独身の人に医療保険は必要なの?
独身の場合、「保険」と言われてもピンとこないという人も多いのではないでしょうか。
養っている家族がいないからといって保険が不要というわけではありません。
いざというときに後悔しないように、独身の場合でも保険に加入すべきかは一度考えておきましょう。
独身の人は、はじめに「医療保険」を考えることがおすすめです。
独身のうちは、高額な死亡保障は不要!
医療保険の必要性についてお話しする前に、まず死亡保障について考えてみましょう。
保険は大きく分けて「死亡保障」と「医療保障」に分けられます。
死亡保障というのは、被保険者(保険に加入した人)が死亡した場合に保険金が受け取れるものです。
契約時に定めた一定期間のみ保障される定期保険と一生涯保障される終身保険に分かれます。
独身の場合には、大きな死亡保障は必要ありません。
高額の死亡保障を用意しておく必要があるのは、あなたの収入で生活を支える家族がいる場合です。
まだ独身であるなら、あなたが死んでしまった時の葬儀費用をまかなうことができる分だけの保障があれば充分でしょう。
なので、死亡保障の生命保険に加入するとしても、200万円程度の保障が受けられるもので十分でしょう。
ある程度まとまった貯蓄がないうちは、死亡保障の保険に加入するよりも、先に加入すべきは医療保険です。
医療保険がどうして必要なのか?
医療保険とは、不慮の事故やケガなどで入院することになってしまった場合に保障が受けられるものです。
生命保険文化センターによると、35歳における死亡率は1000人あたり男性が0.75人、女性が0.43人となっています。
数字で見るとわかりやすいですが、若くして死亡する可能性はかなり低いです。
一方、入院するほどの病気にかかる確率も低くなっています。
けれども、医療保険の加入をおすすめする理由が3つあります。
若いうちは預貯金が少ないから
入院する可能性が低いとはいえ、実際に入院すると、いろいろと出費がかさみます。
病気になる確率が低くても、日常生活でケガをしてしまう可能性は誰にでもあります。
治療費に健康保険も適応できますが、差額ベッド代や日用品などは自己負担です。
預貯金があまり多くない若いうちは、医療保険に加入していれば、これらの費用をまかなうことができます。
入院中の収入減を補てんするため
入院すると、仕事を休むことになってしまいます。
入院の原因や会社によっては、傷病手当金や休業補償を給付してもらえることもありますが、収入は落ちます。
さらに、これらの受給対象でない人は入院中無給になってしまいます。
一人暮らしであれば、入院中も入院費用だけでなく、家賃や固定費などの生活費を払い続けなければいけません。
短期入院で退院できるケガや病気ならまだしも、がんが見つかった場合は治療が長引く可能性もあります。
もし、医療保険の月々の負担が重い場合は、掛捨ての安いがん保険だけでも契約しておくといざという時に安心です。
運動でのケガも保障されるから
独身で若いうちは、休日に出かけたり友人とスポーツをする機会も多いでしょう。
その運動中に骨折をして入院することになってしまったなどという場合、医療保険に加入していれば保障が受けられます。
これらの理由があるので、死亡保障よりも優先して医療保険の加入を検討するべきなのです。
医療保険の保障内容
医療保険と言っても、入院特化型や通院特化型の商品など保障内容は様々です。
ここでは医療保険の中でもバランスが良く、人気の高いオリックス生命の「新キュア」で保障内容を確認してみます。
オリックス生命「新キュア」の保障内容
医療保険に加入する場合には、いくら給付金がもらえるようにするかを考える必要があります。
新キュアを例に見てみましょう。
まずは、基本保障です。
日額10,000円コースと日額5,000円コースの2つに分かれています。
生命保険文化センターによると、35歳における死亡率は1000人あたり男性が0.75人、女性が0.43人となっています。
入院日額10,000コース | 入院日額5,000円コース | |
疾病入院給付金 災害入院給付金 | 日額10,000円 | 日額5,000円 |
