失敗しないための保険見直しの手順
保険の見直しといっても、どうすればいいのかわからないという人も多いのではないでしょうか? それに、保険の見直しは、一度してしまうと元に戻すことができません。
たとえ契約内容を元通りにすることができたとしても、最初に加入した時よりも年齢が上がっているので、保険料も高くなってしまいます。
ある意味では「失敗ができない」保険の見直し。
そのときに考えておきたい手順とポイントをまとめました。
その保険、自分に合っているかチェックしてみましょう
最初に、今の加入内容を確認してみましょう。加入している保険証券を出して、特約などもすべて含めた保障内容を紙などに書き出してみてください。そのうえで、次の3点をチェックします。
①保障内容
保障内容が二重になっていたり、不要な保険に加入したりしていませんか?
例えば、終身保険に「医療特約」をつけているのに、それを忘れて「医療保険」に加入してしまっているケースがあります。
医療保険に加入するかどうかを考えるときに確認しておかないといけなかったのですが、「どんな特約に加入していたか」は忘れがちです。
外交員や保険代理店から「こんなプランがおすすめですよ」と言われるままに加入した場合は特に注意です。
もう1つのパターンは、住宅ローンの「団体信用生命保険」に加入していることを忘れている場合です。
住宅ローンの借り手が亡くなってローンの返済ができなくなってしまうのに備えて加入する保険で、多くの場合、住宅ローンを借りるときに契約しています。
これがあれば、住宅ローンの返済に備えて生命保険の死亡保障額をかなり高くしておく必要はありません。
②保険期間
保険期間が長すぎませんか?
子育ての時期と老後とでは、必要な保障内容が変わってきます。
そのため、ライフステージにあわせて保障内容を変更するのが、賢い保険の使い方です。
「安心できるから終身保障」と安易に考えていませんか? 子育て期間に備える保障は、子どもが自立するころまでで充分です。老後に必要のない保障であれば、見直す必要があるでしょう。
③保険料と保険金
保険料の出費が家計にダメージを与えていませんか?
万が一の場合などに備えて保険に加入するのは正しい選択です。
けれども、保険の入りすぎで「保険貧乏」になってしまう人も少なくありません。
老後に備えて貯蓄することも考えると、無理に保険に加入しすぎるのは考え物です。
それに、「貯蓄性が高いから」といって、手厚い終身保険に加入する人もいますが、その保険金は解約しない限り老後の生活に使うことはできません。
必要な保障金額と必要な生活費の両方を考えて、どれくらいの保険に加入するべきか考えてみましょう。
保険以外でもらえる保障を確認しよう
生命保険や医療保険といった民間保険は、国が行う社会保険(健康保険や年金など)による公的保障を補うためのものです。
だから、次のような社会保険の保障内容やその他の保障を知っていれば、民間保険で備えておく保障額を最小限に抑えることができます。
①死亡した場合の保障
遺族年金(遺族基礎年金・遺族厚生年金)、労災保険、死亡退職金など
②障害を負った場合の保障
障害年金(障害基礎年金・障害厚生年金)、労災保険など
③病気になった場合の保障(病院での自己負担分以外のもの)
高額療養費、傷病手当金など
※遺族・障害年金の年金額は年齢・職歴などの条件によって異なります
こういった保障があることを理解していれば、少し保障額を抑えて保険金も節約することができます。
ただし、高額療養費と傷病手当金については注意が必要です。
高額療養費は、1か月の医療費が一定額を超えた場合に、申請すれば自己負担した分の一部を返還してもらうことができる制度です。
しかし、入院した場合の差額ベッド代や食事代、日用品などの雑費はその対象にならないので、その保障が必要であれば医療保険で備えなければなりません。
また、傷病手当金は、病気やケガで仕事ができず給与がもらえない場合に、収入の約3分の2を一定期間保障してくれる制度ですが、これは健康保険の被保険者(会社員や公務員)だけが対象です。自営業者などの国民健康保険の被保険者には傷病手当金がないので、収入保障保険などで備えておかなければなりません。
こういった点に注意しながら、保障額が多すぎないか少なすぎないかを確認しましょう。
例えば、遺族年金が年間100万円程度もらえるのであれば、死亡保険の保険金額を100万円単位で減らすことができます。また、医療保険の場合は、入院した場合に個室を希望しないのであれば、入院日額を数千円程度にするなど最低限の医療保障額で大丈夫でしょう。
必要保障額にあわせて調整しよう
保障期間が途切れないように注意するのが大切じゃ
保障を増やす場合は、増やすタイミングはあまり気にする必要はありません。
ただ、誕生日が近いのであれば、それまでに加入しないと保険料が上がってしまう場合があります。
次に、加入方法です。
方法は、特約で追加するか、新規加入するかの2つあります。もし、どちらでも自分に合った保障を得られるものがある場合、どちらの方法を選ぶのがいいでしょうか。
特約の場合は、保険の管理や保険料の払い込みがまとめられるので簡単だというメリットがあります。
一方、新規加入では加入する保険の種類が増えてしまいますが、細かいカスタマイズがしやすく、より的確にリスクに備えられる保障内容にできるのがメリットです。
では、どんな保険に加入すればいいのでしょうか。
子どもが小さいうちに多額の保障が必要なのであれば、定期保険や収入保障保険。老後に備えるのであれば、個人年金保険や介護特約をつけられる医療保険などがあるでしょう。
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別の保険に乗り換える場合
保障を乗り換える場合は、今ある保険の解約タイミングに要注意です。
いい保険が見つかったとしても、すぐには解約しないようにしてください。
乗り換えて加入したい保険に、健康状態や病歴などの問題で加入できない可能性もあります。その場合は、今までの保険を継続せざるを得ません。
しかし、先に解約してしまうと、その保険を元通りにすることはできません。だから、新しい保険に加入できることがはっきりしてから解約しましょう。
また、保障期間が途切れてしまうことがないように気をつけましょう。
少しでも保険がない時期ができると、その間に何かあったとしても一切の保障を受けることができません。
タイミングによっては、保険がダブってしまう期間ができても仕方がないと考えておきましょう。
もう1つ、方法があります。
解約返戻金がある保険を乗り換える場合、今ある契約を解約した返戻金で別の保険に加入する方法があります。
保障期間を変えずに保険金額を減らす「払済保険」と、保険金額を変えずに保障期間を短くする「延長保険」というものです。
これらは、解約返戻金を保険料に充てるもので、それ以外の保険料の支払いがありません。
この他にも、解約返戻金を新しい契約の保険料の一部に充てる転換制度などもあります。手続きの際は、加入している保険会社に問い合わせてみましょう。
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まとめ
- 保障内容に過不足がないかをチェック
- 社会保険で保障される分は、民間保険で備えておかなくても大丈夫
- 保険を乗り換える場合、保障期間が途切れてしまわないように注意
しかしその分、しっかり考えれば効果も大きいぞ