カードローンの遅延損害金と延滞してしまった時の対処方法

カードローンの返済に遅れそうな人、遅れてしまっている人はカードローン会社へ連絡をして自分の状況を伝え、相談してください。

カードローン返済日に支払いが遅れてしまうと、遅延損害金が発生します。

しかし実際のところ、遅延損害金がいくら位かかるのか、そもそも延滞した時はどうすればいいのか、という疑問を持っている方は多いでしょう。

そこでこの記事では、遅延損害金についての疑問を解決するために

  • 遅延損害金はいつ発生するのか
  • 遅延損害金の計算方法について
  • 支払いを遅れたままにするとどうなってしまうか

以上の点について解説していきます。

この記事を読めば「カードローンの遅延損害金と、延滞してしまった時の対処法について理解が深まると思いますので、ぜひ最後まで読んでみて下さい。

カードローン返済に遅れると遅延損害金が発生

カードローンの返済日に一日でも遅れてしまうと、遅延損害金を支払わなければなりません。

延滞損害金とは?簡単に言えば支払いに遅れてしまった際の延滞料のことです。
延滞料のため、支払い日を過ぎた一日目から、遅延損害金として一定の金利が課せられます。

延滞損害金については、実際の借入利息とは別に規定されているもので、の民法420条で明確に規定されている正当なものです。

民法420条

1.当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる。

2.賠償額の予定は、履行の請求又は解除権の行使を妨げない。

3.違約金は、賠償額の予定と推定する。

引用:「神戸合同法律事務所

延滞損害金については、あらかじめローン契約の際に明記しておく必要がありますので、自身の延滞損害金について知りたい場合は、ローン契約の明細を確認してみると自分の契約に対する遅延損害金が分かります。

延滞損害金の上限は法律で決まっている

延滞損害金は、利息制限法の第4条によると、利息の1.46倍まで請求することが出来るとされています。

利息制限法では100万円以上の借入の上限金利が15.0%となっています(15.0%の金利に関しては規定がありません)。

この15.0%を1.46倍にすると21.9%となり、利息制限法上では延滞損害金の上限は21.9%になる計算となります。

しかし、貸金業法の改正により延滞損害金は「実質年率20.0%が上限」と規定されたため、現在では借入に関する延滞損害金は全て20.0%以下となっています。

大手消費者金融カードローンと、大手銀行カードローンの遅延損害金の利率を提示しますので、参考にしてみて下さい。

大手消費者金融カードローン遅延損害金

会社名遅延損害金利率通常利率
プロミス年20.00%4.5%~17.8%
アコム年20.00%3.0%~18.0%
アイフル年20.00%3.0%~18.0%
SMBCモビット年20.00%3.0%~18.0%

大手銀行カードローン遅延損害金

会社名遅延損害金利率通常利率
三井住友銀行年19.94%1.5%~14.5%
みずほ銀行年19.90%2.0%~14.0%
楽天銀行年19.90%1.9%~14.5%
三菱UFJ銀行年1.80%~14.60%

