お金の意識が高い人の約3割が利用「家計簿アプリ」は増税対策や家計見直しの強い味方【実態調査】

金融リテラシーが高い人を対象とした家計簿アプリ利用調査【2019年1月実施】

1. お金に対する意識や資産増加への取組み

まず金融リテラシーが高い男女のみなさんに、お金に対する意識や現在取り組んでいることを自由に記載していただきました。意見は「貯金・節約・投資」の3つの視点に大きくわかれ、貯金・節約について言及した回答者は全体の約7割に及んでいます。一方、投資については49.4%と20pt弱低いスコアとなっており、まずは貯金や節約を通じて資産形成・財産保護を行う意識が高いことが伺えます。

お金に対する意識

<n=178 / 調査全体ベース>

それぞれの視点で、特徴的な声を見ていくと、貯金をするには「まず先取りし、使わないようにする工夫」「目的別に口座や支出金額を分けて管理する」ことが必要だという声が多く見られました。また、節約については「電気代やガス代が高額にならない時間帯を中心とするライフスタイルに自分の生活を合わせる工夫をする」といった声もありました。投資では、家計に影響を与えない程度の金額での投資をコツコツ重ねていく方が多いようです。

貯金

貯金に関しては、シンプルに先取り貯金をして毎月給料日に決まった金額が自動的に貯蓄口座に送金されるよう設定し、使いすぎを防止しています。<20代後半女性/会社員>
普段使い用(生活費)、貯金用の口座に分け、お給料が振り込まれたら貯金用の口座に毎月決まった額を入れて、使わないようにしています<20代後半女性/会社員>
貯蓄分を差し引いた金額で生活すること。想定外の支出(家電の買い替えや冠婚葬祭など)には専用口座に毎月積み立てています。それ以外にも目的別に口座を作っています。普段のお金の出し入れは普通の銀行、貯蓄はネット銀行と使い分けています。<50代前半女性/自営業>
貯金については2年前から生命保険会社の個人年金で月1万円の積立をしているのと1年前から投信積立を月3000円と無理のない範囲で長期的に積立をしています。<20代前半女性/会社員>

節約

電気代は、夜間電力が安くなるプランを選び、夜間電力で蓄熱式床下暖房を利用したり、夜に洗濯機を動かしたりするような生活リズムにしました。<40代前半女性/無職>
クレジットカードをできるだけ利用することで、ポイントが還元されます。その還元されたポイントを通販サイトなどで利用し、欲しいものを購入しています。<20代前半男性/会社員>
節約としては、気になる本があってもなるべくすぐに買わず、フリマサイトに出品されていないか確認したりしています。<20代後半女性/会社員>
不要品はオークションやメルカリを利用して販売し、アンケートのモニター登録やA8サイトでキャッシュバックを利用するなど、コツコツとお金を増やしていくことに成功しました。<30代後半女性/パート>

投資

長期にわたる資産形成とインフレ対策として積み立てNISAでインデックス投資をしています。また、日本の年金制度が不安なのと節税対策でiDeCoもしています。<20代前半男性/会社員>
自宅屋根の太陽光パネルで発電した電気を使っています。売電の分もあるので電気代はかからないどころか、売電収入が年間通していくらかあります。<40代前半女性/無職>
投資に関しては昨年10月から豪ドルに投資しており、年に1回利益還元があります。まだ1年経っていないので実際にどれくらいの利益があるのか想像もつきませんが楽しみです。<20代前半女性/会社員>
投資は少額ですがNISAで株をやってます。優待や配当金があるものを優先して購入し毎日証券会社のHPでチェックしています。優待券で実際に商品を購入したり、株の売買で利益が出たりしているのでやっていて楽しいです。<30代後半女性/会社員>

2. 世帯年収別の銀行・証券口座数

銀行や証券会社といった預金や投資のための口座数は、銀行口座で3.8口座、証券口座開設で1.1口座となっています。世帯年収別に見ても、銀行と証券それぞれで、700万円以上で銀行4.3口座(証券1.6口座)、600万円以上~700万円未満で銀行3.9口座(証券1.0口座)程度と、他の世帯年収レンジと比較しても大きなばらつきはなく、必要に応じてネット銀行などを使い分け、資産を分散させて管理をしている状況が見て取れます。

世帯年収別の銀行・証券口座数
世帯年収別の銀行・証券口座数

<n=178 / 調査全体ベース>※n数が極端に少ないレンジは集約

3. 家計簿アプリの利用状況

続いて、スマートフォンを利用して、収支や財産の管理が行える家計簿アプリの利用状況を聴取したとろ、全体では28.1%が利用をしていました。性別に見ると、女性の利用率がやや高く30.6%、男性では24.3%となっています。金融リテラシーが高い女性では概ね3人に1人が家計簿アプリを利用していると考えられます。

