一のことがあった場合のことを考えてしまいますね。
そんなときに備えて団信(団体信用生命保険)があります。
しかし実は、団信をつけずに住宅ローンと生命保険の組み合わせの方が節約につながるのを知っていましたか?
今回は、住宅ローンを上手に契約するための基礎知識をお伝えします。
団信も時代にあわせて変化が起きています
住宅ローンを組む時に加入をすすめられることが多い「団信」。
この団信は、時代とともに変化してきています。
ネット銀行も住宅ローンを提供しています
最近では、ネット銀行も住宅ローンに力を入れるようになってきました。
例えば、通常の金融機関の住宅ローンでは保証料がかかりますが、住宅金融支援機構が民間の金融機関と提携して提供しているフラット35では保証料が無料です。
さらに、ソニー銀行やイオン銀行なども、保証料無料を打ち出してきています。
ネット銀行系では事務手数料も安く設定されていることが多いですが、保証料と同じく事務手数料も金融機関ごとに異なります。
どこでローンを組むかはしっかりと比較検討するようにしましょう。
団信につけられる特約も充実してきています
「お父さんが働きに出て、お母さんは家事と子育て」。
だから、団信でお父さんに万が一のことがあった場合の住宅ローン返済に備える。
しかし、共働き世帯が当たり前となった今では、夫婦で家を買い、ローンを組み、返済するというスタイルも増えてきました。
そこで、フラット35では、「デュエット(夫婦連生団信)」という特約が作られています。
この特約を付けると、夫婦での連帯債務として扱われ、夫婦のどちらかに万が一のことがあった場合には団信の保険金で全額返済できるようになります。
ただし、デュエットは、通常の団信にかかる特約保険料の約1.56倍の保険料が必要になります。
他にも、医療保障を特約としてつけられる団信も出てきました。
イオン銀行が提供している住宅ローンでは、「8疾病保障付住宅ローン」というものがあります。
これは「がんと診断されたとき」や「脳卒中や急性心筋梗塞で所定の状態が60日以上継続したとき」などに、住宅ローン残高が0円になるという疾病保障特約です。
ただ、その特約を付けるには、特約保険料として「金利が0.3%上乗せ」となります。
ローンの返済を少なくするためにおすすめの方法
借り換えでの負担を軽くする方法
ローンの返済額を抑えるための方法として真っ先に思いつくのが、「ローンの借り換え」です。
超低金利の今、高金利の時に借りた住宅ローンは借り換えるだけで毎月の負担を抑えることができます。
ただ、注意しておかなければならないことが2点あります。
ひとつは、「借り換えには手数料がかかる」ことです。
これまでの住宅ローンの繰り上げ返済と、借り換える住宅ローンの保証料と事務手数料が必要になります。その費用を支払っても総返済額が軽減されるかどうかをしっかりと確認しておくようにしましょう。
もうひとつは、「団信は再度加入しなおしになる」ことです。
つまり、借り換え審査だけでなく、保険の審査もあるということです。
はじめに住宅ローンを組んだ時に比べて、年齢が上がり健康状態も変わっています。
そのため、場合によっては団信への加入を断られてしまうかもしれません。
加入条件を緩和したタイプの「ワイド団信」を取り扱っている銀行もありますが、その分だけローン金利(実質的には保険料)が高くなってしまうので、ローンの負担があまり減らなくなってしまいます。
生命保険を活用した方法
住宅ローンに団信をつけ加えて万が一に備えることもできますが、「収入保障保険」を活用すれば、トータルでの支出額を抑えることができます。
そこで、団信に頼らず「収入保障保険」を活用して、保障とローンを分けて考えることをおすすめします。
収入保障保険は、被保険者が死亡したまたは高度障害状態になった場合などに、所定の保険金を毎月受け取ることができるようになっています。ここで、団信と収入保障保険の特徴を比べてみましょう。
団信 | 収入保障保険 | |
---|---|---|
保障額 | 住宅ローン残高の 一括返済をする | 満期までの期間 所定の保険金を受け取る |
保険料 | 住宅ローン残高の 一定割合(0.3%程度) | 定額 |
特徴 | どちらも保障金額は徐々に減っていく | |
保険料は全員同じ | 健康状態によって割引がある |
このように、「保障金額が徐々に減っていく」点では同じ特徴を持っています。
しかし、団信よりも収入保障保険の方が、保険料の負担が少なくなります。
なぜなら、団信での保険料は住宅ローン残高に応じて決まるため、はじめは高く、だんだん少なくなっていくのに対し、収入保障保険ははじめから一定額だからです。
さらに、健康状態によって割引が受けられれば、その分だけさらに保険料の負担が少なくなる可能性があります。
この特徴から、まだ健康な若いうちに住宅ローンを組む場合は、「団信を使わない場合」もあわせて比較するようにしましょう。
同程度の保障内容でも、保険料の総額を数十万円減ることもあります。
下記に、簡単な例で金額の比較もしてみましょう。
30歳の男性が、フラット35で、2,000万円を返済期間35年(固定金利0.93%)で住宅ローンを組んだとします。その場合の毎月の返済額は56,000円程度です。
比較する収入保障保険はチューリッヒ生命のもので「非喫煙優良体型で毎月6万円受け取れるもの」として試算しました。
※変動金利の方が金利は低くなりますが、超低金利状態のため、固定金利を選択しています
※住宅ローンについては、団信特約料以外に、その他諸費用もかかります
団信 | 収入保障保険 | |
---|---|---|
保障額 | 住宅ローン残高の 一括返済 | 満期までの期間 毎月10万円の受け取り |
保険料 | 住宅ローン残高に連動 | 2,172円 |
総支払保険料 | 1,277,100円 | 912,240円 |
差額 | 364,860円 |
なんと、35万円を超える差が出ました!
ただ、民間銀行独自の住宅ローンでは団信への加入が契約の条件になっていることもあります。
フラット35は団信を付けるかどうかはローン契約者が決められるため、「フラット35の団信なし+収入保障保険」での死亡保障を検討しましょう。
銀行と保険会社の両方に見積もりを取らなければならないので手間はかかりますが、それ以上のメリットがあるでしょう。
実際の差額がどれくらいになるかは、どの金融機関・保険会社で、どの住宅ローン・保険を活用するかで変わってきます。くわしくは、銀行・保険会社・専門家に相談してください。
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まとめ
- フラット35でローンを組んだ場合、保証料は無料である。
- 住宅ローンを組む時は、保証料だけでなく事務手数料も比較しよう。
- 団信は特約を付けられるが、特約保険料がかかる点に注意。
- 団信の代わりに収入保障保険を活用して節約ができる。