※借入時と同じ金利が適用されます

1.8%~14.6%

遅延損害金は、支払に遅れた延滞料であるため、一般的に通常の利率より遅延損害金の方が高い利率設定となっています。

支払いに遅れれば遅れるほど負担が大きくなりますので、注意する必要があります。

遅延損害金の計算方法

返済を遅延した時に発生する遅延損害金は、実際いくらかかるのか、遅延損害金の計算方法をプロミスで50万円借りた場合を例にして説明していきます。

遅延損害金は以下の計算式を用いて算出することが出来ます。

借入元金×遅延損害金利率×延滞日数÷365日

例えば、プロミスで50万円を借りて1ヶ月間(30日)支払いを延滞してしまった場合は

500,000円×20.00%×30日÷365日=8,219円

8,219円の遅延損害金を支払う必要があります。

1日支払いを遅延するごとに273円増えていく計算です。

ここで注意したいのが、遅延損害金は通常の利息に上乗せされて計算されるという点です。

    プロミスで50万円を借りた通常の利息は

    500,000円×17.8%×30日÷365日=7,315円

    となるため、仮に1ヶ月間支払いに遅れてしまった場合には

    7,315円+8,219円=15,534円

    の利息を支払う必要があります。

遅れれば遅れるほど通常利息に加算して遅延損害金がかかってしまうので、なるべく早く返済をすることが大切です。

遅延損害金の支払い方法

遅延損害金は、返済をした金額から遅延損害金分差し引かれます。

そのため、延滞日が長引く程カードローン利用の元金に充てられる金額が減ります。

プロミスを例に説明していきましょう。

返済額を把握する

まず、プロミスの月の最低返済額を把握する必要があります。

【プロミスの月最低返済額①】

借入残高返済金額返済回数
30万円以下借入後残高×3.61%
(1,000円未満切り上げ)
~36回
30万円超~100万円以下借入後残高×2.53%
(1,000円未満切り上げ)
~60回
100万円超借入後残高×1.99%
(1,000円未満切り上げ)
~80回

以上がプロミスの最低返済額の計算方法となっています。

借入残高に応じた返済額を分かりやすくしますと、以下のようになります。

【プロミスの月最低返済額②】

借入残高最低返済額
1万円~2万円以下1,000円
3万円~5万円以下2,000円
9万円~11万円以下4,000円
20万円~22万円以下8,000円
48万円~51万円以下13,000円

プロミスで50万円借りた場合、最低でも月額13,000円の支払があれば問題ありません。

    プロミスで50万円を借りて10日間支払いに遅れた場合は

    500,000円×20%×10日÷365日=2,739円

    の遅延損害金がかかり、通常利息と併せると

    7,315円+2,739円=10,054円

    の支払利息が発生します。

    最低返済額が13,000円のため

    13,000円(最低返済額)-10,054円(利息+遅延損害金)=2,946円(元金支払い分)

    となり、元金の支払いはたった2,946円しか行われません。

13,000円支払ったものの、500,000円の借金は497,054円にしか減っていないということです。

それだけ遅延損害金の支払いは負担が大きいため、元金が減らず、支払いに遅れれば遅れるほど元金の支払い分が遅れていきます。

遅延損害金が発生すれば、そもそも支払がきつくて借金を返せない人が更に借金を返せなくなる可能性が高くなります。

通常利息も元金残高に対してかかりますので、元金が減らなければあわせて通常利息も増え続けるという点に注意が必要です。

プロミスだと通常利息が17.8%のため、年間20.0%(実質年率)の遅延損害金があまり大きな金額ではないと感じる人も多いですが、遅延損害金という性質をしっかり把握することで重要さに気が付けるでしょう。

返済を延滞したらカードローン会社へ連絡

カードローンの返済が間に合わずに遅れてしまう人は、カードローン会社へ連絡をして下さい。

カードローン会社へ連絡することで

などの効果が期待出来ます。

「恥ずかしい」「気まずい」「怒られるのは嫌だ」など様々な気持ちがあると思いますが、カードローン会社にとって一番嫌なのは連絡がなく支払いを放置されることです。

支払う意思があればカードローン会社も柔軟に対応してくれますので、一度相談されることをおすすめします。

支払う意思が分かる

カードローン会社にとって借入した人が「支払う意思があるか」は重要なことです。

1回で数日程度の支払であればそこまで大きな問題とはなりませんが、これが常態化してくると「他社借入が増えていないか」「返済能力が落ちていないか」など必要以上に疑われる可能性があります。

その上支払いを認識していないとなると

返済方法を伝えてくれる

支払に遅延した時は、通常の返済方法と違う場合があります。

考えられる返済方法は

・口座振替
・銀行振込
・ATM返済

などが考えられます。

指定された返済方法ではない方法で返済しても、支払いが完了しない恐れがあります。

支払いが完了しなければ、いつまでもも遅延損害金がかかってしまいます。

支払に遅れた段階で確実に連絡をして「いつ」「どのような方法」「いくら」返済をする必要があるのかを正確に聞いておきましょう。

一時的な減額や返済のタイミングをずらしてくれる可能性がある

カードローン会社に連絡することで、一時的な減額や、返済のタイミングをずらすなど何かしらの対応がとられる可能性があります。

これは連絡しなければ基本的に取られない措置なので、どうしても支払いがきつい状況にある場合などは、恥ずかしがらずに一度相談することをおすすめします。

カードローンの延滞放置は絶対に避ける

カードローンの延滞を放置すると、遅延損害金がかかること以外にも

などのリスクが考えられます。

個人信用情報への登録

支払に遅延している情報は数日程度なら問題ないと書いているネットの記事が多いですが、遅延情報は1日の遅延でも”個人信用情報へ登録”されています。
正確に言えば、支払い日から数えて何日間支払いに遅れたという情報が記載されているだけで「延滞者」としては登録されてはいないため、影響がないと誤解されているだけです。