手術給付金 | 入院中20万円 外来 5万円 | 入院中10万円 外来 2.5万円 |
先進医療給付金 | 先進医療にかかる技術料実費を通算2,000万円まで |
基本保障として、入院給付金、手術給付金、先進医療給付金がついています。
入院給付金では日帰り入院から保障してもらえます。
また、手術給付金は何度でもOKとなっており、手厚い保障になっています。
次に、オプションでつけられる特約がこちらです。
入院日額10,000コース | 入院日額5,000円コース | |
重度三大疾病一時金特約 | 1回につき100万円 | 1回につき50万円 |
がん一時金特約 | 1回につき100万円 | 1回につき50万円 |
がん通院特約 | 日額10,000円 | 日額5,000円 |
重度三大疾病一時金特約は、がん、急性心筋梗塞、脳卒中で所定の状態になった時に給付されます。
また、がんのみに備えたい場合は、がん診断給付金がもらえるがん一時金特約がおすすめです。
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保障内容と保険料を比較してみよう
「新キュア」の場合、日額5,000円または10,000円のどちらかを選ぶタイプになっています。
30歳男性が加入した場合の保険料は下記のようになります。
入院日額10,000コース | 入院日額5,000円コース | |
基本保障のみ | 3,052円/月 | 1,582円/月 |
充実プラン | 6,782円 | 3,477円/月 |
入院・手術・先進医療に備える基本プランだと、月々約1,500円で医療に対する保障を持つことができます。
これなら貯蓄がない間のカバーとしても負担が少ないですね。
公的制度を使おう
健康保険には、「高額療養費制度」という制度があります。
これは、1か月の間にかかった医療費が収入額に応じた一定額を超えると、申請すれば自己負担した医療費が還付されるというものです。
年収が約370万円までなら自己負担限度額は57,600円、
年収が約770万円までなら自己負担限度額は8万円強になります。
一か月の医療費総額がたとえ100万円だったとしても、自己負担限度額を超えた分に関しては高額療養費が支給されるのです。
若いうちは収入がまだ多くないので、高額療養費が適用される自己負担上限額も低くなっています。
つまり、収入が多い人よりも手厚い保障が受けられるようになっているのです。
それならば、わざわざ高額の保障が受けられるようにしておく必要はありませんね。
ただし、個室などでの入院を希望した場合にかかる差額ベッド代は、高額療養費の対象とはなりません。
「絶対に、1人部屋でないと嫌だ」と考えている人は、その分に備えておける程度の保障を選ぶべきでしょう。
貯蓄型の医療保険は生活に余裕ができてから
医療保険は一般的に、「掛け捨て型」ですが、高齢になってからまとまったお金を受け取ることができる「貯蓄型」のものもあります。
ですが、まだ若い独身の方であれば、月々の保険料が高額になる貯蓄型の医療保険に入るのは見送った方がいいでしょう。
将来家庭を持つようになると、医療保険よりも、死亡保障の優先度が高くなることがあります。
そのときに、加入している貯蓄型の医療保険を解約しようとすると支払った保険料に対してほんの少しだけしか解約返戻金(医療保険での貯蓄にあたる部分のお金)は返ってきません。
そうなると、掛け捨ての医療保険よりもずっと高い医療保険に加入していたことになってしまいます。
貯蓄のない独身時代に加入する医療保険は「掛け捨て型」がおすすめです。
また、医療保険に加入してもまだ余裕があり、他の保険にも入っておきたいという場合は、ガン保険や個人年金保険などがおすすめです。
若いうちにかかるがんは進行が早いため、いろいろな処置が必要になるかもしれません。
普通の医療保険ではまかないきれない部分を補うことができるでしょう。
個人年金保険は、将来に備えて保険という形で貯蓄する方法です。保険料を積み立てて、将来、年金として受け取ります。
生活に充分な余裕があるのであれば、個人年金保険に加入することで、老後の準備をすることができます。