【キャッシュレス決済調査】利用シェアNo.1の「PayPay」、選ばれる理由とは?

調査背景
    キャッシュレス決済の普及で乱立する“〇〇ペイ”ですが、電子決済サービス各社が利用者の獲得で競う中、登録ユーザー数3000万人突破、利用シェアNo.1(2020年8月時点)の「PayPay」はなぜこれほどの支持を集めているのでしょうか。

    まねーぶの調査ページ「まねーぶ調べ」では、全国のPayPay利用者に意識調査を行い、多くの人に選ばれる理由や今後PayPayに対する期待や望みの声を明らかにし、まねーぶディレクターの最上天晴が総評しました。

調査回答者の属性(n=100)

調査対象:全国20代~60代PayPay利用者100人

  • 性別:男性34.0%/女性65.0%/未回答1.0%
  • 年代:20代22.0%/30代35.0%/40代25.0%/50代16.0%/60代2.0%
  • 婚姻・子供:未婚・子なし41.0%/未婚・子あり2.0%/既婚・子なし16.0%/既婚・子あり41.0%
  • 職業:正社員37.0%/契約社員・嘱託社員4.0%/派遣社員1.0%/パート・アルバイト16.0%/フリーランス・業務委託3.0%/自営業・自由業8.0%/専業主婦(主夫)23.0%/学生2.0%/無職6.0%
  • 世帯年収:100万円未満5.0%/100万円以上~150万円未満6.0%/150万円以上~300万円未満14.0%/300万円以上~500万円未満34.0%/500万円以上~700万円未満21.0%/700万円以上~1,000万円未満16.0%/1,000万円以上4.0%

調査1:PayPayを利用前と利用後の意識変化

PayPayを選んだ利用前(選んだ理由)と利用後(使ってみて良かった点)はともに「使えるお店が多い」が1位

全国20代〜60代のPayPay利用者100人にPayPayに関する意識調査をしたところ、PayPayを選んだ理由(利用前)は、「使えるお店が多い」が60人で最も多く1位となり、2位は「ポイント還元率が良い」50名、3位は「登録が簡単そうだと感じた」37名と続きました。
PayPayを使ってみて良かった点(利用後)では、1位「使えるお店が多い」75名、2位「ポイント還元率が良い」39名と上位2項目は利用前と同じ結果であり、3位は「支払時がスムーズになった」24名という内容でした。
利用前・利用後ともに使えるお店が多いことが選ばれる理由として明らかになりました。

調査2:PayPayの利用店・サービス

PayPayの利用先は、「コンビニ」、「ドラッグストア」、「スーパー」などの日常的な買い物が多い

PayPayの利用店・サービスについては、1位が「コンビニ」で72人と最も多く、2位が「ドラッグストア」で53人、3位が「スーパー」で50人と続き、日常生活における様々な店や用途での利用が伺えます。
一方で、「ファッション店」、「百貨店」、「交通(電車、タクシー等)」、「税金支払」の回答者はそれぞれ1人という結果となりました。日常的な買い物以外のお店やサービス、地方公共団体などでは、まだまだPayPayの利用可能範囲が広がっていないことがが考えられます。

調査3:PayPay単独利用?他電子マネー併用?それぞれの利用者の声(使い分け方法・今後の期待)

PayPay利用者の6割以上が「他の電子マネーと併用している」、利用者の満足・不満別の声

PayPay単独で利用しているか、他の電子マネーと併用しているかについては、「PayPayのみ利用している」が38%、「他の電子マネーと併用している」が62%という結果でした。都心部以外での利用可能店がまだまだ多くない点や、ポイント還元率への不満から、他の電子マネーと併用してよりお得な使い方を意識していることが伺えます。

PayPay利用者の満足・不満の声を「単独利用」と「併用利用」別にご紹介します。

PayPayを単独で利用している人の満足の声

キャッシュレス決済の中でもキャンペーン等たくさんあり、ポイント還元率や使用できる店鋪数も多いのでとても使いやすく利用しています。特に私はyahooショッピングをよく利用するので組み合わせるとポイント還元率が大幅にアップするので有難いです。(30代男性)
はじめは支払う時に勝手がわからなかったが、慣れるとすごく手軽に支払いできて便利だと思いました。PayPayにもポイント運用の機能があったらいいと思いました。Tポイントやネオモバでは、端数のポイントなどを利用して小さな単元から株を購入したり、少額から気軽に資産運用することができるからです。(30代女性)

