生命保険「特約」の種類と必要性を考える
生命保険には、メインとなる基本の保障の「主契約」と、主契約にオプションとして付加できる「特約」があります。
特約は主契約より種類が多種多様にあり、内容も様々です。
今回は特約についての基本的な事柄と種類、その必要性について解説していきます。
「特約」について知ろう
生命保険の契約は主契約が基本部分であり、特約は主契約の保障内容に上乗せをするものです。
例えば、病気で入院した時に給付金が受け取れる「疾病入院特約」や、災害によって死亡した際に割増で保険金を受け取ることができる「災害割増特約」があります。
また、特約はあくまで主契約に付随するもので、特約だけの契約はできません。
特約を付加するには条件がつく場合があり、その条件は生命保険会社によって異なります。
特約で上乗せできる保険金・給付金額も保険会社によって違っており、上限の制限を受ける場合もあります。
特約をつける目的
生命保険に特約をつける目的は、主契約の保障をさらに充実させる為や種類の異なる契約を付加することにあります。
例をあげると、一定の期間、死亡・高度障害の際に保険金を受け取る事ができる「定期保険特約」という特約があります。
これは、主契約を充実させる性質の特約になります。
また、先進医療特約といって、先進医療の治療を受けた際に給付金が発生する特約は、主契約と異なる保障を付加する性質のものとなっています。
特約における注意点
特約だけでは契約できない
特約はあくまで主契約に付随するものですので、主契約の保障期間が終わると、特約も一緒に消滅する様になっています。
生命保険に医療保障の特約をつけている場合、他に医療保険に加入していなければその生命保険の契約が終わったら医療保障は無くなってしまうことになるので注意が必要です。
本来必要ない特約まで付加してしまいがち
特約は、ひとつひとつは数百円程度ものも多いですが、あれもこれもとたくさんつけるのは要注意です。
便利そうな内容につられて必要かどうか検討せずに追加してしまうと、保険料が不要に高くなってしまいます。
必要なものだけを付加するようにしましょう。
既に加入している生命保険に特約をつけている場合、それが本当に必要なものかどうか?一度保険証券で内容を確認してみるのもおすすめじゃよ。
医療保険は次々と新しく優れた内容の商品が出てくる保険ですから。新しく医療保険に加入したほうが保障も手厚く、金銭面でも得な場合もあるかもしれませんよ!
例えば医療保障の特約をつけている場合、その特約と現在販売されている医療保険の商品と比較してみるんじゃ。特約より医療保険に加入する方が得になることはないか?確認してみよう。
生命保険に付加できる特約の種類
生命保険に付加できる一般的な特約の種類
ここでは生命保険に付加できる特約について、種類分けして簡単に説明していきます。
死亡保険を手厚くする特約
・定期保険特約
主に終身型生命保険に付加される特約です。
一定の契約期間で、死亡・高度障害の際に保険金を受け取ることができます。一時的に保険金を上乗せしたいときに便利です。
また、この特約は10年毎などで契約が更新される更新型と、契約更新のない全期型があります。
更新型の場合、契約年齢が上がってより高い保険料で自動更新される場合があるので注意が必要です。
・家族定期保険特約
被保険者として指定した家族が死亡・高度障害になった時に保険金が受け取れるようになる特約です。
収入保障特約
死亡・高度障害の時に、年金形式で保険金を受け取る事ができます。
受け取れる回数があらかじめ決まっているタイプと、契約時に定めるタイプがあります。
三大疾病特約
がん、急性心筋梗塞、脳卒中の三つ病気が原因で、死亡・高度障害、もしくは保険会社が定める所定の状態になった際に保険金が受け取れる特約です。
保険期間が一定期間である定期タイプと、一生涯保障される終身タイプがあります。
入院、通院、手術に備える特約
・長期入院特約
病気や不慮の事故で長期入院をしたときに、入院給付金が受け取れます。
期間としては125日以上、180日以上などがありますが、生命保険会社により日数は異なります。
・通院特約
退院後の通院日数に応じて通院給付金が受け取れます。
・災害入院特約
不慮の事故で入院したとき給付金を受け取れます。
特定の疾病や損傷に対応する特約
・生活習慣病特約
がん、脳血管疾病、心疾患、高血圧性疾患、糖尿病の病気を原因とした入院をした場合に入院給付金が支払われる特約になります。
手術をした場合に手術給付金が支払われるものもあります。
・女性疾病入院特約
女性特有の病気が原因で入院した場合に入院給付金が支払われる特約です。
女性特有の病気には子宮や乳房の病気などがあります。
こちらも手術給付金が支払われる特約もあります。
・がん入院特約
がんが原因の入院について入院給付金が支払われるものです。
保険会社によってがんと診断された場合の診断給付金、がん医療の手術をした場合の手術給付金があるところもあります。
給付対象となるがんの種類は保険会社によって異なり、上皮がんは対象外となる場合もあります。
その他の特約
・先進医療特約
厚生労働大臣が定めた、健康保険の適用外になる先進医療を受けた際に、自己負担した金額分を保障してくれる特約です。
医療技術ごとに定められた基準に該当する医療機関で行われるものだけが、先進医療となります。
また、先進医療については流動的で、その内容・施設は随時変更されるので、健康保険適用内になったり、逆に先進医療から外れる場合もあります。
・介護特約
要介護状態(寝たきりや認知症など)になった期間が一定以上継続した際に一時金や年金が支払われます。
・リビング・ニーズ特約
無料で付加できる特約です。
余命が6ヶ月以内との告知を受けた場合、生前に保険金の一部もしくは全額を受け取ることができる特約になります。
・指定代理請求特約
こちらも無料で付加できる特約です。
被保険者が急に怪我や病気になって保険金等の請求をする意思表示が困難なときに、あらかじめ指定していた代理人(指定代理請求人)が保険金などを請求することができるようになります。
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まとめ
- 特約をつける目的は、保険内容を充実させることと種類の違う契約を付加することである
- 主契約が終了すると特約も終わってしまうので注意が必要
- 特約は、死亡保障を手厚くするもの、入院や通院に備えるもの、特定の病気に備えるものなどがある
特約は大体が保険商品を決めた後に勧められるものなので、あまり考えられないまま、勧められたままに加入してしまう場合が多い。安易に特約をたくさん増やしてしまわないように注意するんじゃよ!
特約って付加してもそんなに高くない場合が多いので、おすすめされたら「これぐらいならまあいいか!つけてたらお得だし!」ってなりやすいんじゃないでしょうか?
いずれにせよ無駄な支払いは避けたいところじゃな。
保険は一度加入すると、入りっぱなしでなかなか見直しをする機会がないから、加入前に自分に必要な保障をしっかり把握しておくんじゃぞ!!