現物取引で可能なのは、株式を買うことと売ること
「現物取引」とは、その名のとおり「現物」での取引になるのですが、「信用取引」や「デリバティブ取引」などと区別するときに使う、「通常の株の取引」のことです。
「現物取引」で可能なのは、株式を買うこと(現金を支払って、株式を受取る)と、株式を売ること(株式を渡して、現金を受取る)です。
そこで、初心者にもわかりやすく「現物取引」について説明いたします。
現物取引とは
株の現物取引とは、どういうものなのでしょうか。
現物の取引というものを簡単に言うと、証券会社に口座を開設して、普通に株を買う場合の取引が「現物取引」です。
証券会社に買い注文を発注すると、証券会社は買い注文を東京証券取引所などの証券取引所につなぎます。
証券取引所において、株の買い注文と売り注文の取引が成立すると、約定となります。
約定日から3営業日目に行われるのが、受渡しです。
買い方は現金を支払い、売り方は株式を渡します。
現在、株券自体は電子化されていますので、実体は無く単なるデータだけですが、まさに株式の現物と現金を交換するので、「現物取引」なのです。
「現物取引」で可能なのは、株式を買うこと(現金を支払って、株式を受取る)と、株式を売ること(株式を渡して、現金を受取る)です。
株を買って、株主になると、大きくいうと3つの権利を得ることができます。
一つは、利益配当請求権と呼ばれる、配当をくださいという権利です。
株主になると、株主配当金や株主優待品をもらうことができます。
第二に、議決権を得ることができます。これは、会社の経営に口出しをする権利であり、株主総会に参加することもできます。
第三に、残余財産分配請求権というものです。これは、不幸にも会社が倒産してしまった場合などに、残った財産を分けてほしいといえる権利です。
保有する株数によって、株主総会等での発言力や、受け取ることができる株主配当金などが変わってきます。
なお、信用取引で株を買った場合の名義は、自分の名義ではないため、株主優待品等を得ることはできませんし、株主総会に参加することもできません。
現物取引の手数料が安い証券会社
株の現物取引をするには、まず最初に証券会社に口座開設をする必要があります。
現物取引がしやすい証券会社とは、現物取引の手数料が安い証券会社を選ぶのがいいでしょう。
同じ株を買うのであれば、手数料が安い証券の方がコストが抑えられるので、同じ値段で買付し売却したとしても手取りが増えることになります。
売買手数料は、買付でも売却でもかかってくるので、買いと売りで2倍の差が出てきます。
「たかが手数料」と思われるかもしれませんが、「塵も積もれば山となる」で、取引が増えるごとにこの差は大きくなってきます。
そこで、現物取引の手数料が安い証券会社をご紹介いたします。
【ネット証券の手数料比較表】
証券会社名 | 株式売買手数料 10万円まで | 株式売買手数料 20万円まで | 株式売買手数料 50万円まで | 株式売買手数料 100万円まで |
---|---|---|---|---|
松井証券 | 無料 | 300円 | 500円 | 1000円 |
ライブスター証券 | 80円 | 97円 | 180円 | 340円 |
むさし証券 | 75円 | 175円 | 175円 | 320円 |
SBI証券 | 90円 | 105円 | 250円 | 487円 |
楽天証券 | 90円 | 105円 | 250円 | 487円 |
マネックス証券 | 100円 | 180円 | 450円 | 1000円 |
カブドットコム証券 | 90円 | 180円 | 250円 | 990円 |
GMOクリック証券 | 88円 | 98円 | 241円 | 436円 |
岡三オンライン証券 | 99円 | 200円 | 350円 | 600円 |
内藤証券 | 167円 | 381円 | 381円 | 686円 |
立花証券 | 100円 | 225円 | 325円 | 575円 |
岩井コスモ証券 | 1000円 | 1000円 | 1000円 | 1000円 |
取引金額が10万円までなら、無料の松井証券をご紹介いたします。
松井証券
松井証券は、1日の取引金額が合計10万円までであれば手数料が無料です。
合計10万円までになりますが、手数料が無料なのは松井証券だけです!
