先進医療特約はムダ?ネットの口コミ信じていいの?

先進医療特約って加入したほうが得なの?

先進医療特約は、厚生労働省によって先進医療として認められた治療技術による治療を受けた場合に、その先進医療の技術料を、特約保険金額の範囲内で支払う特約です。

最近ではCMなどで「先進医療特約」をさかんに広告する保険会社が多く、耳にする機会も多いですよね。

たとえば、アメリカンファミリー社の「総合先進医療特約」は、年齢を問わず、保険料は月々99円

この保険料で先進医療を受けたときの自己負担額を通算2000万円まで保障してくれるんです。

保険対象外となる先進医療が、この特約保険料で最大2000万円まで保障されるのなら、加入したくなりますよね。

先進医療の治療はどんな治療?いくらくらいかかるの?

「先進医療」の例としては、固形がんに対する放射線治療の一種である「重粒子線治療」や「陽子線治療」などがあります。

X線は病巣の周辺の健康な細胞にもダメージを与えてしまいますが、重粒子線治療や陽子線治療では病巣をピンポイントで狙い撃ちできるんだそうです。

これらのがん治療の費用総額は100万円単位になるようです。

ただし、これらの治療を受ける場合でも、保険診療部分(診察、検査、投薬、入院料など)は健康保険証を持っている人なら、通常どおり3割負担です。

また、高額療養費の対象になりますので、月々の負担は10万円以内に抑えることができます。
*詳しくは【ムダを徹底的にはぶく!高額療養費・3大疾病特約の実態】参照

とはいっても、もし、先進医療の手術を受けることになった場合、技術料部分は全額自己負担になります。

そこで、これらの先進医療にかかった費用を全額負担しようというのが先進医療特約です。

先進医療特約、実際にはほとんど支払われないって本当?

各保険会社が次々と発売した「先進医療特約」ですが、実際に給付が受けられるケースは極めて限定的なのです!

理由は次のとおり。

【1.医療施設が限定されている】
医療技術名や適応症が先進医療の要件をみたしている場合でも、治療が「施設基準に適合する医療機関」以外で行われた場合は、保険金の支払対象となりません。

厚労省の定める「施設基準」をみると、先進医療を受けられる医療機関は全国に数える程しかないことがわかります。

たとえば、重粒子線治療に関しては、千葉・兵庫・群馬・佐賀の4県の医療機関、陽子線治療に関しては、千葉・兵庫・静岡・茨城ほか、計9道県というように、医療技術ごとに承認を受けた医療施設が限定されているのです。

【2.先進医療の採用は医師の専権事項】
たとえば重粒子線治療が、その患者のがんの症状に適しているかどうかは医師が判断します。

「私は先進医療特約に加入しているから」などと患者がいくら訴えても、治療方法を決めるのは担当医だということです。

【3.がん保険における免責事項】
がん保険に付帯された先進医療特約については、契約後90日の間にがんと診断確定された場合には保険金支払の対象とならない旨を定めるのが一般的です。

仮に先進医療が採用された場合でも、契約後90日以内に発症したがん治療の場合には給付の対象外となります。

この特約、結局いるの?いらないの?

以上のように、先進医療保険金が給付されるケースは極めて限定的です。

だから、月々100円程度の保険料で2000万円を保障、などという設計が可能なのでしょう。

続々と登場した先進医療特約ですが、消費者に新奇性をアピールすることを狙うあまり、実際にはほとんど給付が起こらないような特約です。

先進医療特約は付けておいた方が安心ですが、上記のような「保険の実態」は必ず理解しておくようにしましょう。


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