家計簿アプリの利用状況

<n=178 / 調査全体ベース>

家計簿アプリを利用しない理由

スマートフォン家計簿アプリ非利用者のうち24.2%が「紙の家計簿を使用しており、使い続けたい」と考えており、「エクセルを使用する層(9.4%)」と合わせると33.6%が今のままの手段で家計簿をつけ続けたいと考えていることがわかりました。またその他の意見としては、「そもそも家計簿をつける週間がないので利用する意味を感じない(16.4%)」、「家計簿をつけること自体が面倒(10.9%)」などが上位となりました。また、利用しない人の中には「必要な経費や投資をすることさえ罪に感じてしまうのが嫌だ」といった声もあり、自己成長や趣味の満喫といった前向きな投資を阻害しないようにしたいという思いも見え隠れします。

家計簿アプリを利用しない理由

<n=127 / 家計簿アプリ非利用者ベース>

家計簿アプリを利用する理由

家計簿アプリの利用理由トップは「収入と支出の割合をわかりやすく把握するため(62.0%)」が最も多く、ついで「節約のため(16.0%)」「資産の一元管理(12.0%)」が続いています。


<n=50 / 家計簿アプリ利用者ベース>


<n=50 / 家計簿アプリ利用者ベース>

実際に家計簿アプリを利用した層の生活変化に目を向けると「紙でつけるよりも続けやすい」といった声が多く見られました。

以前は紙に使った金額を書くという方法で、家計簿をつけていましたが、合計金額を計算するのが、面倒になり、長く続けられませんでした。アプリを使用してからは、楽で、しかもポイントも貯まるので続けられています。<30代前半女性/専業主婦/収支割合の把握>
収入源が複数あり、管理が煩わしいことがまず一つ目の理由です。また、収支を客観的に捉え、今後の資産運用の道筋を立てるための参考資料として活用したいと考え、家計簿アプリを利用しています。<30代前半男性/会社員/資産の一元管理>
節約する上で、現在の経済状況がわかるように家計簿をつける重要性を感じていました。しかしながら、面倒くさがりで細かいお金の管理が続かずにいたところ、ネットで家計簿アプリのことを知りました。数ある家計簿アプリから我が家では《Zaim》、そして私個人で使うお金は《マネーフォワード》を使っています。zaimに関してはレシートの金額を入力し項目を選ぶことで項目毎・月毎・出金元などのデータ化をしてくれるので、お金の使用状況が非常にわかりやすいです。また、毎月の予算を項目毎に設定できるので、無駄遣いを防ぎやすくなりました。<30代前半女性/専業主婦/節約>

4. 利用している家計簿アプリ

利用している家計簿アプリ

<n=50 / 家計簿アプリ利用者ベース>

各アプリの使い勝手、利用者による口コミ

マネーフォワードME

銀行口座の管理ができるため、給与明細を見せたがらない夫の給料も確認することができて便利<20代前半男性/会社員>

Zaim

レシートの金額を入力し項目を選ぶことで項目毎・月毎・出金元などのデータ化をしてくれるので、お金の使用状況が非常にわかりやすいです。また、毎月の予算を項目毎に設定できるので、無駄遣いを防ぎやすい<30代前半女性/パート(主婦)>

毎日家計簿

毎月の費目ごとの予算決定ができること、費目ごとの支出登録ができること、費目ごとの集計ができることから、毎月引き落としも含め管理でき、使っている金額を見える化できる<20代後半女性/会社員>

LINE家計簿

自動的に買ったものを記録してくれるので、基本的に見返すだけで良い。また、今日いくら出費したか収入が出たかもシンプルな色分けで分かりやすい<20代後半女性/会社員>

らくな家計簿

何にどれくらいのお金を使ったのか、明確に把握しておきたいので、利用しています。家計簿ノートよりも楽に、便利に使えるので、3年くらい続けられています<30代前半女性/専業主婦>

Dr.Wallet

レシート入力またはレシート撮影するだけなので計上が簡単で、自分で計算しなくても自動計算で全てやってくれるので管理が楽です。また対象の商品を買ったレシートを撮影して送るとポイントがもらえ、ギフト券に交換ができるので一石二鳥な点も気に入っています。<30代後半女性/パート>

5. 世帯収入別 家計簿アプリ利用率

世帯収入別で見ると300万円未満の女性での利用率が45.0%と高く、収支の関係をしっかりと把握し、効率的にお金の使い所を把握するための頼れる味方となっている状況が読み取れます。一方で、世帯年収が上昇するにつれて女性の家計簿アプリ利用率は減少する傾向にあり、700万円以上の世帯と300万円の世帯との間には概ね2倍の利用率の差がある状況です。

世帯収入別 家計簿アプリ利用率

<n=178 / 調査全体ベース>

6. 家計簿アプリ利用者の世帯金融資産残高(土地・住宅は含まず)


<n=37/家計簿アプリ利用者ベース>

家計簿アプリ利用者の世帯金融資産残高

<n=37/家計簿アプリ利用者ベース>

世帯の金融資産残高別にアプリ利用状況をみてみると、一番多いのが「300万円以上~400万円未満」の世帯で全体の27%という結果になりました。次に利用者数が多いのは「200万円未満」で全体の24%でした。特徴的なのはこの2つの世帯の金融資産残高が平均値より決して多くなという点です。

