保険料が全額タダになる!?評判のメディカルキットRは本当に得する医療保険なのか
メディカルキットRは
こんな人におすすめ!
掛け捨ての医療保険は嫌!という人
払込んだ保険料のうち使わなかった分は全額返還される
貯蓄を兼ねた手厚い保障を持ちたい人
掛け捨ての医療保険と組み合わせで持つことで、手厚い保障を確保しながら貯金もできる
掛け捨てではない新しい医療保険
メディカルKit Rには、「健康還付給付金」というものがあります。
これは、契約時に定めた所定の年齢に達したときに、それまで支払った保険料総額から給付を受けた保険金を差し引いた差額が還付されるというものです。
つまり、「所定の年齢までの保険料は掛け捨てではない」ということになります。
例えば、30歳男性の場合、入院日額5,000円で所定の年齢を70歳とするタイプであれば、毎月の保険料が2,880円になります。
この場合、70歳になるまでの40年間の保険料総額は、
2,880円×12か月×40年=1,382,400円
となります。
70歳までに保険金を受け取っていない場合は1,382,400円全額が、受け取っている場合は1,382,400円から受け取った保険金額分を差し引いた残額が、健康還付給付金として返ってくる仕組みです。
そして70歳以後は、それまでと変わらず1か月2,880円という安い保険料で一生涯保障を受けることができます。
最低限の入院保障も完備
メディカルKit Rは、医療保険の基本的な保障はしっかりついています。
入院給付金は日帰り入院から保障されています。手術も入院中だけでなく外来の手術も対応しており、放射線治療も保障対象となっています。
ただ、一般的な掛け捨て医療保険などと比べて、保障範囲がせまい点(詳しくは後述)には注意が必要です。
がんなどの3大疾病や女性特有の病気などの保障が必要であれば、別途特約をつけることが必要です。
付加できる特約には、
- がんと診断された場合に保険金が支払われる「がん診断特約」
- 特定の5疾病で就業不能となったときに保障される「5疾病就業不能特約」
- 女性特有の病気に備えられる「女性疾病保障特約」
などがあります。
なお、これらの特約は、所定の年齢になると返ってくる健康還付給付金の対象ではなく、掛け捨てとなります。
同様に、特約によって受け取った保険金は、健康還付給付金を計算するときに差し引きされることはありません。
ちなみに、医療保険の保険料は、生命保険料控除(介護医療保険料控除)の対象になります。
支払った保険料の金額に応じて所得税を減らしてもらうことができるのですが、一般的な家庭の場合であれば 保険料1か月分程度の税金が節約できる計算になります。
入院が少ない健康に自信がある人におすすめの医療保険
一生涯保険料がかかるんですよね?
だが、入院が少ない場合には割安になるぞ。
保険料が安いと評判のオリックス生命の掛け捨て医療保険「新キュア」と保険料・保障内容を比較してみます。
メディカルKit R | 新キュア | |
---|---|---|
保険料 | 3,019円 | 2,187円 |
入院中の手術給付金 | 5万円 | 10万円 |
外来の手術給付金 | 2.5万円 | 2.5万円 |
支払限度日数 | 1入院60日 通算730日 | 1入院60日 通算1,000日 |
先進医療特約 | 通算2,000万円まで | 通算2,000万円まで |
※どちらも30歳男性での金額。
※メディカルKit Rは健康還付給付金の受取年齢は70歳
※新キュアは60歳払済での保険料。終身払いの場合は1,582円となる
やはり新キュアなどの掛け捨て医療保険と単純に比べると、メディカルKit Rは保険料が割高。
しかし「将来使わなかった保険料が戻ってくる」ということも加味するとどうなるでしょうか?
70歳までに保険金を受け取ったら損になる?