手数料が無料ということで、コストがかからない取引ができることは大変魅力的です。
手数料が無料なので、少額から始めたい方にとって「口座開設をしてみたい」と思えるのではないでしょうか。
- 1日の株式約定代金合計10万円までなら手数料無料
- 信用取引の手数料が無料
- フリーコールでの安心サポート体制
- 豊富な無料情報ツール
- IPOが完全平等抽選
- 投資信託のロボアドバイザーが無料
取引金額が10万円から20万円までで一番安い、ライブスター証券を紹介いたします。
ライブスター証券
ライブスター証券は、取引金額が10万円から20万円までの場合、手数料が97円と一番安くなっています。
缶コーヒーよりも安い手数料は、「こんなに安くて大丈夫?」なのかと心配になるくらいの安い手数料です。
また、高機能でしかも無料のトレーディングツールの「livestarR」は有料ツールに勝るとも劣らない取引ツールです。
- 「みんなの株式」のネット証券ランキング手数料部門で4年連続第一位
- 信用取引金利や手数料も格安
- 今だけお得なキャンペーンを実施中
- 自分のスタイルに合わせて使える便利な高機能取引ツール
- お問合せ対応が親切丁寧でしっかり対応してくれる
取引金額が50万円までと100万円までで、業界最安値のむさし証券をご紹介いたします。
むさし証券
むさし証券の1約ごとの現物株の手数料は、指値注文の場合、約定代金が10万円の場合75円、20万円の場合95円、30万円の場合175円、50万円の場合175円、100万円の場合320円、200万円の場合440円、300万円の場合440円となっており、最安値水準の現物株の売買手数料となっています。
取引金額が増えるとお得で、金額の大きい取引が多くなる方はおススメです。
また、200銘柄の株価が見れる「株価ボード」や18種類のテクニカル分析ができる「リアルチャート分析」など多彩な情報ツール無料で使えますので、情報取集するにも最適です。
- 株式手数料が最安値水準
- 多彩な情報ツールが無料
- 信用金利が1.35%
- 使いやすいレスポンシブデザイン
- 親切丁寧なお問い合わせに定評
株式取引も最初のうちは少額投資から始める方も多いかと思いますが、徐々に取引金額も増えていくと思いますので、金額が大きくなったことも考慮すると、むさし証券が一番オススメです。
現物取引のメリット
現物取引のメリットは、株の値上がりを狙えることや、株の配当金を貰えたり、株主優待が受けられたりすることです。
また、投資金額以上に損失が発生することはないです。現物取引のメリットについて、説明をいたします。
第一に、現物取引のメリットは株の値上がり益を狙えることです。
銀行の普通預金や定期預金に預けると、ほんのわずかな利息しかもらえませんが、株式投資であれば、毎日のように銀行の利息以上に価格が動きます。
つまり、大きな値上がり益を狙えるというわけです。
第二の現物取引のメリットとして、リスクは限定的であることが挙げられます。
投資である以上、現物取引にもリスクはつきものです。
しかし、信用取引やデリバティブ取引のように、投資した金額以上の損失が出ることはないのです。
もちろん、株式を買った会社が倒産すると株式は紙切れ同然、価値はなくなってしまう可能性がありますが、現物株式を購入するためにかかった金額以上の損失は出ないのです。
具体な例を挙げてみますね。
たとえば1株1,000円である会社の株式を1000株買ったとしましょう。
この場合、手数料などを考えなければ、100万円を投資したことになります。
もし、残念なことにその会社の経営がうまく立ち行かず、倒産することになって株価が1円になったとしても、損失額はおよそ100万円となるだけです。
それ以上に損失が出ることはありません。
信用取引やデリバティブ取引では、投資した金額以上の損失が出る可能性がありますから、リスクが限定的であることはメリットと考えることができるのではないでしょうか。
そして、第三のメリットは、会社の株主になれるということです。
現物取引で株を購入すると、株の名義は自分の名義となります。
自分の名義となることで、株主総会に参加する権利を得れることや、株主配当金と呼ばれる会社の利益を株主に分配するお金をもらう権利を得ることができ、さらに、株主優待と呼ばれる割引券や自社製品や特産品等をもらう権利を得ることができます。
信用取引で株を買い建てた場合は、自分の名義とならないため株主となることができず、これらの権利を得ることはできません。
なお、株主配当金については、信用取引でも現物取引で株主になった場合に得られる配当金と同等の金額を得ることができます。
現物取引のデメリット
現物取引のデメリットは、自己資金以上の取引ができないことや、株の下落局面で利益を出すことができないことと差金決済ができないことです。
そこで、現物取引のデメリットについて説明します。
第一の現物取引のデメリットは、現物株式は自分の資金だけで株券を購入するので、信用取引やデリバティブ取引等のように、入金した資金以上の取引はできない仕組みになっています。
そのため、運用するための資金が少ない人は、大きな金額の取引をすることはできず、運用で得られる利益も自ずと小さくなってしまいます。
しかし、信用取引であれば、投資資金の約3倍程度の運用ができることを考えると、現物取引の資金効率はよくないと言えるかもしれませんね。
ただ、そのぶんリスクも大きくなるともいえ、一長一短でしょう。
第二の現物取引のデメリットとしては、買いでしか利益をあげることができない点です。
現物取引を行ううえで利益を上げるには、株式を購入して高く売ることが大前提となっています。
つまり、「安い株価で株を買い、高い株価で株を売る」ことでしか利益を上げることはできず、株価が下落するような局面では利益を上げることはできないのです。
現物取引だけで運用する場合、上昇局面であれば利益を上げるタイミングは多いですが、下落局面になると利益を上げることは大変難しくなり、上昇局面になるまで待たなくてはなりません。
投資を行っていくうえで、待つということはなかなか難しいもので、つい手を出してしまいがちです。
つい手をだしてしまう場合に損を出してしまうことは多々あり、注意する必要があります。
第三の現物取引のデメリットは、一つの銘柄の株を同じ日に何度も購入することができないことです。
例えば、一つの銘柄を100万円分購入して、その日のうちに100万円分売却した場合、さらにその日のうちにまた同じ銘柄の株式を100万円分購入しようとした時は、別に100万円を用意しなければ購入することはできないのです。
一日で同一の資金を元に何回も同一の銘柄の売買を繰り返して決済するような取引は、現物取引では禁止されています。
一方で、信用取引を使って一日のうちに同一の株式を何度も売買することについては認められています。
1日に売買を繰り返すデイトレードをされるような人にとっては、もしかしたら現物取引よりも、信用取引のほうが資金効率がよいと言えるのかもしれませんね。
まとめ
証券会社に口座を開設して、普通に株を買う場合の取引が「現物取引」です。
株主になることで、株主総会に参加したり株主配当金を得たり、株主優待などをもらう権利を得たりすることができます。
また、現物取引であれば、投資した金額以上の損失を被ることはない一方、投資した金額以上の取引ができないことから信用取引などと比較すると資金効率がよくないともいえます。
買いからでしか利益を上げることができず、下落時に利益をあげることもできません。
一定の金額で同一の株を同じ日に何度も繰り返して売買することもできません。
ただ、信用取引やデリバティブ取引は取引額が大きくなる分、リスクは高くなるので、これから投資を始められる方にとっては、現物取引はまさにお勧めです。