結局、がん保険は加入するべきなの?ネットの口コミ・比較は本当?
がん保険は一般の医療保険より多岐にわたる保障内容がウリ
がん保険は、がん(悪性新生物)に特化して保険給付を行う生命保険契約であり、
その保障内容は通常の医療保険より多岐にわたっています。
たとえば、
-がんと診断された段階で「がん診断給付金」として一時金(100万円など)が支払われる
-再入院や転院などで通算の入院日数がほかの疾病にくらべ、長期化するケースに備え、入院給付金の支払対象となる入院日数を長期ないし無制限とする
-入院給付金とは別に「手術治療」「放射性治療」「抗がん剤治療」「がん先進医療」などの各種給付金が支払われる
などの特徴があります。(保険会社によって異なります)
日進月歩の医療技術に適応したがん保険を選びましょう
医療技術の進歩により、がんの早期発見やそれに伴う入院日数の短期化がもたらされています。
この事実をがん保険の給付という視点から見れば、「入院1日あたり○万円」といった入院給付金の支払をメインにしたがん保険(ほんの10数年前までは、こういったものが主流でした)については、いざというときに「なんだ、思ったより支払いが少ないぞ」ということになりかねない、ということを示しています。
「よかったですね。日帰り手術で、あとは通院でかまいませんよ」といったケースで、
支払額をめぐり保険会社との間でトラブルとなるケースもあるようです。
このようなトラブルを回避するために、通院保障や高度先進医療給付の充実した
がん保険を選択するのもひとつの方法です。
がんの治療目的で所定の通院をした時に給付金を受け取れる「がん通院給付金」(名称は保険会社によって異なります)は、「入院給付金の対象となる入院をして、退院後180日以内にがんの治療を目的として通院したとき」といった条件で給付が行われることが一般的です。
保険金・給付金が支払われないケースに注意
ただし、がん保険の通院保障には「通院だけで給付の対象となるがん保険」もありますので、
よく確認しておく必要があります。
がん診断時に給付される一時金(「がん診断給付金」等)に関しても、
いわゆる「上皮内がん」の段階で発見されたケースにおいては、
保険会社によって支払額に差があるので注意が必要です。
保険会社によっては「上皮内がん」の場合には、「がん診断給付金」を満額支払わずに、
その10%、あるいは50%とするケースがあります(100%給付する保険会社もあります)。
また、がんは再発する可能性のある疾病ですが、再発時にもはじめと同じ
給付金支払があるかというと、そうではないケースが一般的です。
ある保険会社の基本契約では再発時に「がん診断給付金」は給付されません。
ただし、「長期療養特約」に加入しておけば、はじめの給付から5年を経過した後の
再発であることを条件に給付があります。
この「再発までの経過年数」に関しては、保険会社によって差があり、
1年ないし2年経過すれば基本契約において給付をする会社もあります。
「がん先進医療給付金」などの名称の給付金に関しても、支払条件はよく確認すべきです。
例えば、大手生命保険会社のホームページにはこのような掲載があります。
「手術給付金または放射線治療給付金は被保険者受療時点において、厚生労働大臣が『先進医療』と認める医療技術・適応症・実施する医療機関に該当している場合にお支払いの対象となります。(中略)
厚生労働大臣が定める先進医療は随時見直しされます。それに伴い、手術給付金または放射線治療給付金の『お支払いの対象となる先進医療』についても変更となることがあります。」
つまり加入時点では給付金支払対象となる治療内容が確定していない、ということです。
これを保険会社の立場からいえば、「将来、どのような『先進医療』がどの程度開発され、それを受ける加入者がどの程度出るか」不透明なので、保険料はそれらを見込んで一定安全めに設定せざるをえないということになります。
ですので、保険料の高い安いは、あくまでも支払条件をよく確認したうえで
判断すべきということになります。
いつ加入する?加入するなら早いほうがいい?
保険金が支払われるためには、保障の対象期間内にがんになる必要があります(当然ですね)。
国立がん研究センターの統計結果等では、確かにがんは最大の死因なのですが、
特に男性の場合には、がんにかかるのは圧倒的に高齢者です。
たとえば50歳の男性が60歳までにがんにかかる確率は…およそ5%です。
それより若い年代だと確率はもっと低いわけです。
そう思えば、保険料が多少高くても、保障期間は「終身」を選ぶべきでしょう。
最近では「がんになった経験がある」人でも加入できるがん保険も発売されていますが、
加入時や保険金支払時に条件がついたり、掛金の水準が(当然ですが)高めに設定されていたりします。
一方、女性に関しては、年齢にかかわらず発症する子宮けいがんなどの
女性特有のがんがありますので、男性よりも早期加入の必要性が高いといえるでしょう。