株の先物取引をわかりやすく解説
株の先物取引は株式取引より仕組みが難しいイメージが強く、もともとはプロ向け商品でしたが、最近では個人投資家にも注目されるようになりました。
通常の株式取引では、代金をその場で支払って、その場で商品を受け取りますが、
先物取引は「特定商品」を「あらかじめ決められた日(最終決済期限)」に「決められた価格」で取引することです。
※株の先物取引の場合に、特定商品は日経225先物取引が一般的
金を来月の○日に20万円で売るよ。
というように、決めた日にある商品を決めた価格で、受け渡しの約束をする取引です。
株の先物取引は証拠金で取引をするので、小さな額で大きな取引が可能になることも魅力です。
この記事では、先物取引について詳しく解説していきます。
株の先物取引を詳しく解説
株の先物取引は株価指数先物取引といいます。
株価指数は株式取引の相場の流れを読み取る指標として使われていて、日本の代表的な株価指数は日経225(日経平均株価)やTOPIX(東証株価指数)になります。
※日経225(日経平均株価)は東証1部上場銘柄から日本経済新聞社が選んだ225銘柄の平均株価
※TOPIX(東証株価指数)は東証1部上場の全銘柄の時価総額の合計を全銘柄で割って出した数字
株といえば東証1部上場の代表的な225銘柄で取引をしている人が多いので、日本で取引されている株価指数先物取引は「日経225先物取引」です。
日経225 先物取引は東証一部上場している、国内株式225銘柄を対象としているので、個別銘柄を選ぶ必要がありません。
先物取引の取引方法
先物取引は「特定商品」を「あらかじめ決められた日(最終決済期限)」に「決められた価格」で取引することです。
・「あらかじめ決められた日(最終決済期限)」は未決済がある場合は最終決済期限で強制決済
・「決めれられた価格」は取引時点で将来の価格を予想して決める
日経225先物取引では、日経平均株価が上がると予想したら「買い」、下がると予想したら、「売り」から取引をします。
先物取引の決済方法は2パターン
決済方法は2つ、反対売買で決算するか、最終決済期限(限月)で強制決済されるかになります。
買っていた銘柄を売らなくてはいけない最終決済期限があるので、強制決済の日の前なら「反対売買」といって、「買いから入ったら売る」、「売りから入ったら買う」差金決済を行うことができます。
反対売買を行われない場合は、先物取引の特徴である、最終決済期限で強制決済されます。
先物取引の取引時間は夜間もOK
直接株の取引ができる時間は、平日の朝9時~11時30分の(前場)と12時30分~15時まで(後場)になります。
先物取引では株式市場終了後にも夜間取引時間があるので、忙しい社会人の方でもゆっくりと取引することが可能です。
夜間取引は16:30~5:30ができるので先物取引は約20時間も取引することができます。
夜間の取引ができるということは、海外の経済や政治の事情に日経平均株価は上下されやすいので、日中だけの取引よりも有利です。
先物取引の特徴のひとつ限月について
株の先物取引は通常の株と違って限月(げんげつ)があるのが特徴で、「取引の期限を表す月」という意味で取引の満期月のことを言います。
先物取引には、期限付きの取引なので最終決済日があり、かならず限月が関わってきます。
3月.6月.9月.12月はメジャー限月と言われていて取引が活発になり、株価指数先物の精算日となっていて、3月.6月.9月.12月の年に4回、第2金曜日です。
つまり限月の第二金曜日の前日までは自由に株を売買できますが、先物取引の場合は満期日までに決済が行われない場合はSQ日(最終決済日)に強制決済されます。
限月別の流動性(取引枚数)で直近の限月を選ぶ理由
例えば7月の場合は直近の限月が一番取引高が高くなっているので、9月の限月になります。
直近の限月を選ぶ理由としては、先物取引では日経225の株価を予想して取引の約束をするので、株価の予想がしやすい直近の限月が一番取引高が高いです。
また直近の限月以外でも取引の選択することは、可能ですが株価の予想がたてにくくなり、損することもあるので直近の限月で先物取引をすることをおすすめします。
株式取引と株価指数先物取引の違い
・証拠金を使って取引する
株式取引と株価指数先物取引の大きな違いは2つになります。
先物取引は保有株の決済に期限がある
株式取引の場合は保有株に決済の期日なく、長期的に保有株を持つことも可能です。
株式指数先物取引の場合は決済しなくてはいけない期限があります。
限月3月.6月.9月.12月の第二金曜日までに保有株を決済しなければ、強制的に決済されます。
証拠金を使って取引する
株式取引の場合は、証券口座に資金を入金して欲しい銘柄を購入して、株の株価があがったら売ることで利益を得ることができます。
株式指数先物取引の場合は証拠金と呼ばれる保証金を預けて、証拠金を元手にして取引をします。
証拠金で取引することによって、株式取引よりも少ない資金で大きな投資ができるレバレッジ効果を利用して、取引することが可能になります。
株価指数先物取引はいくらからはじめられるのか?
株価指数先物取引は売買したい限月の「日経225先物」の価格を1000倍した金額が1枚(1単位)の最低取引金額となります。
株式取引では1単位といいますが、先物取引では1枚、2枚という数え方をします。
先物取引は証拠金で取引しますが、株式会社日本証券クリアリング機構が採用するSPAN®証拠金額を基準に決めています。
SPANR証拠金額はシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)が開発した計算方法です。
※「SPANR」は「The Standard Portfolio Analysis of Risk」の略。
先物取引のレバレッジ
先物価格が16550円の場合の証拠金は50万円、先物取引の単位が1000倍なので、レバレッジ33倍の最大16.550.000円の取引が可能です。
つまり最低50万円の証拠金で1655万円の取引ができます。
日経225先物価格が16550円なので1,000倍して16.550.000円の取引の場合
16.550.000円(取引価格)÷50万円(証拠金)=33.1倍
つまりレバレッジは33倍となります。
レバレッジは小さな資金で大きな金額の取引ができるのが魅力ですが、反対に損失も大きくなる可能性もあります。
日経225先物と日経225miniの違い
先物取引の初心者が急にレバレッジの高い取引をすることや、額の大きい取引をするのは不安だと思います。
先物取引初心者向けに、日経225miniという取引単位と証拠金が日経225先物取引の10分の1の投資があります。
この日経225miniでは仕組みについては日経225先物と同じですが、取引単位が100倍になり、証拠金も10分の1になります。
証拠金が日経225先物よりも少なくて住むので、先物取引初心者は日経225miniから初めることをオススメです。