実際数回の延滞でも、銀行ローンは審査に影響が出ますので注意が必要です。

仮に延滞者として個人信用情報に傷が付くと、今後5年間は新たな借入が出来なくなります。いわゆる金融ブラックです。

支払い2ヵ月以上(61日間)放置した場合に延滞者として登録されますので、注意が必要です。

【信用情報の登録期間】

信用情報掲載条件CICJICCKSC
61日以上の延滞5年5年5年
債務整理(任意整理・個人再生・特定調停)5年5年5年
代位弁済記載方法無し5年5年
強制解約記載方法無し5年5年
自己破産7年5年10年

延滞は、債務整理した場合を同じ期間事故情報として登録されるほど重いものです。

金融ブラックになってしまうと、クレジットカードでさえ新規に作ることが出来なくなります。もちろんマイカーローンも住宅ローンも組めません。

強制解約

カードローン会社にとって一番重要なのは「借りた分はきっちり返してもらう」ということであり、それが出来ないと分かれば「強制解約」となります。

強制解約とは、現在のカードローン契約を一方的に解除されることです。

新たな借入は出来なくなる上、現在の借入残高を全て一括で返すように求められることがあります。

数回の支払いを延滞する方に一括の返済は難しいので、家族や会社に頼るしかなく、最悪の場合は自己破産するしかなくなります。
自己破産する前に、カードローン会社に連絡をして、どのように対応をすればいいか確認することが大切です。

今後延滞した金融会社からの借入が出来なくなる

支払いを長期延滞して金融事故を起こしてしまった場合、仮に5年経過して個人信用情報の登録が消えたとしても、半永久的に延滞した金融会社からの借入は出来なくなります。

例えば、プロミスで金融事故を起こした場合、5年間事故情報として登録されます。5年後情報が消えれば、アコムやアイフルなどで新たに借入出来る可能性はありますが、プロミスではまず借入することは出来なくなります。

これは、各金融会社が個人信用情報とは別に独自に余裕している情報です。これは半永久的に保持されるので、今後プロミスで借入することは出来なくなるということです。

職場や家族へ連絡、裁判になることも

支払に遅れた場合、一般的に自宅に督促状が届きます。借入人のプライバシーを考慮して親展で送られてきたり、担当者の個人名で送られてきたりしますが、普段見ない封書のため、家族にばれる可能性は高くなります。

また、支払いを放置して連絡が取れない場合は、最後の手段として職場に連絡がいく可能性もあります(一般的に個人名でかかってきます)。

それでも連絡が取れず支払が放置される場合は、裁判所から内容証明郵便が届いて民事訴訟に発展する可能性もあります。裁判に発展する前には必ず連絡をして、ご自身の収入から、支払いが出来るように分割長期で対応してもらえるように交渉しましょう。

今後延滞しないために返済計画をしっかり立てる

カードローンの支払いに遅れただけで・・と思う人も多いかもしれませんが、カードローンの支払いが出来なくなる方は、そもそも収支のバランスが取れていない無計画な借入をしている可能性が高いです。

今後延滞をしないために、しっかりとした返済計画を立てましょう。

まず、自分の収入がいくらかを把握して、そこから「家賃」「水道光熱費」「通信代」「食費」「交通費」など絶対に必要になる費用を差し引いて、余った金額で返せる範囲で借入することが大切です。

もし、バランスが合っていないのであれば、収入を増やすか支払いを減らすかしかありません。

支払いを減らしても限界がある場合は、借金の返済額を減らすしか方法はありません。

借金の返済額を減らすには

返済額を減らす方法

1.おまとめローン
2.債務整理

のいずれかの方法が考えられます。

おまとめローンの審査が通らなかった場合は、任意整理などの債務整理も検討して、収支のバランスを整えることが大切です。


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