株初心者が最初に知っておきたい!株式投資の仕組み
マイナス金利が導入されている現在、金利が低いので、お金を運用したいと考えている方が増えてきている現状です。
株式投資をしたことがない方にとっては、投資に対する漠然とした不安や恐怖心から難しく感じることも多いのではないでしょうか。
株式投資の正しい知識があれば、株式投資を行う上で、不安が払拭されるはずです。
そこで、株式投資を全く分からない人でも、「株式投資の仕組み」について、解りやすい説明をしていきます。
株式投資の株(株式)とは?
はじめに、株(株式)とは、「株式会社」が資金調達をするために発行しているものです。
資金調達には大きく3通りあります。
資金調達方法
- 金融機関から借金して集める。
- 社債という借用証書を発行し、一般の人や会社等から借金をする。
- 株式を発行して株主を募る。
多くの企業は、これらの方法で資金調達をしています。
金融機関からの借り入れや社債の発行による資金調達は、借りたお金ですから期限がきたら全額返済しなければなりませんし、お金を借りているのですから利子も毎年支払わなければなりません。
一方、株主から集めたお金は株主に返す必要はありません。
なぜなら、「株」というものは出資者に対して発行するものですが、これは「借金」ではありませんから返済の必要はなく、もちろん利息を払う必要もありません。
会社は返済や利子のことを考えずに経営ができるので、借金に比べて好都合です。
こうした企業が発行した株式は、個人の投資家でも売買することができます。
一般的には、株取引をするためには、まず証券会社に口座を開設して、概算買付金額を入金した後に、注文を出す必要があります。
そして、その売買注文が処理されるのは証券取引所と呼ばれる機関です。
証券会社と証券取引所の役割
まず、証券会社が行う主要な業務の一つに「ブローカー業務」と呼ばれるものがあります。
ブローカー業務とはいわゆる「仲介業」のことを指します。
顧客から株式の売買注文を受けた証券会社は、自らが株式取引の相手方となるのではなく、顧客の注文を証券取引所と呼ばれる株式等が売買されている市場に流します。
市場では、様々な市場参加者(個人投資家だけでなく、機関投資家なども含む)が証券会社を経由して売買注文を出していて、それぞれの投資家が出した注文のうち、売り手と買い手の条件が合ったものが売買成立します。
つまり、個人投資家→(注文)→証券会社→(注文)→証券取引所→(注文成立)→証券会社→(注文成立)→個人投資家という流れになるわけです。
これだけみれば、証券会社の役割って必要なの?という意見もありますが、投資に関連する株価情報などの提供もありますし、そもそも証券取引所は個人に直接は門戸を開いていないため、必ず証券会社を経由する必要があります。
なぜならば、証券取引所で株式の取引をするためには、証券取引所に対して取引資格の申請をして承認を得なければならないからです。
また、取引参加者としての承認を得るためには、証券会社の財務の健全性を測る重要な指標である自己資本規制比率などをクリアしなければならず、誰もが株式の売買に関われるわけではないからです。
株の売買は株式市場で行われる!
株式市場とは、株式の「発行」と「売買」が行われる市場の総称です。株式の「発行市場」と「流通市場」のことを言います。
企業等が資金調達をするために株式を発行し、投資家がこれに応じ資金提供をすることができる市場が「発行市場」です。
発行市場とは証券取引所のような具体的なマーケットをさすのではなく、抽象的なもので、証券会社が新株の発行、募集などを引き受ける機能、つまり、一般に株式が流通する前の段階のことをさします。
既に発行・流通している株式を、投資家と投資家の間で、その時々の時価で証券取引所で売買されることを流通市場といい、売買の仲介は証券会社です。
一般的に、流通市場を株式市場と呼んでいます。
株式は株式市場で取引されています。
「株を買いたい」「株を売りたい」という注文を証券会社が投資家の代わりに取引所に提出して売買が成立していく、という形です。
ですから、投資家は直接証券取引所まで足を運ばずとも、ネットで証券会社に口座開設をし、買付概算金額を送金した後、証券会社の取引画面にアクセスして注文を出すだけで売買ができます。
そして、証券取引所で売買するのは会員として認められた証券業者なので、取引所が主体となって株を買い取ったり売ったりということはないのです。
実際に「株式を買いたい」と思ったらどうすればよいのか?