受け取った保険金額が平均的(40万円)なパターンと、保険金を全く受け取っていない場合に分けて、新キュアと比較してみましょう。
【パターン1】 70歳までに保険金を40万円受け取っている場合
健康還付 給付金額 | 70歳時点の 保険料総額 | 80歳時点の 保険料総額 | 90歳時点の 保険料総額 | |
---|---|---|---|---|
メディカルKit R | 982,400円 | ※400,000円 | 745,600円 | 1,091,200円 |
新キュア | - | 819,360円 |
※支払保険料総額1,382,400円から健康還付給付金額を差し引き
70歳以降も保険料の支払いは続くから、長生きするほどに負担する保険料総額があがっていくんですね・・・
【パターン2】 70歳までに保険金を受け取っていない場合
健康還付 給付金額 | 70歳時点の 保険料総額 | 80歳時点の 保険料総額 | 90歳時点の 保険料総額 | |
---|---|---|---|---|
メディカルKit R | 1,382,400円 | ※0円 | 345,600円 | 691,200円 |
新キュア | - | 819,360円 |
※支払保険料総額1,382,400円から健康還付給付金額を差し引き
平均程度の額の保険金を受け取っているパターン1の場合では、平均寿命に近い年齢になるとどちらの保険に加入していてもほぼ同じ保険料となります。
しかし、85歳、90歳と長生きすれば、それだけ保険料の負担が大きくなってしまいます。
※ただし、新キュアの終身払いと比べると、保障内容がせまい分だけ保険料総額も割安になる傾向にあります。
一方、70歳までに保険金を受け取っていないパターン2の場合は、その差は一目瞭然です。明らかにメディカルKit Rの方が保険料総額が少なくなっています。新キュアの方が安くなるのは94歳になってからです。
まとめると、次のようになります。
死亡時の年齢 | 70歳代 | 平均寿命程度 | 90歳前後 |
---|---|---|---|
入院が少ない場合 | メディカルKit R | メディカルKit R | メディカルKit R |
平均的な場合 | メディカルKit R | 同じ | 新キュア |
入院が多い場合 | 新キュア | 新キュア | 新キュア |
この結果から、健康で入院が少なくて済みそうな人が加入するならメディカルKit R、入院が多くなってしまう場合や幅広い疾病に備えたいなら別の医療保険を選択した方がいいということになります。
2つの医療保険を組み合わせて、安く手厚い保障にする方法
ということは、入院することが多くなりそうだったら、メディカルKit Rには加入しない方がいいということですか?
実は、医療保険を2つ組み合わせることで、安い保険料で手厚い保障を受けられるようにすることもできるからのう!
差額ベッド代のことなども考えて入院日額を10,000円に設定しようと考えている場合、メディカルKit Rをうまく活用することができます。
メディカルKit Rの5,000円タイプと掛け捨ての医療保険の5,000円タイプの2つに加入して、実質10,000円タイプの医療保険にする方法です。
ここでは、前述の新キュアの5,000円タイプにも加入したとして考えてみましょう。この2つに加入すると、このような医療保険ができあがります。
毎月の保険料 | 5,156円 (2,880円+2,276円) |
---|---|
入院日額 | 10,000円 (5,000円+5,000円) |
手術給付金 | 15万円 (5万円+10万円) |
先進医療給付金 | 通算2,000万円限度 |
健康還付給付金 | 最大1,382,400円 |
新キュアの10,000円タイプ(60歳払済)の場合、毎月の保険料が4,416円なので、それよりは割高になりますが、保険料総額の半分を上回る額が70歳で返還されるのは大きいです。
さらに、裏技があります。
70歳で健康還付給付金を受け取った後、メディカルKit Rを解約してしまいます。
そうすると保険料の払い込みが済んだ新キュアだけが残るので、保険料の支払がなくなります。
「子供が小さい頃など生活費が多く必要なときは、保障を手厚くしたい。老後は生活費も少ないし預貯金もそれなりにあるだろうから、そこそこの保障で構わない」
こう考えるのであれば、この加入の仕方がおすすめです。実際に入院することになってしまった場合でも、新キュアを優先して保険金を受け取っていけば、メディカルKit Rの健康還付給付金の目減りをおさえることも可能です。
このように、単独で加入すると他の医療保険と比べて損をする可能性が高いメディカルKit Rですが、加入方法次第で使い勝手の良い医療保険になります。