PayPayを単独で利用している人の不満の声

観光などで地方に出かけた時などには、PayPayが使えない店が非常に多く非常に困りました。都心部などの栄えた地域だけでなく、田舎などでも使えるようにさらに使えるお店を増やしてほしい。(30代男性)
他者から送金されたペイペイ残高も口座に出金できるとありがたい。毎月折半する生活費を旦那のPayPayに送金、旦那がまとめて口座に出金する流れを考えていたが私から送金した残高だと口座に出金が出来ないと分かり残念でした。夫婦や家族間でのやりとりが円滑になるようなサービスがあればうれしいです。(20代女性)
PayPayと言う名前があまり好きではなくて支払いの時に「PayPayで支払います」と言うのが恥ずかしい。だから最近では何も言わないでスマートフォンのPayPayアプリの支払いの画面にしておいてそれを無言で差し出してます。(40代男性)

他の電子マネーと併用している人の満足の声

PayPayに対応しておらず、他の電子マネーに対応している場合はそちらを使います。第一候補がPayPayという使い方です。ボーナス運用を利用しているので、へそくり感覚で増えていくのを楽しみにしています。(40代男性)
基本的にはペイペイを利用している。本当は楽天ポイントを貯めたいので楽天ペイを使いたいが、現状利用できる店舗が少なく、ペイペイに頼り切っている状況。当初のようなキャンペーン(100億円還元キャンペーン)がもっとあればよいのにと思うことも多い。(20代男性)

他の電子マネーと併用している人の不満の声

PayPayは使える店が多いですがお店の従業員(特に高齢者が多いお店)でPayPayの操作を理解していない店舗が多々あり、使う時に時間がかかる場合がよくあります。広く世間に名前は認知されていても実際に使う人は少ないのかと思ってしまいます。(40代女性)
auPayが使えないお店ではPayPayを使っています。auPayのポイント還元率の方がいいので、どうしてもPayPayより利用頻度が高くなります。0.5%の還元率は少し低く感じるので、最低ラインを1%にしてほしいです。(30代女性)
他の電子マネーの残高と比べて使います。クーポンを提示する場合、レジでのスマホ操作が何段階も必要で手間取るのが嫌です。また、QRコードをスキャンして自分で値段を入力しなければならず、間違えないよう何度も確認するため、時間と労力が必要で不便です。(50代女性)

総評

最上天晴
最上 天晴
まねーぶディレクター
PayPayは加盟店数が220万箇所を突破していて(2020年4月時点)、非常に使い勝手がよいのが魅力です。「PayPayを選んだ理由」、「使ってみて良かった点」ともに1位が『使えるお店が多い』だったのも、納得の結果です。

ただキャッシュレス決済の最大の特徴といえるポイント還元率については、2019年・2020年に連続して大幅な引き下げが行われました。PayPayのポイント還元率は2019年9月までは3%だったのですが、2019年10月に1.5%、さらに2020年4月からは0.5%に変更され、高還元という「旨味」は薄れてしまいましたね。
他の電子マネーと併用している人が60%を越えているのは、ポイント還元率の変更が原因であると考えられます。

ポイント還元率が低くなってしまったとは言え、PayPayは魅力的なキャンペーンを多数行っていますので、利用しないテはありません。たとえば2020年9月現在ですと、公共料金や税金をPqyPayで払うことで、PayPayボーナスが0.5~1.5%付与されるキャンペーンなどがあります。

自分のライフスタイルと合わせて、他のキャッシュレス決済と組み合わせていくことで、PayPayを賢く利用することができるといえるでしょう。
プロフィール
株式会社GV・メデイアディレクター。
クレジットカード・電子マネーの専門家。

早稲田大学卒業後、日之出出版、扶桑社、主婦の友社で20年に渡り、雑誌・書籍の編集に携わる。
2012年に主婦の友社を退社し、株式会社GVのメディアディレクターに就任。

クレジットカードや引越しをはじめ、様々なジャンルのメディアを立ち上げた。電子マネー、クレジットカード、カードローンなどが高度に複雑化しているにもかかわらず、一般ユーザーに分かりやすい情報を提供するWEBメディアがないことを危惧。ユーザーファーストなお金のWEBメデイアとして「まねーぶ」を2018年に立ち上げる。
クレジットカード、電子マネー、カードローンなどお金周りの情報に強いが、特にクレジットカードと電子マネーの情報に精通している。クレジットカードや電子マネーへの深い知識を活かして、専門家プロファイルでクレジットカードの専門家として活動、オンライン講座「あなたにピッタリのクレジットカードの選び方」も定期的に開催している。
調査概要
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査期間:2020年8月28日~2020年9月4日
  • 調査対象:全国20代~60代PayPay利用者100人
  • 調査結果は小数点第2位以下を四捨五入しているため、合計値は必ずしも100とはなりません。
  • 調査資料は調査期間時点における回答結果に基づいて作成されたものですが、情報の正確性・完全性を保証するものではありません。

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