株式を発行しているのは企業ですが、だからといって投資家が直接企業に株式を売ってもらうわけではありません。
なぜなら、株式は証券取引所(正式名称は「金融商品取引所」)と呼ばれる市場で売買されることになっているからです。
まずは売買注文を受ける窓口になってくれる証券会社に口座を開設し、必要な資金を当該口座に入金した後、注文を出します。
証券会社は、投資家から受けた売買注文を証券取引所へと取り次ぎます。
証券取引所では、たくさんの証券会社から集めた売買注文を手際よく整理し、一定のルールに従って取引を成立させていきます。
そして、取引が無事に成立すると、投資家は証券会社を通じて買い付け代金(買付手数料も含む)を支払います。
投資家が、「株式を買って株主になった」という情報も、証券会社を通じて各企業へと伝えられることになります。
投資家がいつでも売買できるのは、株式を上場している約4,000社の株式です。
株式を上場するということは、会社の経営状況を誰でも知ることができるように公に発表し、証券取引所で株式の売買が認められることをいいます。
有名な企業の多くは、資金調達や企業の価値を高めるため株式を上場しています。
サントリーやロッテ等は、有名ですが株式を上場していないので、株式を買うことができません。
証券取引所での売買(立ち会い)は、土曜日、日曜日、祝日(振替休日等を含む)、12月31日および年始 3日間を除いて毎日行われています。
立会時間は、東京証券取引所の場合、午前9時から11時30分(前場:ぜんば)と午後0時30分から3時(後場:ごば)の2回です。
なお、立会時間は取引所により若干異なる場合があります。
立ち会い終了後の注文は翌日扱いの注文となります。
証券会社の営業時間はおおむね午前9時から午後5時までですが、営業時間外でも営業担当者がいれば、注文は受け付けてくれます。
また、インターネット取引の場合は、株式の発注をできる受付時間が証券会社の営業時間よりも、もっと長いので注文も出しやすくなっています。
株初心者におすすめの証券会社
株式投資で最も注意すべきことは、資金管理です。
株式投資は元本が保証されているわけではなく、元本を毀損するリスクがありますので、全財産を入金するということはお勧めしません。
例えば、思いがけない事故や病気などで仕事を失った場合のために必要なお金や、教育費や住宅ローンなどの使い道が決まってるお金については別途確保しておく方が良いのではないかと思います。
一方、用途が決まっていないお金については、積極的に投資に回すということも良いのではないかと思います。
特に若い人にとっては、運用で万が一失敗したとしても、定期的な給与がありますから積極的にリスクを取るということも出来るでしょう。
それでは、実際に株取引をするにはどのような証券会社がいいでしょうか。
株取引を行う上で、各証券会社の提供するサービスで最も大きく異なるのは、手数料です。
特に、株の初心者にとっては、現物の株取引を主にされるでしょうから、特に現物株の手数料が安い証券会社をおすすめします。
特に、松井証券、SBI証券、楽天証券などのネット証券をお勧めします。
ネット証券は、店舗型の証券会社に比べ、人件費がかからないので手数料が安いのです。
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そして、30万円までであれば300円、50万円までであれば500円、100万円までであれば1000円、200万円までであれば2000円となっており、それ以降、100万円増えるごとに1000円が加算され、1億円を超えると上限の10万円です。
松井証券の手数料体系は、取引回数に関係なく、1日の約定代金の合計で手数料が決定されます。
店舗がある証券会社で株式の売買をする場合は、1%以上の手数料がかかることが一般的ですから、比較すると格安であるといえます。
松井証券
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証券取引所は日本国内に4ケ所!