7. 世帯金融資産残高別のアプリ連携口座数


<n=37/家計簿アプリ利用者ベース>


<n=37/家計簿アプリ利用者ベース>

家計簿アプリへの銀行口座(証券会社含む)の連携登録数は全体で平均2口という回答結果です。ほとんどの利用者が0~1口の連携ですが、5~6口の複数口座を連携している方は「資産の一元管理」を利用目的に選択していることがわかりました。アプリ別にみると、4口以上登録しているユーザーの大半が「マネーフォワードME」を利用しているという結果も明らかになりました。
また、ポイントカード(マイレージ含む)の連携口座数は全体で平均1口、こちらも利用目的で「ポイント管理」を主としているユーザーによる複数口座登録が目立ちました。

8. 家計簿アプリ利用頻度

家計簿アプリ利用頻度

<n=37/家計簿アプリ利用者ベース>



<n=37/家計簿アプリ利用者ベース>

家計簿アプリの利用頻度として最も多かったのが「1日に1回以上利用する」という回答でした。利用時間や回数は「使用する頻度が高い人(1日1回程度)」と「使用する頻度が少ない人(2週間に1回程度)」と差が大きいです。毎日1回以上利用する人は大体5分~10分の人が多く、最長でも2時間未満の利用という結果でした。

9. 有料機能の有無(プレミアム登録)

有料機能の有無

<n=37/家計簿アプリ利用者ベース>

有料機能の有無

<n=37/家計簿アプリ利用者ベース>

有料機能を利用しているのは全体の内わずか3名で、利用していない割合が90%以上という結果でした。ほとんどの方が無料機能のみで家計簿アプリを利用していることがわかります。

10. 家計簿アプリの満足度

家計簿アプリの満足度

<n=37/家計簿アプリ利用者ベース>

家計簿アプリの満足度

<n=37/家計簿アプリ利用者ベース>

家計簿アプリの満足度調査の結果では、「とても満足している」は27%、「やや満足している」59.5%、と多くの利用者が満足していると回答しました。「どちらともいえない」は13.5%という結果でした。

11. 家計簿アプリ利用後のお金に対する意識変化

家計簿アプリ利用後のお金に対する意識変化

<n=37/家計簿アプリ利用者ベース>

家計簿アプリ利用後のお金に対する意識変化

<n=37/家計簿アプリ利用者ベース>

家計簿アプリを利用することで、90%近くの人がお金に対する意識の変化がみられる結果となりました。そのうち、16%の利用者は資産も増加したとの回答結果です。
細かく家計簿をつけることで何にいくら利用したのかがしっかりと管理できるため、「俯瞰して家計が見え、PDCAが回しやすい」など無駄遣いを抑止したりする仕組みとしても魅力的なようです。

お金が見える化することで、レコーディングダイエットと同じようにどれくらい使用してしまったのかの意識が向き、節約や以前と比べてどれくらいの支出があったのか、またなぜそうなってしまったのかの分析ができ、どう改善していっていいのかの計画実行が便利にできる<30代後半女性/パート>
アプリを使うことで口座の貯蓄状況がひと目でわかるようになり、口座の残高が増えていくのを見て頑張っている感じがして使って良かったなと思いました。今のところ少しずつ貯蓄が出来ているので使ってよかったなと思います。<30代後半男性/会社員>
資産状況もグラフで表示しているので、ぱっと見でわかりやすいのも気に入っています。家計簿アプリを使い始めてから、セミナーに参加するなど、家計簿だけでなく資産に対する意識はかなり高くなったと思います。<40代前半女性/会社員>
出入金のたびに、通知が来るので不正出金などがあった時に気づきやすいのかなと思います。株式投資などを含めて、全部で今の総資産はいくらなのかを把握できるので意識は高くなりました。<20代後半男性/自営業>
口座と連携しているため、残高を把握することができて助かっています。今は貯金が少なくなってきていると目に見えてわかるので、危機感を夫婦で共有できるようになりました。資産は徐々に増えています。<30代前半女性/専業主婦>

12. 家計簿アプリ利用者のSNS運用率

家計簿アプリを利用している男女で比較するとSNS利用率は男性のほうが高く、88.2%がSNSを利用しています。一方女性のSNS利用率は60.6%となっています。

家計簿アプリ利用者のSNS運用率

<n=50 / 家計簿アプリ利用者ベース>

13. 家計簿アプリへの要望・改善回答

レシートの読み込みの制度を上げて欲しい。<30代前半女性/自営業>
アプリと銀行口座連携は便利だが、安全面での不安はある。<30代後半女性/パート>
残金が繰り越しではなく、貯金へ回すと使途不明金として計上されてしまうのを何とかして欲しい<40代前半女性/会社員>
ファイナンシャルアドバイザー的な機能がついているとより楽しめるかなと思いました<30代後半女性/会社員>
対応しているカードの種類が更に増えるといいなと思います。<20代後半男性/会社員>

  • 調査名:「金融リテラシーが高い人による家計簿アプリ利用調査」
  • 調査対象者:普段から投資・貯金・節約を行っている所得収入がある男女(20代~60代)
  • 有効回答数:178件
  • 調査期間:2019年1月22~30日

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