【メットライフ生命USドル建IS終身保険】米ドル建ての終身保険

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外貨建て保険のメリットとは?

外貨建て保険には、日本円建ての生命保険にはないメリットがあります。

外貨建て保険は、最低保証利率が高めに設定されているため、同じ保険金額であれば円建ての終身保険より安い保険料で加入することができます。

たとえば、メットライフ生命の円貨建て終身保険「つづけトク終身」では、最低保証利率は年1.5%ですが、同じメットライフ生命のUSドル建て終身保険では年3.0%に設定されています。

保証利率は保険料の割引率ですので、高いほうが払込保険料は少なくて済みます。

保証利率が1.5%違う(1.5% or 3.0%)と、例えば保険料を30年間払込むとした場合、保険料総額では10数%の差になります。

理屈としてはそのとおりなのですが、外貨建て保険にはもうひとつ考えるべきことがあります。
それは「為替リスク」です。

為替リスクの仕組みに要注意

「USドル建て終身」は保険金額も保険料も、米ドル建てで契約されます。

たとえば30歳男性が、「1ドル=120円」のときに
死亡保険金額:10万米ドル(=1200万円)
月払保険料: 154米ドル(=18,480円)
のUSドル建て終身に加入したとしましょう。

保険料は米ドルで支払うこともできますが、「円」で支払う場合には(払い込まれた保険料は米ドル資産で運用されますので)「円入金特約」が適用されます。

この特約では、毎月の払込保険料を円から米ドルに交換する際に適用する為替レートのルールが次のように決められています。

「三菱東京UFJ銀行が公示する、毎月13日(13日が休業日の場合には翌営業日)の為替レートを適用して毎月27日に振り替えます」

今月13日の為替レートは「1ドル=120円」でしたから、月払保険料は18,480円でしたが、翌月の13日までに円安が進行し、「1ドル=123円」になっていたとします。

すると、月払保険料は18,942円(=154米ドル×123円)となり、462円の負担増となるのです。

逆に、翌月までに円高が進行し、1ドル117円となっていれば、462円分、月払保険料は安くなります。

このように毎月の保険料を円で支払う場合、月払保険料は毎月変動すると考えておいたほうがよいでしょう。

仮に契約時点より10年、20年…というスパンで円高が続けば、払込保険料は想定より少なくてすみます。

しかし、契約時に「1ドル=120円」だったのが、死亡保険金受取時点に
「1ドル=110円」(円高)になっていた場合、
1200万円(=契約当時の10万米ドル)受け取れると思っていた保険金が、
1100万円(=10万米ドル×110円)となり、100万円も目減りすることになってしまいます。

保険金が100万円減ったとしても、払込保険料合計額も100万円以上少なくなっていれば、損はしていない、と考えることもできます。

でも上記の例だと、加入直後から20年間(保険金受取まで)、1ドル=110円がずっと続いた場合でも、保険料払込額で得するのは37万円程度…。

このように、外貨建て保険には為替リスク、つまり米ドルで運用されている資産を円で受け取る際に為替レートによって目減りしてしまうリスクがあるのです。

保険会社にとって「おいしい保険」

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外資系企業のメットライフ生命側からみれば、上に書いたような「為替リスク」は、ぜーんぶ加入者である日本国民に負わせ、みずからはリスクフリーな立場になっています。

その分、申し訳程度に最低保証利率が高めに設定されているんですね。
(それでも先に述べたように、為替が円高に振れた場合に保険料割引分よりも支払保険金額の目減りのほうが大きくなるのが通常でしょうから、保険会社はもちろん損はしない仕組みになっています)

以上のようにメットライフ生命は為替リスクからフリーになっていますが、それ以外にもこの商品には「メットライフ生命にとってのうまみ」があります。

保険会社が将来の保険金等支払のために積み立てておく準備金の積立利率に関して、USドル建て終身では15年ごとの見直しのタイミングまでの間、変更されないのがルールです。

つまり、直前の積立利率見直し時点から15年の間に市場金利がどれだけ上昇しようが、積立利率をそれにあわせて引き上げる義務は保険会社にはないということ。

市場金利の上昇によって保険会社が得た運用益は、契約者配当や死亡保険金額・解約返戻金額の増額という形で加入者に還元されればよいのですが、USドル建て終身も(つづけトク終身と同様)無配当・定額保険ですので、そのような還元はありません。

アメリカは日本のような超低金利ではないので、少々予定利率を高めに設定してもOKなのです。

為替による目減り分まで日本の加入者に対してメットライフ社が負うのであれば、この商品は間違いなく「買い」なんですけどねぇ。

結局、どんな人に向いてる保険なの?

将来的に対米ドルで円貨の価値は大きく下がる、と予測して、
「これからは米ドル建てだ!資産を増やすチャンスだ!」
と決めて加入する、という手はあります。

確かに長期的に円が他の通貨に対して割安になっていく場合には、財産のすべてを円で持っていることは、「超低金利下で資産が増えない」ことにあわせ、ダブルパンチになりかねません。

外貨建てでの資産運用方法のひとつとして外貨建て保険を選択することは「あり」だと思います。

つまり、外貨建て保険は、
①それ以外に円建ての生命保険に加入している
②外貨建て保険への加入は、あくまでも資産防衛や資産形成を主たる目的であり、死亡保障は二の次である
③通貨としての円の将来的な価値に不安があり、リスク分散として円貨を外貨建て資産に置き換えておきたいというニーズがある
あるいは
④自分や家族が将来、米ドル経済圏で生活する予定があり、この米ドル終身保険の保険金(解約返戻金)は米ドルで支払を受けることを予定している
という方には向いている商品でしょう。

一方、
「円建て保険に加入しておらず、万一の場合には、この外貨建て保険が頼みです」
といった加入の仕方はお勧めできません。

見た目、つまり最低保証利率の高さにごまかされて外貨建て保険に飛びつくと、あとあと為替で痛い目にあうリスクがあります。

その点を十分理解した上で加入の検討をしてくださいね!


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