証券取引所は、投資家や証券会社自身の株式等の売買注文を、自ら開設する市場に集中させることにより、大量の需給を統合させ、株式等の市場流通性を高めるとともに公正な価格形成を図るという役割を担っています。
日本は、株式の売買を行う市場を持つ証券取引所が東京・名古屋・福岡・札幌の4か所にあります。
取引所取引は「競争売買の原則」を基本に行われます。
競争売買の原則とは、「価格優先の原則」と「時間優先の原則」からなります。
価格優先の原則とは、売りについては最も低い値段が、買いについては最も高い値段が、また、値段を指定する「指し値注文」よりも値段はいくらでもよいとする「成り行き注文」が優先するということです。
時間優先の原則とは、同じ値段の売買注文の場合、時間的に先に発注された注文が優先するということです。
なお、従来は、上場証券の売買は原則として証券取引所で行わなければならないという「市場集中の原則」も取引の基本原則でしたが、1998年12月に撤廃されました。
これを受け、一部の証券会社では、自ら私設取引市場(PTS)を開設し、証券取引所を通さずに売買注文を執行するケースも出てきています。
日本の三大証券取引所
東京証券取引所(東証)
「市場第一部」「市場第二部」「マザーズ」「JASDAQ」があり、これを「(上場)市場区分」と呼んでいます。
大阪証券取引所(大証)
「市場第一部」「市場第二部」という二部制をとっています。
名古屋証券取引所(名証)
「市場第一部」「市場第二部」という二部制をとっています。
東証、大証、名証は、「三大証券取引所」で、他に地方証券取引所の福岡証券取引所(福証)と札幌証券取引所(札証)があります。
このほか「TOKYO PRO Market」といったプロ向けの市場も開設されています。
取引所は、市場区分ごとに異なる指定基準を設けていますが、そのうち最も厳しい審査基準となっているのが「市場第一部」です。
東証一部と東証二部との違いは、上場基準(審査基準)です。
東証に上場する際、株主数や流通株式数鵜、時価総額、純資産、利益、設立年数などある一定の基準を満たす必要がありますが、その基準がより厳しい市場が東証一部です。
例えば、株主数が東証二部は800人以上に対して、東証一部が2,200人以上必要ですし、時価総額も、東証二部は20億円以上に対して、東証一部は250億円以上になります。
東証一部は、「たくさんの株主がいて、資産も潤沢」な企業だけが指定を受けられる市場なのです。
東証二部は、いわばそのファーム的な存在なのです。
また、厳しい審査基準をクリアした企業は、知名度が高くなり、世間からの信用を得ることができます。
企業に信用があるということは、優秀な人材が集めることができ、ビジネス的な取引も円滑に進めやすくなるなど、様々な場面でプラスに影響します。
これらの市場区分が変更されることを「指定替え」といいます。
株主になって配当金と株主優待をゲット!
証券会社を経由して株式を保有することになった投資家は、株価が値上がれば利益になります。
売買益以外にも、株式を保有していると配当金や株主優待を受けられるというメリットもあります。
「配当金」とは、企業が業務で得た利益を投資家に還元するというものです。
保有している株数に応じて、利益の一部を配当金として受け取れます。
また、「株主優待」とは、株式を保有している企業から、商品券や割引券、自社製品などを送っていただけるものです。
例えば、デパートやファミリーレストラン、ファーストフード店なら割引券、食品会社なら自社製品、鉄道会社は回数券や全線パス、映画・劇場会社なら招待券や優待券といった具合です。
株主優待は、企業によって実施している商品やサービスなどが異なりますので、調べてみるのも面白いかと思います。
「配当金」や「株主優待」に関しては、権利確定日「当日」に株を購入しても権利をもらえない!
株主権利を得るためには、権利確定日の3営業日前までにその株を購入し保有しておく必要があります。
3営業日が必要となるのは、株主の名義書換に時間がかかる為の措置です。
ですから、株式を購入する日にちにも気をつける必要があります。
投資先の企業の業績が悪化した場合は、配当金は減額や無配になることもあります。
配当金とは、株主に対して、出資してくれた額に見合った分だけ、儲け(利益)をお金で還元するものだからです。
つまり、配当金は企業の儲けに応じて変化します。
一方、株主優待は企業から株主に対しての感謝の気持ちを表すプレゼントのようなものです。
したがって、株主優待は業績や財務体質とは関係なく、企業の考えひとつで決まるものだとも言えます。
財務体質が悪化しているにも関わらず、資金集めのためだけに株主優待を続けているケースもないとは限らないのです。
投資を検討する際には、株主優待だけに目を奪われることなく、業績や配当の状況をしっかり確認した方がよろしいかと思います
まとめ
株式投資の仕組みとは、「会社」が資金を調達するために発行する「株式」に投資することです。
「株式」は、証券会社を通して証券取引所で売買されています。
「証券取引所」は日本国内に4ケ所あります。厳しい審査基準をクリアした企業だけが、東証一部に上場することができます。
「株主」になると、「配当金」や「株主優待」などが受け取れることも出来ます。
株主権利を得るためには、利益確定日の3営業日前までに株を購入し保有する必要があります。